無能だと言われ続けた聖女は、自らを封印することにしました

天宮有

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第1話

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 私フィーレは聖女として国に選ばれて、城に住んでいる。

 素質がある人は夢の中で謎の声に導かれ、聖なる特殊な魔法の使い方を学ぶ。
 それができる人は極一部で、城に雇われる程の力を持つ人は『聖女』と呼ばれていた。

 私はローノック国の聖女として勤めていたけど……城の人達は一部を除いて私を蔑んでいる。
 今日も玉座のある部屋に呼び出された私は、私を蔑む国王と第一王子の話を聞かされていた。

「聖女など伝説上の存在だ。ただ魔力が発光するだけの存在を城に置かなければならないとはな」

「マリウスの言うとおりだ。外傷を治せるようだが病は治せない回復魔法など、平和になったこの国では必要ない!」

 私の正面にはローノック王と第一王子マリウスがいて、いつものように私を蔑んでくる。

 平民だけど力があるから私は城に呼ばれ、聖女に選ばれていた。
 伝承通りのようだけど、城の人達は平民の私を見て不愉快にしている人が大半だ。

 ローノック国は長年平和ではあるけど、モンスターは出現している。
 冒険者達、特に新入りの人は怪我をしているけど……私が回復魔法を使って評判をよくするのが気に入らないようだ。

 モンスターの襲撃があったと聞いて私は何度か冒険者ギルドに行き人々を治したことがあるけど……その行動が、王家にとっては気に入らないようだ。
 私の魔力は膨大だけど……ローノック家は平民上がりだから認めたくない様子で、私を表に出したくないらしい。

「代々の決まりだから給金も払っているし食事も用意しているが、無能な平民如きになぜ税を使わねばならんのだ」

 そう言うけど……私は城で働く兵士以下の給金で、食事も最低限のものだ。
 どうやら城の人達がやり過ぎだと思われない範囲で調節しているみたいだけど、私が何か言えばそれを理由にもっと酷い環境にしてくるはず。

 陛下の発言に対して、マリウス殿下が頷いて賛同する。
 
「父上の言うとおりです……聖女は無能で不必要だと国民の大半が考えれば、この伝承も終わらせることができるかもしれません」

 こうして陛下と第一王子が私を呼びつけて蔑んでくるのは、私が暴挙に出て欲しいからだ。
 この2人は私が元平民ということが特に不愉快なようで、城内で私の評判を常に落とそうとしている。

 私が何を言っても勝手に言動を変えて周囲に広めるから、最近は無言で聞き入れていた。
 その反応が目の前の2人にとっては更に不愉快な様子で、私を見下しながら無能だと言い放つ。

 ――こうして毎日のように無能だと言われ続けていると、本当に私は不必要なのではないかと思い始めるようになっていた。

 聖女を辞めることはできないけど、不必要か確かめる方法を考えてしまう。
 私は自分が使える魔法を思い返していると……封印の魔法があって閃く。

 そうだ――自らを封印することで、数年ぐらい眠ろう。
 
 夢で教わって使えるようになったけど、今まで使う機会がなかった生物を封印する魔法。

 この魔法を使えば、私は必要か不必要なのかわかるに違いない。
 ここまで無能で不必要だと言われたら、数年ぐらい封印しても大丈夫のはずだ。
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