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勇者がダンジョンにやってくる!
死者ゼロ達成に向かって 3
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「うむむ・・・まぁそれについては、また今度考えるとして。ヴェロニカ、魔力の残量はどうだ?問題なさそうか?」
「は、はい!それがですね・・・やはりギリギリの所で推移しています」
クリス達が訪れた時点で枯渇寸前であったダンジョンの魔力量は、訪れる冒険者が増えた現在の状況に回復する訳もなく、ギリギリの状態で推移していた。
以前より明らかに魔力を消費する場面が増えたダンジョンにも、どうにか経営を成り立たせているのはヴェロニカ達の努力の賜物だろう。
しかしそんな頑張りにあっても、主人の期待に応えられていないと、彼女はどこか悔しそうに顔を俯かせていた。
「いやヴェロニカ、お前が気にするような事ではない。お前は十分良くやってくれている」
「も、勿体無きお言葉でございます!このヴェロニカ、より一層の働きをしてご覧に入れます」
十分な働きをしているにもかかわらず、自らの不甲斐なさを嘆く部下の姿に、カイはその働きを認める声を掛けていた。
ヴェロニカはその言葉に感動したように瞳を潤ませ、背筋を正してはより一層の働きを誓っていたが、それはカイの意図とは少しずれたものであった。
「あ、あぁ・・・頼んだぞ。しかしやはり、予想以上に魔法を扱える者が少ないのが響いたか?」
「確かに、そうした面もあります。彼らが齎す魔力は、予想を大きく下回っていますので・・・」
魔法使いが魔法を行使すると、それによって放出された魔力はマナへと変わってその空間に残留する。
ダンジョンの外からやってきた魔法使いがその中で魔法を使えば、当然その魔力はダンジョンによって吸収される事になる。
冒険者が多く訪れる事によって、それによる魔力の供給が増えると考えていたカイは、思った以上の魔法使いの少なさに、当てが外れてしまっていた。
「それも考えていかないとな・・・ポーションの量を、もっと絞った方がいいか?」
「そうですね。採取した薬草を素材に使う事で、大分魔力の消費を抑えられていますが、それでもやはり魔力を使いますので・・・」
慢性的な魔力不足に、カイは冒険者達に供給しているポーションの量を絞る事も視野に入れる。
セッキが連れてきた魔物達は、その一部にダンジョン管理の仕事を任せているが、ほとんどは以前と変わらず薬草採集に従事させていた。
それにより治癒のポーションなどのポーションを量産していたのだが、薬草を素材として使ったからといって、その魔力の消費がゼロになる訳でもない。
確かにそのポーションは冒険者を惹きつける上で重要な役割を担っていたが、こうも魔力不足の状態が続いてしまえば、いつまでもそのままではいられなかった。
「そうか、ならばやはり少し絞ろう」
「はっ、畏まりました」
訪れる冒険者の数に、このダンジョンの評判はもう十分に広まっているだろう。
それならば少しぐらい供給するポーションの数を絞っても問題にはならないだろう、そう考えてカイはそれを絞る指示を下す。
「ふむ、こんな所か。他に報告はないか、ヴェロニカ?」
「いえ、ございません」
「そうか。では、先ほどの事を頼む」
「ははっ、お任せください」
一通り考えられる問題について話し合ったカイは、他に何か話しておく事ははないかとヴェロニカに尋ねていた。
その言葉に静かに首を横に振ったヴェロニカの姿に、カイは先ほど出した指示の実行を求める。
カイの言葉に頭を下げて了承を告げたヴェロニカは、足早にダンジョンコアの方へと向かっていく。
「さて、フィアナ達は何を―――」
カイがヴェロニカと話している間にも、フィアナはダミアンを抱えたままなにやら作業をしているようだった。
ヴェロニカからだけでなく、彼女達の意見も聞こうとしたカイはしかし、どこかから聞こえてきた声によって、そちらへと注意を割かざるえなくなってしまっていた。
『旦那ぁ~、旦那ぁ~聞いてくれよぉ!』
「この声は、セッキか?どうした、何かあったのか?」
カイが手元に出していたモニターから聞こえてきたのは、まるで泣いているかのようなセッキの声であった。
そんなセッキの声にも、カイは焦った様子を見せない。
それは彼がそんな声を上げる理由を、カイがすでに知っていたからだろう。
『暇で暇でしょうがねぇよぉ、旦那ぁ~!これなら薬草採集に行ってる連中に、ついて行った方がまだましだぁ!今からでもそっちに行かせてくれよぉ!』
「・・・悪いが、それは出来ない」
訪れる冒険者が増えたという事は、このダンジョンを最後まで踏破する実力を持つ者が、いつ現れてもおかしくはないという事を意味していた。
それを考えればこの最奥の間を守る、このダンジョンのボスともいえる存在には、強力な力を持つ者を当てる必要があった。
このダンジョンにおいて最強の存在、それはつまりセッキの事である。
それは勿論、カイの認識の中での話であったが、自らの主人にそう言われればセッキも悪い気はしない。
『何でだ!何で何だよ旦那ぁ!?もう一ヶ月近くも誰も来やしない!こんな所守ってる必要もないだろぉ!!』
その結果が、この有様である。
先ほども言ったとおり、このダンジョンに訪れるのは駆け出しの冒険者が主であった。
そんな冒険者の多くは最初のフロアを突破するのがやっとであり、二つ目のフロアを攻略する者など皆無に等しい。
その上、最奥の間が存在するこのフロアに配置された魔物は、臆病なカイの心情を配慮してか、かなり強力な者を揃えている。
そんな者を突破してセッキの前まで現れる冒険者などいる訳もなく、セッキはこの一ヶ月、ただただ暇を持て余していただけであった。
「は、はい!それがですね・・・やはりギリギリの所で推移しています」
クリス達が訪れた時点で枯渇寸前であったダンジョンの魔力量は、訪れる冒険者が増えた現在の状況に回復する訳もなく、ギリギリの状態で推移していた。
以前より明らかに魔力を消費する場面が増えたダンジョンにも、どうにか経営を成り立たせているのはヴェロニカ達の努力の賜物だろう。
しかしそんな頑張りにあっても、主人の期待に応えられていないと、彼女はどこか悔しそうに顔を俯かせていた。
「いやヴェロニカ、お前が気にするような事ではない。お前は十分良くやってくれている」
「も、勿体無きお言葉でございます!このヴェロニカ、より一層の働きをしてご覧に入れます」
十分な働きをしているにもかかわらず、自らの不甲斐なさを嘆く部下の姿に、カイはその働きを認める声を掛けていた。
ヴェロニカはその言葉に感動したように瞳を潤ませ、背筋を正してはより一層の働きを誓っていたが、それはカイの意図とは少しずれたものであった。
「あ、あぁ・・・頼んだぞ。しかしやはり、予想以上に魔法を扱える者が少ないのが響いたか?」
「確かに、そうした面もあります。彼らが齎す魔力は、予想を大きく下回っていますので・・・」
魔法使いが魔法を行使すると、それによって放出された魔力はマナへと変わってその空間に残留する。
ダンジョンの外からやってきた魔法使いがその中で魔法を使えば、当然その魔力はダンジョンによって吸収される事になる。
冒険者が多く訪れる事によって、それによる魔力の供給が増えると考えていたカイは、思った以上の魔法使いの少なさに、当てが外れてしまっていた。
「それも考えていかないとな・・・ポーションの量を、もっと絞った方がいいか?」
「そうですね。採取した薬草を素材に使う事で、大分魔力の消費を抑えられていますが、それでもやはり魔力を使いますので・・・」
慢性的な魔力不足に、カイは冒険者達に供給しているポーションの量を絞る事も視野に入れる。
セッキが連れてきた魔物達は、その一部にダンジョン管理の仕事を任せているが、ほとんどは以前と変わらず薬草採集に従事させていた。
それにより治癒のポーションなどのポーションを量産していたのだが、薬草を素材として使ったからといって、その魔力の消費がゼロになる訳でもない。
確かにそのポーションは冒険者を惹きつける上で重要な役割を担っていたが、こうも魔力不足の状態が続いてしまえば、いつまでもそのままではいられなかった。
「そうか、ならばやはり少し絞ろう」
「はっ、畏まりました」
訪れる冒険者の数に、このダンジョンの評判はもう十分に広まっているだろう。
それならば少しぐらい供給するポーションの数を絞っても問題にはならないだろう、そう考えてカイはそれを絞る指示を下す。
「ふむ、こんな所か。他に報告はないか、ヴェロニカ?」
「いえ、ございません」
「そうか。では、先ほどの事を頼む」
「ははっ、お任せください」
一通り考えられる問題について話し合ったカイは、他に何か話しておく事ははないかとヴェロニカに尋ねていた。
その言葉に静かに首を横に振ったヴェロニカの姿に、カイは先ほど出した指示の実行を求める。
カイの言葉に頭を下げて了承を告げたヴェロニカは、足早にダンジョンコアの方へと向かっていく。
「さて、フィアナ達は何を―――」
カイがヴェロニカと話している間にも、フィアナはダミアンを抱えたままなにやら作業をしているようだった。
ヴェロニカからだけでなく、彼女達の意見も聞こうとしたカイはしかし、どこかから聞こえてきた声によって、そちらへと注意を割かざるえなくなってしまっていた。
『旦那ぁ~、旦那ぁ~聞いてくれよぉ!』
「この声は、セッキか?どうした、何かあったのか?」
カイが手元に出していたモニターから聞こえてきたのは、まるで泣いているかのようなセッキの声であった。
そんなセッキの声にも、カイは焦った様子を見せない。
それは彼がそんな声を上げる理由を、カイがすでに知っていたからだろう。
『暇で暇でしょうがねぇよぉ、旦那ぁ~!これなら薬草採集に行ってる連中に、ついて行った方がまだましだぁ!今からでもそっちに行かせてくれよぉ!』
「・・・悪いが、それは出来ない」
訪れる冒険者が増えたという事は、このダンジョンを最後まで踏破する実力を持つ者が、いつ現れてもおかしくはないという事を意味していた。
それを考えればこの最奥の間を守る、このダンジョンのボスともいえる存在には、強力な力を持つ者を当てる必要があった。
このダンジョンにおいて最強の存在、それはつまりセッキの事である。
それは勿論、カイの認識の中での話であったが、自らの主人にそう言われればセッキも悪い気はしない。
『何でだ!何で何だよ旦那ぁ!?もう一ヶ月近くも誰も来やしない!こんな所守ってる必要もないだろぉ!!』
その結果が、この有様である。
先ほども言ったとおり、このダンジョンに訪れるのは駆け出しの冒険者が主であった。
そんな冒険者の多くは最初のフロアを突破するのがやっとであり、二つ目のフロアを攻略する者など皆無に等しい。
その上、最奥の間が存在するこのフロアに配置された魔物は、臆病なカイの心情を配慮してか、かなり強力な者を揃えている。
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