婚約者を奪われたのでこれから幸せになります

第７話

デュラド視点

　マイアとの婚約を破棄してから、２ヶ月が経っていた。

　婚約破棄の手続きを終えて、ギレナを新しい婚約者にすることもできている。
　そこまではよかったのに――今日、試験結果が出てから俺は後悔するしかなかった。

　魔法学園から屋敷に向かい、俺は部屋で今後が不安になって呟く。

「……まさかマイアの成績が、あそこまで上がるとは思わなかった」
「私より優秀なわけがありません！　なにか先生に言えない理由があるに決まっています！」

　ギレナも一緒だが、未だにマイアより優秀と考えているようだ。
　試験結果を確認し不正をしたと推測したのは俺だが、ギレナが魔法で攻撃するとは思わなかった。

　攻撃した後、先生達がやって来てギレナは取り押さえられてしまう。
　処罰されて数週間の停学処分が決まり、婚約者である俺の評判も落ちそうだ。

「俺がマイアを疑ったから、ギレナは取り乱してしまったのだろう。すまなかった」
「マイアが不正をしたに決まっています！　デュラド様の推測通りで、証拠をグリン様が隠したのでしょう！」

　俺はありえないと考えを変えたが、ギレナはまだ疑っているらしい。
　恐らく試験結果が出た時点で俺と同じことを考え、話を聞いて確信したようだ。

　魔法学園から処罰を受けて、ギレナはしばらく登校することができない。
　その間に反省してくれればいいと考えていたのに――ギレナはマイアを憎しみ、俺は更に苦しむこととなる。