1 / 20
第1話
しおりを挟む
「リーゼの杖には凶悪な魔法が宿っている! その杖の魔法を自分で受けることで、違うことを俺達の前で証明してみせろ!!」
私リーゼ・ローティアは、パーティ会場で婚約者のダーロス王子の叫び声を聞いていた。
――私は今の状況が、破滅寸前だとわかっている。
手に握っている杖は禁魔法が扱える杖で、持っているだけで罪になるほどだ。
私はパーティ会場にダーロス王子の敵がいると知って、対処するために杖を持っている。
今までダーロス王子を消そうとした人がいることは知っていたから、パーティがある時は警戒していた。
全部ダーロス王子を守るためだったのに、私が敵だと思われている。
それはパーティ会場にいる貴族達も同じようで……ダーロス王子の隣にいる女性、伯爵令嬢のベネサが話す。
「リーゼ様の末路に相応しいですね」
その発言は、今までのベネサとは別人のようだった。
今まで誰にも優しい学園で人気者なベネサが、この場で私を完全に見下して嘲笑っている。
――ダーロス王子を狙う刺客の存在を教えてくれたのは、目の前にいるベネサだ。
私が手にしている禁魔法の杖も、ベネサ経由で手に入れた物で……全て公爵令嬢の私とダーロス王子の為と言っていた。
私が追い詰められているのは、全てベネサが関わっていたからだと理解する。
ベネサの発言を疑わずに信じた結果、私は思い通り動いて破滅寸前になっていた。
「まさか……全て貴方が、こうなるよう仕組んでいたのですか!?」
「何を言っているか理解できません。言い逃れる前に、その杖の魔法を自らに使ってください」
王子の前に出ているから、ベネサの顔は私しか見えていない。
ベネサが私に迫り――邪悪な笑みを浮かべたベネサが、私の耳元で囁く。
「ようやく理解したみたいですけど、もう手遅れです」
私にしか聞こえないベネサの発言から……私は、全てを理解する。
「ダーロス王子と私は前から愛し合っています。婚約者のリーゼ様は、私達にとって邪魔でした」
そして――私の手が勝手に動き、禁魔法である死の魔法を宿した杖が黒く光る。
これはベネサの魔法によるもので、杖の魔法で私を消そうとしている。
全てが終わりだと考えた私は、今まで協力してくれたレインを眺めてしまう。
レインは――悔しそうな表情で、私を眺めていた。
もしベネサの仲間なら、ここで現状を悲しむ演技をするとは思えない。
「そう、ですか……」
きっとレインは私の味方で、ベネサは私達の行動を全て把握してこの状況を作っている。
レインは私の味方だとわかって少し楽になり――私は意識を失っていた。
私リーゼ・ローティアは、パーティ会場で婚約者のダーロス王子の叫び声を聞いていた。
――私は今の状況が、破滅寸前だとわかっている。
手に握っている杖は禁魔法が扱える杖で、持っているだけで罪になるほどだ。
私はパーティ会場にダーロス王子の敵がいると知って、対処するために杖を持っている。
今までダーロス王子を消そうとした人がいることは知っていたから、パーティがある時は警戒していた。
全部ダーロス王子を守るためだったのに、私が敵だと思われている。
それはパーティ会場にいる貴族達も同じようで……ダーロス王子の隣にいる女性、伯爵令嬢のベネサが話す。
「リーゼ様の末路に相応しいですね」
その発言は、今までのベネサとは別人のようだった。
今まで誰にも優しい学園で人気者なベネサが、この場で私を完全に見下して嘲笑っている。
――ダーロス王子を狙う刺客の存在を教えてくれたのは、目の前にいるベネサだ。
私が手にしている禁魔法の杖も、ベネサ経由で手に入れた物で……全て公爵令嬢の私とダーロス王子の為と言っていた。
私が追い詰められているのは、全てベネサが関わっていたからだと理解する。
ベネサの発言を疑わずに信じた結果、私は思い通り動いて破滅寸前になっていた。
「まさか……全て貴方が、こうなるよう仕組んでいたのですか!?」
「何を言っているか理解できません。言い逃れる前に、その杖の魔法を自らに使ってください」
王子の前に出ているから、ベネサの顔は私しか見えていない。
ベネサが私に迫り――邪悪な笑みを浮かべたベネサが、私の耳元で囁く。
「ようやく理解したみたいですけど、もう手遅れです」
私にしか聞こえないベネサの発言から……私は、全てを理解する。
「ダーロス王子と私は前から愛し合っています。婚約者のリーゼ様は、私達にとって邪魔でした」
そして――私の手が勝手に動き、禁魔法である死の魔法を宿した杖が黒く光る。
これはベネサの魔法によるもので、杖の魔法で私を消そうとしている。
全てが終わりだと考えた私は、今まで協力してくれたレインを眺めてしまう。
レインは――悔しそうな表情で、私を眺めていた。
もしベネサの仲間なら、ここで現状を悲しむ演技をするとは思えない。
「そう、ですか……」
きっとレインは私の味方で、ベネサは私達の行動を全て把握してこの状況を作っている。
レインは私の味方だとわかって少し楽になり――私は意識を失っていた。
26
あなたにおすすめの小説
双子の姉に聴覚を奪われました。
浅見
恋愛
『あなたが馬鹿なお人よしで本当によかった!』
双子の王女エリシアは、姉ディアナに騙されて聴覚を失い、塔に幽閉されてしまう。
さらに皇太子との婚約も破棄され、あらたな婚約者には姉が選ばれた――はずなのに。
三年後、エリシアを迎えに現れたのは、他ならぬ皇太子その人だった。
【短編】お姉さまは愚弟を赦さない
宇水涼麻
恋愛
この国の第1王子であるザリアートが学園のダンスパーティーの席で、婚約者であるエレノアを声高に呼びつけた。
そして、テンプレのように婚約破棄を言い渡した。
すぐに了承し会場を出ようとするエレノアをザリアートが引き止める。
そこへ颯爽と3人の淑女が現れた。美しく気高く凛々しい彼女たちは何者なのか?
短編にしては長めになってしまいました。
西洋ヨーロッパ風学園ラブストーリーです。
貧乏令嬢はお断りらしいので、豪商の愛人とよろしくやってください
今川幸乃
恋愛
貧乏令嬢のリッタ・アストリーにはバート・オレットという婚約者がいた。
しかしある日突然、バートは「こんな貧乏な家は我慢できない!」と一方的に婚約破棄を宣言する。
その裏には彼の領内の豪商シーモア商会と、そこの娘レベッカの姿があった。
どうやら彼はすでにレベッカと出来ていたと悟ったリッタは婚約破棄を受け入れる。
そしてバートはレベッカの言うがままに、彼女が「絶対儲かる」という先物投資に家財をつぎ込むが……
一方のリッタはひょんなことから幼いころの知り合いであったクリフトンと再会する。
当時はただの子供だと思っていたクリフトンは実は大貴族の跡取りだった。
【短編】将来の王太子妃が婚約破棄をされました。宣言した相手は聖女と王太子。あれ何やら二人の様子がおかしい……
しろねこ。
恋愛
「婚約破棄させてもらうわね!」
そう言われたのは銀髪青眼のすらりとした美女だ。
魔法が使えないものの、王太子妃教育も受けている彼女だが、その言葉をうけて見に見えて顔色が悪くなった。
「アリス様、冗談は止してください」
震える声でそう言うも、アリスの呼びかけで場が一変する。
「冗談ではありません、エリック様ぁ」
甘えた声を出し呼んだのは、この国の王太子だ。
彼もまた同様に婚約破棄を謳い、皆の前で発表する。
「王太子と聖女が結婚するのは当然だろ?」
この国の伝承で、建国の際に王太子の手助けをした聖女は平民の出でありながら王太子と結婚をし、後の王妃となっている。
聖女は治癒と癒やしの魔法を持ち、他にも魔物を退けられる力があるという。
魔法を使えないレナンとは大違いだ。
それ故に聖女と認められたアリスは、王太子であるエリックの妻になる! というのだが……
「これは何の余興でしょう? エリック様に似ている方まで用意して」
そう言うレナンの顔色はかなり悪い。
この状況をまともに受け止めたくないようだ。
そんな彼女を支えるようにして控えていた護衛騎士は寄り添った。
彼女の気持ちまでも守るかのように。
ハピエン、ご都合主義、両思いが大好きです。
同名キャラで様々な話を書いています。
話により立場や家名が変わりますが、基本の性格は変わりません。
お気に入りのキャラ達の、色々なシチュエーションの話がみたくてこのような形式で書いています。
中編くらいで前後の模様を書けたら書きたいです(^^)
カクヨムさんでも掲載中。
婚約破棄寸前、私に何をお望みですか?
みこと。
恋愛
男爵令嬢マチルダが現れてから、王子ベイジルとセシリアの仲はこじれるばかり。
婚約破棄も時間の問題かと危ぶまれる中、ある日王宮から、公爵家のセシリアに呼び出しがかかる。
なんとベイジルが王家の禁術を用い、過去の自分と精神を入れ替えたという。
(つまり今目の前にいる十八歳の王子の中身は、八歳の、私と仲が良かった頃の殿下?)
ベイジルの真意とは。そしてセシリアとの関係はどうなる?
※他サイトにも掲載しています。
義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜
有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。
「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」
本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。
けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。
おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。
貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。
「ふふ、気づいた時には遅いのよ」
優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。
ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇!
勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!
最後に一つだけ。あなたの未来を壊す方法を教えてあげる
椿谷あずる
恋愛
婚約者カインの口から、一方的に別れを告げられたルーミア。
その隣では、彼が庇う女、アメリが怯える素振りを見せながら、こっそりと勝者の微笑みを浮かべていた。
──ああ、なるほど。私は、最初から負ける役だったのね。
全てを悟ったルーミアは、静かに微笑み、淡々と婚約破棄を受け入れる。
だが、その背中を向ける間際、彼女はふと立ち止まり、振り返った。
「……ねえ、最後に一つだけ。教えてあげるわ」
その一言が、すべての運命を覆すとも知らずに。
裏切られた彼女は、微笑みながらすべてを奪い返す──これは、華麗なる逆転劇の始まり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる