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第4話
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授業が終わって――馬車に乗り、私は憂鬱な気分で屋敷に戻っている。
私はルドノの嫌がらせによって、シレッサ家に伝わる杖を壊されてしまった。
「杖を失ってしまったことを、お父様とお母様に説明しなければなりません……」
私の家族は、ザノーク王子と婚約破棄できてよかったと言ってくれた。
不正をしたことはルドノの嘘だと断言してくれて、何もできないことを謝ってもいる。
私はそれだけで嬉しかったけど――今日の出来事で、失望されてしまうかもしれない。
「どうしてあの時、私は杖を先生に渡してしまったのでしょうか……」
後悔が口から出るけど、あれはクラスの人達に信用して欲しかったからだ。
そして先生なら信じられると考えていたからで――私の考えを、ルドノは把握していた。
警戒するのはルドノと取り巻き、ザノーク王子だけだと思わせたからこそ、先生による杖のすり替えが成功している。
「とにかくお父様とお母様に謝って……どんな処罰でも、受けるしかありません」
シレッサ家を勘当されることになっても、仕方がないと思っている。
それほどのことをしてしまったと、私は考えていた。
■◇■◇■◇■◇■
屋敷に戻ってすぐ、私は応接室に向かうようにと執事の人に言われていた。
どうやら来客の人がいるようで――その人を見て、私は驚いてしまう。
「リック様……どうしたのですか?」
アーバス公爵家のリック様が、部屋にはいた。
リック様は2歳年上の青く長い髪をした美青年で、魔法学園に通うまで私に魔法を教えてくれた人だ。
ザノークが婚約者になってからはあまり会わなくなってしまったけど、来てくれたことが嬉しくなる。
そして――リック様は私の腰に備えた杖を眺めて、懐から何かを取り出した。
「……えっ?」
テーブルの上にリック様が杖を置いて、同じ形状の杖を今日は3本も見ている。
そしてリック様は、驚いている私を眺めて話した。
「ガラウ様と話し合って――私は今朝カルラ様の杖を、見た目は同じ杖に変えていました」
私のお父様の名前が出たけど、何も聞いていないから驚くしかない。
顔に出ていたようで、リック様が説明してくれる。
「私は、ルドノが魔法道具の依頼をしていることを知りました。この杖と同じ形状で、魔法を使おうとすれば壊れる代物です」
「はい。今日の授業で、すり替えられてしまった杖だと思いますけど……あれは、偽物だったのですね」
「魔法を使うまでは違和感を知れませんからね。私としては事前に話しておきたかったのですが、ガラウ様はこの方がいいと判断しました」
恐らくお父様は、ルドノの思い通りにさせた方が対処しやすいと考えていそう。
とにかく杖が無事だったことに私は安堵して――リック様から、詳しく話を聞くことにしていた。
私はルドノの嫌がらせによって、シレッサ家に伝わる杖を壊されてしまった。
「杖を失ってしまったことを、お父様とお母様に説明しなければなりません……」
私の家族は、ザノーク王子と婚約破棄できてよかったと言ってくれた。
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私はそれだけで嬉しかったけど――今日の出来事で、失望されてしまうかもしれない。
「どうしてあの時、私は杖を先生に渡してしまったのでしょうか……」
後悔が口から出るけど、あれはクラスの人達に信用して欲しかったからだ。
そして先生なら信じられると考えていたからで――私の考えを、ルドノは把握していた。
警戒するのはルドノと取り巻き、ザノーク王子だけだと思わせたからこそ、先生による杖のすり替えが成功している。
「とにかくお父様とお母様に謝って……どんな処罰でも、受けるしかありません」
シレッサ家を勘当されることになっても、仕方がないと思っている。
それほどのことをしてしまったと、私は考えていた。
■◇■◇■◇■◇■
屋敷に戻ってすぐ、私は応接室に向かうようにと執事の人に言われていた。
どうやら来客の人がいるようで――その人を見て、私は驚いてしまう。
「リック様……どうしたのですか?」
アーバス公爵家のリック様が、部屋にはいた。
リック様は2歳年上の青く長い髪をした美青年で、魔法学園に通うまで私に魔法を教えてくれた人だ。
ザノークが婚約者になってからはあまり会わなくなってしまったけど、来てくれたことが嬉しくなる。
そして――リック様は私の腰に備えた杖を眺めて、懐から何かを取り出した。
「……えっ?」
テーブルの上にリック様が杖を置いて、同じ形状の杖を今日は3本も見ている。
そしてリック様は、驚いている私を眺めて話した。
「ガラウ様と話し合って――私は今朝カルラ様の杖を、見た目は同じ杖に変えていました」
私のお父様の名前が出たけど、何も聞いていないから驚くしかない。
顔に出ていたようで、リック様が説明してくれる。
「私は、ルドノが魔法道具の依頼をしていることを知りました。この杖と同じ形状で、魔法を使おうとすれば壊れる代物です」
「はい。今日の授業で、すり替えられてしまった杖だと思いますけど……あれは、偽物だったのですね」
「魔法を使うまでは違和感を知れませんからね。私としては事前に話しておきたかったのですが、ガラウ様はこの方がいいと判断しました」
恐らくお父様は、ルドノの思い通りにさせた方が対処しやすいと考えていそう。
とにかく杖が無事だったことに私は安堵して――リック様から、詳しく話を聞くことにしていた。
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