無能だと言われ続けた聖女は、自らを封印することにしました

天宮有

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第23話

 私が自らを封印して、3年が経とうとしていた。
 封印がいつ解けるのかわかるようになって、私は真っ白な空間で1人呟く。

「もう後数分もすれば……この世界から、元の世界に戻りそう」

 自分のことだからなのか、私は封印が解ける時を把握できている。
 不安なことは何もない――私のそばには、リカルドがいるはず。

「……そう思いたいけど、もう3年も経っているのよね」

 リカルドの年齢で3年間って、相当重要な年月のはずだ。
 目覚めた時、私のそばにリカルドがいるだろうか……やっぱり不安になってしまう。

「それに、冷静に考えてみると……封印されてる時の私って、邪魔な置物でしかないような気がする」

 封印魔法を使った時、クリスタルの中に全身を入れることになっている。
 本来は海に沈めたり、大地に埋めたりするらしいけど、私は本来の使い方をしていない。
 
 人間を閉じ込めているクリスタルで、かなりの大きさになる。
 リカルドは床には干渉するだろうから、地面を抉ってでも部屋から出すと言っていた。

 運べるとしても……私を持って、街の中を歩けるだろうか?
 あの時はただ「自らを封印しよう」程度の考えだったけど……後のことは何も考えていない。

「今までは頑張ってて完全に忘れてたけど……大丈夫かしら?」

 封印が解ける時が迫ってくると、焦りが強まっていく。
 それでも時間が止まるわけはなく――私は、封印が解けていた。

■◇■◇■◇■◇■

 封印が解けて――私は目の前の光景に、とてつもなく驚いている。

 私の目の前には、1人の美少年がいたからだ。

 私より高い背、黒く短い髪と大きな朱色の瞳。
 全てが美しく、どこか見覚えのある顔立ちをした美少年。

「……リカルド、なの?」

 思わず声に出すと、美少年――リカルドは、満面の笑顔を浮かべる。

「はい――フィーレ様、おはようございます」

 私は封印されて3年眠り……封印されていたから、肉体は年を一切とっていない。

 3年経ったことで――3歳年下だったリカルドは、私と同じ年齢になっていた。

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