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一章
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次に目覚めた時には衝撃の事実が待っていた。
まず、俺は階段から落ちたらしい。頭を打って記憶喪失。
なくした記憶の中で、俺は結婚して出産までしていたらしい。しかも失くした記憶は約一年半ぶんだった……。
子供達……そう、子供は二人もいた。
もう九ヶ月で、つかまり立ちをしている。二人とも男の子だ。とても可愛い。
こんなに可愛いのに、何で忘れちゃったんだろう。
俺の結婚相手は宮園祐志というアルファの男で、同じ大学だったようだ。父が見合い話を持ち出して、祐志が受けた形らしい。
話はとんとん拍子に進んで、俺と祐志は結婚して、すぐに子供ができたけど、双子で難産で子宮は駄目になったようだ。
確かに臍から下に傷跡が残ってる。
俺は宮園健吾になっていた。
子供達が半年の頃に、俺は保育園の迎えに出ようとして、慌てて階段から落ちて、今この状況だそうだ。
俺が結婚したあたりで兄とは和解して、兄の配偶者であるオメガの諒さんとは家族ぐるみの付き合いをしていたそうだ。
諒さんは弟が欲しかったようで、俺のことをすごく可愛がってくれている。
「啓一、光一?」
「ごー」
「ごっ!」
啓一は俺のことを「ごー」、光一は「ごっ!」と呼ぶ。
祐志や諒さんが俺を健吾と呼ぶから、真似しているようだ。
二人とも産まれた時は小さかったそうだけど、すっかり標準以上になって、もうすぐ歩き出しそうだ。
二人ともアルファだからだろうか。成長が早い。
祐志に似ていて、きっとイケメンになるだろう。
「もうすぐお父さんが帰ってくるよ。ご飯作るから、大人しくしててね」
キッチンに入れないように設置した柵に捕まって、口を開ける子供達。まだ離乳食だから、つまみ食いもさせられない。
玄関のドアが開く音がして「ただいま」と祐志が帰ってきた。
「おかえり」と出迎えると、泣きそうな、嬉しそうな顔で抱きしめられる。いつも大袈裟で最初は驚いたけど嫌じゃない。
ハイハイで追いかけてきた子供達が、祐志の足をバシバシ叩いて抱擁は終わりだ。
祐志が子供達を抱き上げてリビングに向かう。
祐志とは学生結婚になってしまって、まだ新卒だからいくら跡取り息子でも給料はそう多くはない。
俺の体力が足りなくて昼間は保育園に預けているから、保育園代ぐらいは俺が働ければ良いんだけど、アルバイトでさえ祐志は嫌がる。
体力がなくて預けてるのに、アルバイトしてもっと悪くしたらどうするんだと言われた。反論できなかった。
俺だけやけに過保護にされてる気がして、申し訳ない。
祐志は俺の記憶喪失が相当辛いようだ。
子供達が眠る夜。
俺の腹の傷に口付けて、身体中に優しい手が触れる。慎重すぎるほどの手順を経て、祐志が入ってくる。
記憶を取り戻してすぐのころ、子宮がないために発情期も無くなってしまったから、祐志は俺に無体を強いてはいけないと我慢していたらしい。
こっそり処理しているところを見つけて、俺から誘って始まった。
祐志は泣いて喜んでいて、つられて俺も泣けてしまった。
気分的に初めてだったから、めちゃくちゃ恥ずかしかったけれど、祐志があまりにも大袈裟に泣いて喜ぶから悪いことしたと思った。
祐志だって若いし、やりたいよね。夫婦生活っていうぐらいだしね。
不思議だ。
俺の感覚ではつい最近までオメガなのが嫌でしょうがなかったのに、祐志と子供達を見ていると、今の状況がとても自然に思える。
出産後に体が弱ったようで、無理がきかなくなってるけど、祐志も諒さんも兄まで子育てを手伝ってくれる。
今、諒さんのお腹に兄の子がいるらしい。
従兄弟同士で歳が近いとまとめて面倒見やすいよね、と諒さんが笑う。俺を頼りにしてくれているのが嬉しい。
諒さんはデザイナーで忙しくなるから、うちに子供を預けることが多くなりそうだと言う。
俺はもう産めないけれど、子供たちにとって弟か妹のような存在ができるのが嬉しい。
双子の世話は大変だけど、体力がついて行かなくて保育園に預けたりしてしまっているけど、可愛くてたまらない。
オメガに生まれた自分を呪った日もあったけれど、祐志や子供達のいる生活を得られて、幸せだ。
まず、俺は階段から落ちたらしい。頭を打って記憶喪失。
なくした記憶の中で、俺は結婚して出産までしていたらしい。しかも失くした記憶は約一年半ぶんだった……。
子供達……そう、子供は二人もいた。
もう九ヶ月で、つかまり立ちをしている。二人とも男の子だ。とても可愛い。
こんなに可愛いのに、何で忘れちゃったんだろう。
俺の結婚相手は宮園祐志というアルファの男で、同じ大学だったようだ。父が見合い話を持ち出して、祐志が受けた形らしい。
話はとんとん拍子に進んで、俺と祐志は結婚して、すぐに子供ができたけど、双子で難産で子宮は駄目になったようだ。
確かに臍から下に傷跡が残ってる。
俺は宮園健吾になっていた。
子供達が半年の頃に、俺は保育園の迎えに出ようとして、慌てて階段から落ちて、今この状況だそうだ。
俺が結婚したあたりで兄とは和解して、兄の配偶者であるオメガの諒さんとは家族ぐるみの付き合いをしていたそうだ。
諒さんは弟が欲しかったようで、俺のことをすごく可愛がってくれている。
「啓一、光一?」
「ごー」
「ごっ!」
啓一は俺のことを「ごー」、光一は「ごっ!」と呼ぶ。
祐志や諒さんが俺を健吾と呼ぶから、真似しているようだ。
二人とも産まれた時は小さかったそうだけど、すっかり標準以上になって、もうすぐ歩き出しそうだ。
二人ともアルファだからだろうか。成長が早い。
祐志に似ていて、きっとイケメンになるだろう。
「もうすぐお父さんが帰ってくるよ。ご飯作るから、大人しくしててね」
キッチンに入れないように設置した柵に捕まって、口を開ける子供達。まだ離乳食だから、つまみ食いもさせられない。
玄関のドアが開く音がして「ただいま」と祐志が帰ってきた。
「おかえり」と出迎えると、泣きそうな、嬉しそうな顔で抱きしめられる。いつも大袈裟で最初は驚いたけど嫌じゃない。
ハイハイで追いかけてきた子供達が、祐志の足をバシバシ叩いて抱擁は終わりだ。
祐志が子供達を抱き上げてリビングに向かう。
祐志とは学生結婚になってしまって、まだ新卒だからいくら跡取り息子でも給料はそう多くはない。
俺の体力が足りなくて昼間は保育園に預けているから、保育園代ぐらいは俺が働ければ良いんだけど、アルバイトでさえ祐志は嫌がる。
体力がなくて預けてるのに、アルバイトしてもっと悪くしたらどうするんだと言われた。反論できなかった。
俺だけやけに過保護にされてる気がして、申し訳ない。
祐志は俺の記憶喪失が相当辛いようだ。
子供達が眠る夜。
俺の腹の傷に口付けて、身体中に優しい手が触れる。慎重すぎるほどの手順を経て、祐志が入ってくる。
記憶を取り戻してすぐのころ、子宮がないために発情期も無くなってしまったから、祐志は俺に無体を強いてはいけないと我慢していたらしい。
こっそり処理しているところを見つけて、俺から誘って始まった。
祐志は泣いて喜んでいて、つられて俺も泣けてしまった。
気分的に初めてだったから、めちゃくちゃ恥ずかしかったけれど、祐志があまりにも大袈裟に泣いて喜ぶから悪いことしたと思った。
祐志だって若いし、やりたいよね。夫婦生活っていうぐらいだしね。
不思議だ。
俺の感覚ではつい最近までオメガなのが嫌でしょうがなかったのに、祐志と子供達を見ていると、今の状況がとても自然に思える。
出産後に体が弱ったようで、無理がきかなくなってるけど、祐志も諒さんも兄まで子育てを手伝ってくれる。
今、諒さんのお腹に兄の子がいるらしい。
従兄弟同士で歳が近いとまとめて面倒見やすいよね、と諒さんが笑う。俺を頼りにしてくれているのが嬉しい。
諒さんはデザイナーで忙しくなるから、うちに子供を預けることが多くなりそうだと言う。
俺はもう産めないけれど、子供たちにとって弟か妹のような存在ができるのが嬉しい。
双子の世話は大変だけど、体力がついて行かなくて保育園に預けたりしてしまっているけど、可愛くてたまらない。
オメガに生まれた自分を呪った日もあったけれど、祐志や子供達のいる生活を得られて、幸せだ。
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