私との婚約を破棄して問題ばかり起こす妹と婚約するみたいなので、私は家から出ていきます

天宮有

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第5話

 私が家を出て――数日が経っていた。
 何も荷物を持たずに家を出た私だけど、魔法が使えたから最低限の生活はできている。

 魔法を使って戦ったことがないから、私は戦うことはせずに人々の役に立っていた。

 そして、私は今――酒場で日雇いの仕事をして、なんとか生活することができている。

 休日の朝、私は宿屋の部屋で1人になって……新しい生活を送ってよかったと思っていた。

 酒場で働いていた時を思い返して、思わず呟く。
  
「今まで迷惑なお客様はいましたけど、ルーミスの方が酷いとは思いませんでした」

 数日の間、私は酒場で従業員として働いたけど、今までの生活よりも辛くはない。
 貴族でなくなったばかりだから、新しい生活は辛いこともあるけど――今までの元妹ルーミスによる苦労を考えると、十分満足だった。

 今日は私が雇われていた酒場は休日だから、自由に買物をするため外に出ようとしていた。
 
 買物の後は、私の扱う魔法で安定した仕事がないか探そうと考えて――宿の外に出た時、私の目の前に1人の少年がやって来る。

 彼は私が知っている少年で……少年は笑顔を浮かべて、私に話す。

「ルーシー様が家を出たと耳にして不安になりましたけど、元気そうでなによりです」

 背は私と同じぐらいで、男性だと小柄な美少年だ。
 赤く短い髪、穏やかな顔立ちをしている目の前の少年は、レイスター子爵家のグレイだった。

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