可愛い私の妹に婚約者を寝取られましたが、別にもういらないのでお下がりでよければ差し上げます《他数作》

日々埋没。

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「タマ、お前とはこんにゃく破棄だ!」大事な場面で盛大に噛んだ。

本編

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「タマ、お前とはこんにゃく破棄だ!」

 大事な場面で盛大に噛んだ。
 そのせいで結び目が解けたタッキ王子の背中からじわっと透き通る汗が流れた。

「おや、穏やかではないですね殿下。であればまずその理由をお聞かせ願えますか?」

 対するタマ子爵令嬢は落ち着いた様子で、突然の事態にもかかわらず冷静に尋ねる。
 かつては自分の殻にこもっていた彼女も十二分にかけて完熟した今では身も固まり、すっかり味わい深い大人になっていたが、そのせいで婚約者であるタッキ王子からはタンパクな質の女だと皮肉られることもあった。

「理由だと? ――そんなのは決まっている、お前がジャガー嬢を虐めたからだ!」

 声高に叫んだタッキ王子の隣に佇むのは、煮崩れしやすい粉吹き肌が特長のジャガー男爵令嬢だ。
 
「私が彼女を虐めたと?」

「ああそうだ、ジャガー嬢のことを芋臭いと悪し様に罵ったり、嫌がる彼女を大浴場へと連れまわして無理やり水風呂に突き落とし、その水が煮えたぎるまで浸からせ続けたと言うではないかっ! なんと可哀相に、おかげで全身に火傷を負った彼女は皮がめくれて大変な目にあったのだぞ!」

「はて、身に覚えがございませんが。なにより私にそのようなことをする理由がございませんし」

「この俺の前であくまでシラを切るか。理由など、どうせ彼女のホクホクとした口当たりの良さに嫉妬でもしたのだろう? とにかくお前のような身も心もどす黒い女は俺にふさわしくない。よって色白のジャガー嬢と新たに婚約をすることにした!」

 そういえば王家オーデンの色は白に連なるとタッキ王子が自慢していた覚えがある。
 だからこそ婚約の決まった幼少の頃は「おれたちお揃いの色だよな!」と色づく前のタマ子爵令嬢に向かって笑っていたこともあった。
 しかし時間が経つにつれて互いの道が分かたれ、いつしかタマ子爵令嬢は王妃候補といううまい出汁を吸って身も心も黒く染まってしまった。
 それをタッキ王子は自身に対する裏切り行為だと考え、彼女を許せなくなったのである。
 だから手紙のやりとりや茶会に誘われても、ここ最近は無視をするようにしていた。
 当然、贈り物などは向こうから一方的に送らせるばかりで花の一つも差し出したこともないという、まさに味が身にしみるほど冷え切った関係。
 
 そんな時だ、かつてのタマ子爵令嬢のように白い肌を持つジャガー男爵令嬢と出会ったのは。
 二人はすぐに意気投合し、男女の仲になった。
 そうなれば邪魔になるのは婚約者であるタマ子爵令嬢なのは言うまでもない。
 そこにきてジャガー男爵令嬢に対しての虐め疑惑は、まさに渡りに船だった。

「殿下のご意志、しかと拝聴いたしました。他でもない殿下自らがお決めになったことであれば私の方から今回のご決断について不満を申し上げることはございません」

「そうか、なら――」

「しかし私にかけられた疑惑については改めて否定させていただきたく。まずもってそちらのジャガー男爵令嬢とは初対面でありますし、それゆえ彼女を水風呂に突き落としたという事実もございません。確かに私も大浴場には足を運びましたが、王妃教育にて冷えた体を温めるべく熱い湯の状態から浸かりました」

 王妃候補が受ける王妃教育は婚約期間までの賞味期限を守るためか、ちょうどタマ子爵令嬢のように冷蔵室に入れられることもあった。

「悪口に関しても同様です。知り合ったことのない者を悪く言う必要がありませんので。もちろん私の発言を信用してくださればの話ですが」

「ふん、信用ならんな。証人がいるならまだしも」

 それを言うならジャガー男爵令嬢による話も同様だろうに、そのことに気づいていないのかあるいは――と、その時だった。

「証人ならここにおりますが? 兄上」

 二人の会話に割って入ってきたのは、タッキ王子の弟にしてこの国の第二王子であるイコンだ。
 そんな彼は芯が硬く精悍な体つきでありながら、どこか爽やかさを感じさせる美丈夫でもある。

「なんだイコン、お前には関係ないだろう」

 実の弟を見据えたタッキ王子の顔は険しい。それもそのはず、兄の自分も羨むほど瑞々しい白い肌を持っていたくせに何を思ってか浅黒く染めたイコンのことをいまだ認められずにいたからだ。

「関係はありますよ。言ったでしょう、証人だと。第三者の証言も聞かずに一方的に相手を糾弾するのは感心しませんね」

「……ちっ、相変わらず減らず口を。ならばお前の証言とやらを申してみろ」

「では遠慮なく。さて兄上も知っての通り大浴場は混浴可能であり、僕もジャガー男爵令嬢と偶然同じタイミングで肌の保湿のために米のとぎ汁を混ぜたお風呂に浸かっていたのですが」

「な、なにッ! イコン貴様、ジャガー嬢の風呂を覗いたのか!?」

「ですから偶然だと付け加えたではありませんか、都合のいい部分しか話を聞かないのは兄上の悪い癖ですよ? とにかく、その際にタマ子爵令嬢の姿を一度も見かけてはおりません。そんな彼女に犯行が可能といえますかね? 更に加えて言えばジャガー男爵令嬢は自ら熱湯に浸かっておりましたよ」

「うぐっ……、だ、だがお前が俺の話につじつまを合わせた可能性もあるだろう!?」

「そのようなことをしたところで僕にはメリットがありませんが王妃教育の出席記録でも見れば判然とするでしょう。……とはいえ本題はそこではない。僕の方こそジャガー男爵令嬢に用がありましてね」

「ふざけるなお前が彼女に用だと、ならばその前に俺を先に介せ――」

 ぎゃあぎゃあと喚くばかりの邪魔な兄は無視し、イコンのピリリと刺激的な瞳がジャガー男爵令嬢に向けられる。

「聞くところによると君は父親であるミート男爵と結託して逆にタマ子爵令嬢の悪評を振りまいていたそうじゃないか。自分が兄上の新たな婚約者の地位に収まるためにね」

 するとジャガー男爵令嬢の肩がビクリと震えた。
 どうやら裏で後ろ暗いことをしていた自覚が本人にも少しはあるらしい。

「君が虚偽の虐め被害でタマ子爵令嬢を貶めようとしたのもその一環だろう? 冤罪をかぶせて彼女の評判を下げつつ、自身は相談女を演じて兄上に取り入るために。そして実際君の思惑通りに事が運んだわけだ。でもアリバイ工作のつもりで下処理かわむきという名の自作自演おおやけどに走ったのは悪手だったね、結果的にこの僕に現場を目撃されることになったのだから」

 淡々と問い詰めるイコンの言葉は辛口で、まるで卸し金ですり下ろされるかのような印象を受ける。

「もちろん違うというのならタマ子爵令嬢のように今のうちに腹を割って話すといい。発言には真実性が求められるがそれは君の正当な権利だ」

「お、おおそうだ、ジャガー嬢もその分からず屋に言ってやれ! これは言いがかりだと!」

 しかしジャガー男爵令嬢はイコンから目をそらすばかりで、なにか言い訳をする素振りは見せない。
 既に彼女の所行に際しては裏取りどころか面取りすら済ませてあったし、いざとなれば煮っ転がして自白を促す用意もしてあったが、どうやらその必要もなさそうだ。

だんまりということはこちらの主張を全面的に認めるということでよろしいかな?」

「……ええ、構いませんわ。わたくしに反論の余地はございません」

 もはや煮え切らない態度を取ることはできないと悟ったのか、ようやくジャガー男爵令嬢が重い口を開いた。

「なっ、だとしたらあの相談は嘘だったというのかジャガー嬢!?」

「申し訳ございませんタッキ様、わたくし貴方様を騙していましたわ。……だけどその女が悪いの」

 そして次の瞬間、タマ子爵令嬢を睨みつける。

「ええそうよ、アンタさえいなければこんなことは初めからしなかったわ!」

「私が、ですか? なぜ。あなたに恨まれるようなことはなにもないはずですが」

 急に憎悪を向けられるが、なにも思い当たる節がないタマ子爵令嬢といえば困惑するばかりだ。
 とはいえ、もし仮に自分が知らない間にジャガー男爵令嬢に無礼を働いたとしたらそれは謝罪すべきではある、と考えていたら。

「うるさい! わたくしの方が婚約者のアンタよりもずっとずっとタッキ様と体の相性がいいのよ! それにお父さまだってお似合いの二人だって言ってくださったわ! だからこのわたくしこそが将来の王妃にふさわしいのよ!」
 
 まさかの自分勝手な理由に呆れるより他ない。

「そしてその未来はもう目の前にあるのよ、だってわたくしはタッキ様と改めて婚約するのだから! タマ、捨てられたアンタの代わりにね!」

 完全に開き直ったジャガー男爵令嬢は醜悪な芽に毒の素顔を浮かべたまま勝ち誇る。
 だがそうできたのもわずかばかりのことだった。

「品種を欠いた男爵令嬢風情が分不相応にも王妃メイクイーンの夢を見たか。しかしその淡い夢が叶うことはない。なぜなら今この時をもって第二王子改め――イコンの名において、くだらぬ虚言に惑わされ王命によるタマ子爵令嬢との婚約を破棄したタッキ第一王子並びに此度の騒動を企てたジャガー男爵令嬢、両名の王族籍と貴族籍をそれぞれ剥奪し、国外追放処分をここに言い渡すからだ!」

 よく響いたイコンからの宣告に、「……は?」と同時に素っ頓狂な声をあげるタッキ王子とジャガー男爵令嬢の二人。

「なおこの決定は陛下直々に汝らへの裁定権を委譲された我イコンのものであると同時に陛下御自らの言葉と捉えよ! ゆえに異議申し立ては認めん!」

 この予期せぬ展開にしばらく呆気にとられていたタッキ王子もといタッキだが、すぐに気を取り戻すとわめき始めた。
 
「こここ、この俺とジャガー嬢が追放だと!? いやそれよりもイコン、第一王子である俺を差し置いてお前が王太子とはどういうことだ!」

「おや、兄上はご存知でなかったかな? この国の王太子やその婚約者候補は国民投票アンケートによって決まると。そして僕は自分で言うのもなんだけど圧倒的な人気第一位であり、民意に従って今日から王太子を名乗り上げることにしただけに過ぎませんよ」

「そんなこと俺は知らんぞ!」

 先程の威厳のある物言いから一転、再びホロホロと柔らかい口調を戻したイコンに向かってタッキが汚く汁を飛ばす。

「では、よほど兄上にとって都合の悪い話だったのでしょうね。なにせタッキ第一王子の人気順位はかろうじて三位。それも兄上が忌み嫌う黒いアレに呼び方を変えた物も含めての投票結果でしたから」

「なんだと!? この俺がアレなんかと一緒にされるとは名誉毀損も甚だしいぞ……!」

 そう憤るタッキとは対象的にジャガーは事の意味を理解し「そんな、それではわたくしは一体なんのために……」とその場で肩から崩れた。

「浅ましい野心家の末路がこれか」

 その様子を冷めた目つきで見ていたイコンは最後にタッキへと向き直り、かつての兄に複雑な想いを抱きながらも沙汰を下すことにした。

「――さて話は以上です兄上。残念ですがあなたはジャガーとともに愚考を犯した。だからこの白磁の大舞台から早々に退場願いたい」

「はっ!? いや待てイコン話せば分かる――」

 なおも未練がましく追いすがろうとするタッキにかぶりを振って答える。

「もう遅い。……

 突然、ブチュリという異音が轟く。
 頭上に雷のような黄色でも走ったかと思った次の瞬間、まるで神罰が如き液体がタッキとジャガーに降り注いだ。

「ぐああああなんなんだこれはぁぁぁ!?」

「ぎゃあぁぁぁ辛い痛いしみるぅぅぅ!!」

 謎の液体にまみれた二人はのたうち回るが、それは粘性を持っているのか体から離れることはない。
 そうこうしていると今度は天から二本の柱が飛来し、嫌がるタッキとジャガーをひょいと摘まむと、問答無用で上空へと連れ去った。

「……あの、殿下今のは」

「世の中には不思議なこともあるのですよタマ子爵令嬢。ひとまずは理解の埒外にある神の戯れとでも思っていただけたら」

「はあ。ではそのようにいたします」

「賢明な判断だね。さて、タマ子爵令嬢はこれからどうするつもりだい?」

「これからですか? ……そうですね婚約も破談、というより元お相手の方が物理的に私の目の前からいなくなってしまったので父にほうれんそうの後、改めて縁談を整えることになるでしょうね」

 想像した通りの返答にふぅんとイコン。その目がスッと細められ、なんでもないことのように言う。

「ならその相手に僕が立候補してもいいかな?」

「殿下が、ですか? もちろんお引き受けすること自体は構いませんが……」

 やらかした兄に代わって贖罪のつもりなのだろうか、だとしたら気が引けるのだが。

「おっと、勘違いしないでほしいけど別に兄上――タッキのことは関係ないよ。白状すると、実は君はさっき僕が口にした国民投票の人気第二位でね」

「ええ、そうでしたか」

 たぶん喜ぶべきことなのだろうが、自分の預かり知らぬところでそんなのに選ばれても今いち実感の沸かないタマ子爵令嬢である。

「だからこそ釣り合いをとるべくタッキと君が婚約に至ったわけだが……まあ結果はこの様だ」

 やれやれとイコンは肩をすくめて見せるが、動作がいちいち似合っていて嫌みはない。

「それはまた災難でしたね」

「お互いにね。……それでだ、国民から人気がある僕たちなら婚約を取り進めても祝福してもらえると思うんだ」

「そうであれば嬉しい限りですね」
 
「なによりタマ子爵令嬢には王妃にふさわしい風格と一目を引く華があると陛下からも評判だよ。あとこれは個人的な話なんだけど、さっき毅然とタッキたちに言い返していた芯のある君のことが好ましく思えてね。だから君の名前の通り、将来この国の王となった僕にどうか寄り添ってくれないか?」

 こんな風に面と向かってプロポーズされては悪い気がしない。
 だからこそタマ子爵令嬢の答えは決まっていた。

「――はい、私で良ければ喜んで」

 ◆

















「みたいな小芝居を延々と続けてきたのよ? 特にからしチューブをしらたきとじゃがいもにめっちゃぶちまけて、『これがおでんの天罰ざまぁだーっ!』とか言いながら勢いよく食べて結局からしで蒸せてた時は流石にドン引きしたわ」

「うわ、初デートの場所が居酒屋でおでんってだけでもアレなのにそんな妄想癖まであるとか地雷物件じゃんよ。マッチングアプリの相手なら他にいくらでもいるんだし次の男いったら?」

「うーんまあそうなんだけどね。ぶっちゃけ一緒にいてそんなに退屈じゃなかったから、次回デートの約束も一応しておいた(笑)。タマとイコンのその後も気になるし、私の興味を引くためにあんなおでんの具材を舞台にした作り話まで考えてきたところがなんか憎めなくてさー」

「ってただの惚気話かよ! あんたの愚痴を真面目に聞いて損したわ、ああもうお幸せにね!」
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