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魔王編
第四十四話
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ついにハーディルとの話し合い(戦い)の日になった。キースとルカ、メハイル先生、ミケと行くことになった。
ハーディルのしたことは許せないけど、同室の時の楽しかった思い出はあるからなんだか寂しい。ハーディルは少しは楽しかったかな。
「ヴァレリウス、行くぞ。」
「うん。」
「ニャー、どうしてみんなヴェルのことヴァレリウスって言うの?」
「ミケはヴェルって呼んで!」
「まぁ、ヴェルがそういうならいいけどニャ!」
ヴァレリウスもヴェルも両方僕だからどっちで呼ばれても嬉しい。
「王国は今は警備が厳重であるから、警備が手薄なところから侵入しましょう。」
「流石メハイル先生ですね。」
裏道のようなところを通って、洞窟のような場所についた。
「ここから行けばいいんですね?」
「あぁ。」
「ジメジメするニャ!人間は暗闇見えないだったニャ」
「僕は大丈夫みたい!」
これはルターと交わったからかな暗闇でもよく見える。
「じゃあ僕とミケが先に行くね。」
「そうだニャ!」
しばらく進むとなんだか空気が重くなってきた。
「うぅ。苦しいニャ。。」
「僕も少し頭が痛い…。」
「2人とも大丈夫?僕は何も感じないや。」
「私も。」
ルカもキース、メハイル先生にも変化はなく、僕とミケだけが苦痛を感じているようだった。これから先何かが待っていることは明白だった。
「んん?誰かいるニャ!?」
「久しぶりだね。ヴァレリウス。」
暗闇から現れたのは黒いオーラに身を包んだハディールだった。全身真っ黒に白い肌と真っ赤な眼が不気味に光っていた。
「感動の再会なのに余計なものがいるね。」
ハディールはゆっくり近づいてきた。
「これが例の悪魔かニャ。」
「悪魔って懐かしい呼び方だね。君はミケだね。ヴァレリウスを助けてくれてありがとう。」
「ニャ!どうして名前を!?」
「私は分からないことなんてないんだよ。ヴァレリウスが戻ってきてくれるまで待ってたんだから。それまではずっと見守っていたんだ。」
「…もう、やめてよ。」
「それは無理だ。君を私のものにするからね。」
「っっ!」
いつのまにかハディールの後ろに回って剣を振り下ろしていたキースを振り向くこともせず投げ飛ばした。
「あぁ、まだ生きてたんだ。君は忌々しい勇者の子孫だったね。私に勝とうなんて無理だよ。諦めな。」
「…」
「どうにか帰ってくれないか。」
メハイル先生が落ち着いた様子でハディールに声をかけた。ルカはその後ろで震えていた。無理もないだろう。僕もハディールは怖すぎる。
「おやおや、これは先生ではないですか?ここにいたんですね。帰りますよ。ヴァレリウスをつれてね。」
「話は通じないようですね。」
出発前に決めていた。予想もしない時にハディールにあったら逃げようと。
メハイル先生がこっちをチラッと見て合図をした。転移魔法を使うのだろう。
「せっかく来てくれたのに逃げるのかい?そうはさせないよ!」
ハディールが闇魔法を使った。
「うぅ!」
ハディールの闇魔法が当たった。体が重い。他のみんなの呻き声が聞こえてくるからみんなも攻撃されたのだろう。
「みんな大丈夫かニャ!?」
ミケは素早く動くことができるため攻撃を避けることができたみたいだった。
「許さないニャ!!」
「ミケだめっ!」
ミケはハディールに向かって攻撃を放った。
「弱いね。君にはヴァレリウスを助けてもらって感謝はしているけど所詮は獣だね。」
ハディールの黒いオーラがミケの心臓を貫いた。
ミケは人形のように体の力が抜けて、床に倒れた。
「ミケ?」
「その獣死んだよ。」
「嘘…。嘘だよね。ミケ?」
重い体を引きづりながらミケが倒れているところまできた。ハディールの悪い嘘だ。あのミケが死んだはずがない。
「ミケ?」
「どうした?」
他のみんなも目が覚めたようでこの状況に驚いている。
「君たちの仲間がひとり死んだんだよ。死にたくなければヴァレリウスを置いて帰りな。」
「そんな…ミケ?起きてよぉ。」
目の前の冷たくなったミケの頬を撫でる。
「可哀想だね。この獣を生き返られたいならついてきて。」
「ダメだ!騙されるな!」
キースが叫んでいる。キースは近くにいるはずなのに遠くに聞こえる。
ミケが助かる?ついていけばいいの?
「どうする?このままじゃ生き返らせない。魂が体から離れるからね。私はどちらでもいいよ。」
ミケ…ミケ。心の中からルターが騙されていると叫んでいる。けどこのままミケを…ミケを見捨てることなんてできない。
「本当に?助けてくれるの?」
「もちろん可愛いヴァレリウスの頼みならね。ついてきて。」
「………」
ゆっくり頷いた。
「ダメだ!」
キースの叫び声が聞こえる。
「他のみんなも傷つけない?」
「あぁ。もちろんさ。君が来るならね。」
「みんなごめんね。」
どうしてもミケを助けたかった。バカだとは思うけど、助けたかった。
「じゃあ行こうか。」
ハディールを纏っている黒いオーラに包まれてだんだん眠くなってきた。
ハーディルのしたことは許せないけど、同室の時の楽しかった思い出はあるからなんだか寂しい。ハーディルは少しは楽しかったかな。
「ヴァレリウス、行くぞ。」
「うん。」
「ニャー、どうしてみんなヴェルのことヴァレリウスって言うの?」
「ミケはヴェルって呼んで!」
「まぁ、ヴェルがそういうならいいけどニャ!」
ヴァレリウスもヴェルも両方僕だからどっちで呼ばれても嬉しい。
「王国は今は警備が厳重であるから、警備が手薄なところから侵入しましょう。」
「流石メハイル先生ですね。」
裏道のようなところを通って、洞窟のような場所についた。
「ここから行けばいいんですね?」
「あぁ。」
「ジメジメするニャ!人間は暗闇見えないだったニャ」
「僕は大丈夫みたい!」
これはルターと交わったからかな暗闇でもよく見える。
「じゃあ僕とミケが先に行くね。」
「そうだニャ!」
しばらく進むとなんだか空気が重くなってきた。
「うぅ。苦しいニャ。。」
「僕も少し頭が痛い…。」
「2人とも大丈夫?僕は何も感じないや。」
「私も。」
ルカもキース、メハイル先生にも変化はなく、僕とミケだけが苦痛を感じているようだった。これから先何かが待っていることは明白だった。
「んん?誰かいるニャ!?」
「久しぶりだね。ヴァレリウス。」
暗闇から現れたのは黒いオーラに身を包んだハディールだった。全身真っ黒に白い肌と真っ赤な眼が不気味に光っていた。
「感動の再会なのに余計なものがいるね。」
ハディールはゆっくり近づいてきた。
「これが例の悪魔かニャ。」
「悪魔って懐かしい呼び方だね。君はミケだね。ヴァレリウスを助けてくれてありがとう。」
「ニャ!どうして名前を!?」
「私は分からないことなんてないんだよ。ヴァレリウスが戻ってきてくれるまで待ってたんだから。それまではずっと見守っていたんだ。」
「…もう、やめてよ。」
「それは無理だ。君を私のものにするからね。」
「っっ!」
いつのまにかハディールの後ろに回って剣を振り下ろしていたキースを振り向くこともせず投げ飛ばした。
「あぁ、まだ生きてたんだ。君は忌々しい勇者の子孫だったね。私に勝とうなんて無理だよ。諦めな。」
「…」
「どうにか帰ってくれないか。」
メハイル先生が落ち着いた様子でハディールに声をかけた。ルカはその後ろで震えていた。無理もないだろう。僕もハディールは怖すぎる。
「おやおや、これは先生ではないですか?ここにいたんですね。帰りますよ。ヴァレリウスをつれてね。」
「話は通じないようですね。」
出発前に決めていた。予想もしない時にハディールにあったら逃げようと。
メハイル先生がこっちをチラッと見て合図をした。転移魔法を使うのだろう。
「せっかく来てくれたのに逃げるのかい?そうはさせないよ!」
ハディールが闇魔法を使った。
「うぅ!」
ハディールの闇魔法が当たった。体が重い。他のみんなの呻き声が聞こえてくるからみんなも攻撃されたのだろう。
「みんな大丈夫かニャ!?」
ミケは素早く動くことができるため攻撃を避けることができたみたいだった。
「許さないニャ!!」
「ミケだめっ!」
ミケはハディールに向かって攻撃を放った。
「弱いね。君にはヴァレリウスを助けてもらって感謝はしているけど所詮は獣だね。」
ハディールの黒いオーラがミケの心臓を貫いた。
ミケは人形のように体の力が抜けて、床に倒れた。
「ミケ?」
「その獣死んだよ。」
「嘘…。嘘だよね。ミケ?」
重い体を引きづりながらミケが倒れているところまできた。ハディールの悪い嘘だ。あのミケが死んだはずがない。
「ミケ?」
「どうした?」
他のみんなも目が覚めたようでこの状況に驚いている。
「君たちの仲間がひとり死んだんだよ。死にたくなければヴァレリウスを置いて帰りな。」
「そんな…ミケ?起きてよぉ。」
目の前の冷たくなったミケの頬を撫でる。
「可哀想だね。この獣を生き返られたいならついてきて。」
「ダメだ!騙されるな!」
キースが叫んでいる。キースは近くにいるはずなのに遠くに聞こえる。
ミケが助かる?ついていけばいいの?
「どうする?このままじゃ生き返らせない。魂が体から離れるからね。私はどちらでもいいよ。」
ミケ…ミケ。心の中からルターが騙されていると叫んでいる。けどこのままミケを…ミケを見捨てることなんてできない。
「本当に?助けてくれるの?」
「もちろん可愛いヴァレリウスの頼みならね。ついてきて。」
「………」
ゆっくり頷いた。
「ダメだ!」
キースの叫び声が聞こえる。
「他のみんなも傷つけない?」
「あぁ。もちろんさ。君が来るならね。」
「みんなごめんね。」
どうしてもミケを助けたかった。バカだとは思うけど、助けたかった。
「じゃあ行こうか。」
ハディールを纏っている黒いオーラに包まれてだんだん眠くなってきた。
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