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魔王編
第三十八話
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「魔王様!ありがとうございます。おかげで領地の問題が解決しました。」
「よかった。」
魔王?になってからはもっと協力する必要があると感じ、交流を繰り返している間に領地?がどんどん広くなっていった。
「ふふ。」
「…?ミケ!」
「しっかりやってるね。」
「そうかな?僕できてる?」
「立派だよ。ヴェル。でも、可愛い!」
「ちょっ!」
ミケが抱きついてきた。久しぶりだなあ。ミケは困っている人型魔物を保護するため、今はいろんなところを旅している。
魔王ならかっこいいイメージだけど、ミケはすぐ可愛いって言うんだから…。確かに身長は170cmくらいで、顔もあまり変わってないけどさ。
領地は拡大して、豊かになっているため僕は今は立派な建物に住んでいる。魔王城ってやつかな?
でも、一つだけ問題がある。襲ってくる魔物に対抗するため仲間を増やしてきたため、今まで人間に隠れて暮らしていたのにだんだんと領地も拡大したから僕たちの存在がバレてきた。
僕たちは魔力量が多いから人間よりも全然強いから大丈夫なんだけど、過去に人間だった僕からすると人間は大人数になった時が一番恐ろしいからね。
「魔王様!!城に侵入者が!」
城の警備をしているリザードマンが叫んだ。
「侵入者?」
「はい。どうやら人間のようです。」
「うーん、じゃあいつもみたいに記憶を消して街に戻してあげて。」
「私たちもいつもはそうしているのですが、その人間がヴァレリウスに会いたいと叫んでいるんです。」
「……ヴァレリウスか。」
僕の過去の話は一部の者にしていないが、このリザードマンは昔一緒に戦っていてあの怪我をしたリザードマンだったため僕の昔の話を知っていたから相談してきてくれたのだろう。
「分かった。通してくれる。」
「危険では?!」
「大丈夫だよ。」
ハーディルでない限り、負けたりはしないから。
「わぁ!ここは魔力で溢れてるな!」
ワクワクしたような明るい声が城内に響き渡る。魔王の近くにいるなんて感じもなく緊張感もない。
そしてこの明るい声は学園の数少ない友人の声に似ていた。
「………ルカ?」
「そうだよ!やっぱりヴァレリウスだった!」
別れる前よりも長くなった緑色の髪を一つにまとめ、大きな緑瞳をキラキラさせている学友のルカだった。魔法オタクと呼ばれていたルカだった。
「どうして?」
「ずっとヴァレリウスのこと探していたんだよ。立派なツノだね。」
「僕のことなんて忘れているかと思っていたよ。」
「唯一の親友を忘れるわけないでしょ?!僕の方こそ、手紙を送っても返信ないから嫌われたと思ってたんだ。」
「手紙なんて来てなかったよ?」
「え?!……そっか何か手違いがあったのかな。まぁ、いいや。今こうして会えてるからね。」
そっか、僕ルカに嫌われて無かったんだ。
「でも、どうして僕が魔王って分かったの?」
「僕、留学先でこの国の昔話の本をみたんだ。そこにはこの世界には知能が高い魔物と協力して生活していた。って内容があって、まだいるんじゃないかって旅をしていたんだ。」
魔法のことになるとどんどん進んでいくルカは変わっていなかった。
「そこで、僕は美しいセイレーンに出会った。アクアって名前の。」
アクアは今は南の方の領地を治めているはずだ。南の方であったのかな。
「それでアクアに色々な話を聞いた。親密になって行くにつれて僕の話もしたりしたら、アクアが魔王様に会ってみてって。それで魔王様がヴァレリウスじゃないかって考えたの!」
「ふふ。僕じゃなかったら、どうしたの。」
「そのときはその時だけど、僕は絶対君だと感じてたんだ。なんだか分からないけど確信してた。」
ルカはキラキラした眼で僕の眼を見てきた。
ルカの希望もあってこの城にしばらく滞在することになった。魔力が溢れているここの領地はルカにとって理想の場所なのだろう。楽しそうに魔力の研究をしている。
「ねぇ、ルカ。学園とか今はどうなっているの?」
「…ヴァレリウスが学園裁判中にいなくなったのは僕でもきいてるよ。その後、第二王子がとても怒ってヴァレリウスを探しまくっている。とか噂で聞いた。国に関してもあまりうまく機能していないみたい。」
「よかった。」
魔王?になってからはもっと協力する必要があると感じ、交流を繰り返している間に領地?がどんどん広くなっていった。
「ふふ。」
「…?ミケ!」
「しっかりやってるね。」
「そうかな?僕できてる?」
「立派だよ。ヴェル。でも、可愛い!」
「ちょっ!」
ミケが抱きついてきた。久しぶりだなあ。ミケは困っている人型魔物を保護するため、今はいろんなところを旅している。
魔王ならかっこいいイメージだけど、ミケはすぐ可愛いって言うんだから…。確かに身長は170cmくらいで、顔もあまり変わってないけどさ。
領地は拡大して、豊かになっているため僕は今は立派な建物に住んでいる。魔王城ってやつかな?
でも、一つだけ問題がある。襲ってくる魔物に対抗するため仲間を増やしてきたため、今まで人間に隠れて暮らしていたのにだんだんと領地も拡大したから僕たちの存在がバレてきた。
僕たちは魔力量が多いから人間よりも全然強いから大丈夫なんだけど、過去に人間だった僕からすると人間は大人数になった時が一番恐ろしいからね。
「魔王様!!城に侵入者が!」
城の警備をしているリザードマンが叫んだ。
「侵入者?」
「はい。どうやら人間のようです。」
「うーん、じゃあいつもみたいに記憶を消して街に戻してあげて。」
「私たちもいつもはそうしているのですが、その人間がヴァレリウスに会いたいと叫んでいるんです。」
「……ヴァレリウスか。」
僕の過去の話は一部の者にしていないが、このリザードマンは昔一緒に戦っていてあの怪我をしたリザードマンだったため僕の昔の話を知っていたから相談してきてくれたのだろう。
「分かった。通してくれる。」
「危険では?!」
「大丈夫だよ。」
ハーディルでない限り、負けたりはしないから。
「わぁ!ここは魔力で溢れてるな!」
ワクワクしたような明るい声が城内に響き渡る。魔王の近くにいるなんて感じもなく緊張感もない。
そしてこの明るい声は学園の数少ない友人の声に似ていた。
「………ルカ?」
「そうだよ!やっぱりヴァレリウスだった!」
別れる前よりも長くなった緑色の髪を一つにまとめ、大きな緑瞳をキラキラさせている学友のルカだった。魔法オタクと呼ばれていたルカだった。
「どうして?」
「ずっとヴァレリウスのこと探していたんだよ。立派なツノだね。」
「僕のことなんて忘れているかと思っていたよ。」
「唯一の親友を忘れるわけないでしょ?!僕の方こそ、手紙を送っても返信ないから嫌われたと思ってたんだ。」
「手紙なんて来てなかったよ?」
「え?!……そっか何か手違いがあったのかな。まぁ、いいや。今こうして会えてるからね。」
そっか、僕ルカに嫌われて無かったんだ。
「でも、どうして僕が魔王って分かったの?」
「僕、留学先でこの国の昔話の本をみたんだ。そこにはこの世界には知能が高い魔物と協力して生活していた。って内容があって、まだいるんじゃないかって旅をしていたんだ。」
魔法のことになるとどんどん進んでいくルカは変わっていなかった。
「そこで、僕は美しいセイレーンに出会った。アクアって名前の。」
アクアは今は南の方の領地を治めているはずだ。南の方であったのかな。
「それでアクアに色々な話を聞いた。親密になって行くにつれて僕の話もしたりしたら、アクアが魔王様に会ってみてって。それで魔王様がヴァレリウスじゃないかって考えたの!」
「ふふ。僕じゃなかったら、どうしたの。」
「そのときはその時だけど、僕は絶対君だと感じてたんだ。なんだか分からないけど確信してた。」
ルカはキラキラした眼で僕の眼を見てきた。
ルカの希望もあってこの城にしばらく滞在することになった。魔力が溢れているここの領地はルカにとって理想の場所なのだろう。楽しそうに魔力の研究をしている。
「ねぇ、ルカ。学園とか今はどうなっているの?」
「…ヴァレリウスが学園裁判中にいなくなったのは僕でもきいてるよ。その後、第二王子がとても怒ってヴァレリウスを探しまくっている。とか噂で聞いた。国に関してもあまりうまく機能していないみたい。」
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