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第13話

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ベネサ視点

 城に到着して、私はダーロス王子と話す。
 今後の計画について話がしたかったのに、私は驚くこととなっていた。

「俺はリーゼが破滅する為なら何でもすると言ったが、ベネサは失敗ばかりではないか!」

 見下してくるダーロス王子に対して、私は頭を下げる。

「それは……申し訳ありません。リーゼ様を侮り過ぎていたようです」

「俺がベネサを婚約者にしたかったのは、リーゼより聡明だと思ったからだ……この程度なら、リーゼを婚約者のままにした方がよさそうだな」

「っっ……ダーロス様は、私のことが好きだと言ってくれたではありませんか!?」

 切り捨てられることを恐れた私は、ダーロス王子に叫ぶ。
 ダーロス王子は、取り乱した私を呆れた様子で見下してくる。

「そうだ。見た目はベネサの方が好みだったが、リーゼも美人だからな……我慢するさ」

「リーゼ様は口答えするから、従順な私の方がいいとも言っていました」

「そうだった……やはりベネサの方がいいな。リーゼを破滅させる為なら何でも協力してやろう」

 私は説得に成功するけど、ダーロス王子の本心を知ってしまう。
 
 ――行動次第で、ダーロス王子は平然と私を切り捨てるに違いない。

 そうなった時、破滅するのは私だと考えてしまい……私の方が、追い詰められることとなっていた。
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