私との婚約を破棄して問題ばかり起こす妹と婚約するみたいなので、私は家から出ていきます

第４９話

　ランドンはグレイを見て、ルーミスの変化を伝えようとしていた。

　ルーミスは私と目を合わせて微笑み、このタイミングが一番だ。

　ランドンがルーミスを紹介する直前に――私は変装魔法を解いて、ルーシーとして２人の前に現れた。

　真っ先に驚愕したのはランドンで、目を見開きながら叫ぶ。

「ルーシィィッッ！？　なぜ貴様が、ここにいるッッ！？」

　ランドンの叫び声は大きく、周囲の貴族達が注目する。

　驚愕していたランドンに、私は説明も兼ねて自己紹介をした。
　
「お久しぶりです――私は、ルーシー・レイスター。グレイ・レイスター様の婚約者です」

「なぁっっ！？　レイスターだと！？」

　私の再会に驚いたランドンは、更に驚愕していた。

　そんなランドンを眺めながら、隣にいるグレイが話す。

「いろいろありまして――ルーシー様は、僕の婚約者になりました」

　グレイが私の前に出て、ランドンに宣言する。
　ランドンの隣にいるルーミスも、ランドンと同じように驚いていた。