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魔王編
第四十三話
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うぅ、心臓がバクバクしてる…。キースが、僕のことを。
「…す…き?____っ!」
あのキースが?この僕を?!
なんだ気づいてなかったのか?なんてルターが馬鹿にしているような気がする。
気づくわけないじゃないか。
「熱烈な愛の告白だったね!」
「ルカ!揶揄わないでよ。」
ルカがニヤニヤしてる。あのあとどうやって自分の部屋に戻ってきたか覚えていない。驚きすぎてルカに支えられながら戻ってきたんだろう。
「キースとは初対面だったけど、君が好きだってすぐにわかったよ。付き合ってるようにも見えたし。ヴァレリウスは鈍感だね。」
「もうやめてよー!」
「ふふ。じゃあ、僕も自分の部屋に戻るね。ゆっくり休みな。」
「ありがとう。ルカ。」
キースのことは好きだけど、恋愛的な意味で好きなのかは分からない。ルカのことももちろん家族のことも大好きだけど。
でも、平和になったらみんなで仲良く暮らしたいとは思う。そのためにはみんなを助けたい。なんだか魔王じゃなくて、救世主みたいな考えになっちゃた。
それも君らしいってルターの声が聞こえる気がする。
もしかしたらみんなは今の方がいいのかもしれない。けど、ただまた仲良くなりたい。それこそ、自分勝手な願いかも。それなら完璧な悪役の考えになっているかもしれない。
キースside
ずっと守ると誓った人にまた再会することができた。
警備が薄くなった時に脱獄し、先生と協力しながらヴァレリウスを探した。
「なぁ、知ってるか?森の奥に不思議な空間があるらしい。とても綺麗な場所らしい。その場所に足を踏み入れた記憶はあるけど、どんな場所で何がいたかなんてことは忘れちまうらしい。」
「…。」
旅の途中で興味深い話を聞いた。
トクス家の言い伝えを思い出した。
魔物とは全てが悪ではない。むしろ友人であった。知能がない魔物であるヴィーストにより同盟が崩れてしまった。
魔物は元は人間である。それを心して戦うように。
これがトクス家の言い伝えであった。知能が高い魔物は隠れて暮らしており人に危害は与えないらしい。普通の人がそのエリアに入ると記憶は消すが外に出る道を教えてくれるらしい。
多分そのエリアの話だろう。
トクス家はヴィーストと戦うときは敬意を持ち討伐することを大切にしてきた。
国中探してもヴァレリウスは見つからない。そのエリアで探してみる必要があるかもしれないと思った。
「あれ、君も迷い込んだのかい?…いや、君はトクス家の子孫だね。歓迎するよ。」
羽が生えた小人が声をかけてきた。これが妖精か…。
「小人って!やめてよー!そう妖精だよ!」
どうやら妖精は考えていることがわかるらしい。妖精はこのエリアの門番ようなもので侵入者が危害を加える者か判断しているらしい。
「ふんふん。いなくなった恋人を探しているんだね?」
「恋人ではない。」
「隠さなくっていいのに。恋人になりたいんでしょ?」
ヴァレリウスに対して好意はあったが、離れたことにより自分の気持ちに気づいた。恋人になりたいかは分からないがヴァレリウスのことは愛おしいと思っている。
「ふふ、熱々だね。でも、ヴァレリウス君は知らないな。」
「そうか…。」
やはりここもダメか。
「あ!でも、ここの魔王様は元は人間だったんだよね。ヴァレリウスって名前じゃなかったんだけど、確かヴェルだっけな。」
ヴェル…。聞き覚えがあるあのドラゴンが呼んでた名だ。
多分あの子である。
会いたい。
「それなら北に向かって歩くといい。会えるといいね!」
「ありがとう。感謝する。」
妖精の言う通り北に向かって途中で少女の声が聞こえた。
少女を助けた時に現れたのはずっと探していた愛おしい君だった。
「…す…き?____っ!」
あのキースが?この僕を?!
なんだ気づいてなかったのか?なんてルターが馬鹿にしているような気がする。
気づくわけないじゃないか。
「熱烈な愛の告白だったね!」
「ルカ!揶揄わないでよ。」
ルカがニヤニヤしてる。あのあとどうやって自分の部屋に戻ってきたか覚えていない。驚きすぎてルカに支えられながら戻ってきたんだろう。
「キースとは初対面だったけど、君が好きだってすぐにわかったよ。付き合ってるようにも見えたし。ヴァレリウスは鈍感だね。」
「もうやめてよー!」
「ふふ。じゃあ、僕も自分の部屋に戻るね。ゆっくり休みな。」
「ありがとう。ルカ。」
キースのことは好きだけど、恋愛的な意味で好きなのかは分からない。ルカのことももちろん家族のことも大好きだけど。
でも、平和になったらみんなで仲良く暮らしたいとは思う。そのためにはみんなを助けたい。なんだか魔王じゃなくて、救世主みたいな考えになっちゃた。
それも君らしいってルターの声が聞こえる気がする。
もしかしたらみんなは今の方がいいのかもしれない。けど、ただまた仲良くなりたい。それこそ、自分勝手な願いかも。それなら完璧な悪役の考えになっているかもしれない。
キースside
ずっと守ると誓った人にまた再会することができた。
警備が薄くなった時に脱獄し、先生と協力しながらヴァレリウスを探した。
「なぁ、知ってるか?森の奥に不思議な空間があるらしい。とても綺麗な場所らしい。その場所に足を踏み入れた記憶はあるけど、どんな場所で何がいたかなんてことは忘れちまうらしい。」
「…。」
旅の途中で興味深い話を聞いた。
トクス家の言い伝えを思い出した。
魔物とは全てが悪ではない。むしろ友人であった。知能がない魔物であるヴィーストにより同盟が崩れてしまった。
魔物は元は人間である。それを心して戦うように。
これがトクス家の言い伝えであった。知能が高い魔物は隠れて暮らしており人に危害は与えないらしい。普通の人がそのエリアに入ると記憶は消すが外に出る道を教えてくれるらしい。
多分そのエリアの話だろう。
トクス家はヴィーストと戦うときは敬意を持ち討伐することを大切にしてきた。
国中探してもヴァレリウスは見つからない。そのエリアで探してみる必要があるかもしれないと思った。
「あれ、君も迷い込んだのかい?…いや、君はトクス家の子孫だね。歓迎するよ。」
羽が生えた小人が声をかけてきた。これが妖精か…。
「小人って!やめてよー!そう妖精だよ!」
どうやら妖精は考えていることがわかるらしい。妖精はこのエリアの門番ようなもので侵入者が危害を加える者か判断しているらしい。
「ふんふん。いなくなった恋人を探しているんだね?」
「恋人ではない。」
「隠さなくっていいのに。恋人になりたいんでしょ?」
ヴァレリウスに対して好意はあったが、離れたことにより自分の気持ちに気づいた。恋人になりたいかは分からないがヴァレリウスのことは愛おしいと思っている。
「ふふ、熱々だね。でも、ヴァレリウス君は知らないな。」
「そうか…。」
やはりここもダメか。
「あ!でも、ここの魔王様は元は人間だったんだよね。ヴァレリウスって名前じゃなかったんだけど、確かヴェルだっけな。」
ヴェル…。聞き覚えがあるあのドラゴンが呼んでた名だ。
多分あの子である。
会いたい。
「それなら北に向かって歩くといい。会えるといいね!」
「ありがとう。感謝する。」
妖精の言う通り北に向かって途中で少女の声が聞こえた。
少女を助けた時に現れたのはずっと探していた愛おしい君だった。
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