2 / 10
第2話
しおりを挟む
数日が経って、中間試験は全て終わっている。
試験の結果は今日判明するようだけど、私はリオクに命令されて成績を落としていた。
今日は誰よりも早く登校しておくよう命令されて、私は授業が始まる1時間前に登校する。
誰もいないと思っていたけど、教室では1人の男子生徒が自習をしていた。
1時間前に登校すれば誰もいないと言われたけど、先に生徒が来ているとは思わない。
リオクの望み通りにはならならず、私が1時間前に登校したことは校門を通った際に学生証が記録している。
カードの学生証は魔法道具で、登下校の証明や成績を記録することができるからだ。
自習をしていた男子生徒は、教室に入った私に気づいて顔を上げる。
短い金髪の爽やかそうな美少年で、公爵家の令息ヨハンだった。
私が驚いていると、ヨハンが声をかけてくれる。
「セシリアか。登校が早いな」
「ヨハン様こそお早いですね」
「気になることがあってな……いい機会だから、セシリアに聞いておきたいことがある」
「……なんでしょうか?」
尋ねるけど、推測はできてしまう。
婚約者リオクに命令されて、私は実力を隠し成績を悪くしていたからだ。
2学期にある中間と期末試験の結果次第では、退学がありえるらしい。
そこまでは成績を落とさないけど、私の成績の悪さをヨハンは聞きたいのかもしれない。
どうやって誤魔化そうか思案していると、ヨハンの発言に私は驚くこととなる。
「どうしてセシリアは、実力を隠している?」
「……えっ?」
成績の悪さを聞かれると思っていたのに、ヨハンは実力を隠している理由を聞いている。
怪しまれないよう自然に実力を隠せていた自信があったのに、知られるとは思っていない。
私としては、どうして気づいたのかが知りたくなっていた。
入学する前からリオクに命令されて、実技の授業では魔法の性能も抑えることもできている。
筆記試験も白紙ではなく、間違えてもおかしくない回答を意識して書いてきた。
それなのにヨハンは、私が実力を隠していると考えている。
どこで気づけたのかりわからなくて、私は尋ねることにした。
「……どうして、そう思われたのでしょうか?」
「授業中の反応から察した。何も知らない者の反応ではなく、セシリアは常に余裕があり冷静だ」
「それは……何もわからないから、呆然としていただけかもしれませんよ?」
「他にも理由はある。魔法を扱う修行で、君は失敗ではなく弱い魔法を扱えていた」
「……無意味なことよりも試してみたくなり、その結果ヨハン様に知られてしまいましたか」
魔法は頭の中で魔法陣を描き、そこに魔力を流すイメージで扱える。
魔法陣が不出来だったり、扱う魔力量の明確なイメージがない場合は、魔法が発生することはないようだ。
私は実力を隠すよう言われているから、必要最低な魔力に調整して使っている。
それは完璧を魔法を使っているようなもので、ヨハンはそこから実力を隠していると察したようだ。
私は全て話すことにして、リオクに隠すつもりでいる。
実力を隠している理由を話す前に、ヨハンが私を眺めて言う。
「実力を隠しているのは、リオクに命令されているからだろう」
「そこまでわかるのですか」
「あいつの言動から推測できた……ファムと一緒に教室で暴言を吐き楽しんでいるようだが、そこまでする理由はわからないな」
その理由は推測できているから、私はヨハンに言う。
「入学前に来てくれた魔法使いの先生が、リオク様より私の方が優秀と言ったからだと思っています」
「実際にその通りだろう。自分の方が上だと思われたいから婚約者の実力を隠すとは、愚かなやつだ」
「そうですね……このことは、秘密にしてください」
教室には私とヨハンしかいないから、本心を話しながら秘密にして欲しいと頼む。
理由を話したこともあり、ヨハンは納得してくれたようで頷く。
「わかった……もし困ったことがあれば、俺は君の力になろう」
「えっと、どうしてですか?」
「セシリアの本当の実力が気になったからだ。どれほどの実力なのか、早く見たいものだ」
話していると他の生徒が来そうな時間になり、私達は話を終える。
その後は自習することにしたけど……どうして婚約者のリオクが、早く登校するよう命令したのかがわからないでいた。
その後リオクが登校してから、私との婚約を破棄することが目論見だと知る。
それだけではなくて――婚約者のリオクは、私を退学させたいようだ。
試験の結果は今日判明するようだけど、私はリオクに命令されて成績を落としていた。
今日は誰よりも早く登校しておくよう命令されて、私は授業が始まる1時間前に登校する。
誰もいないと思っていたけど、教室では1人の男子生徒が自習をしていた。
1時間前に登校すれば誰もいないと言われたけど、先に生徒が来ているとは思わない。
リオクの望み通りにはならならず、私が1時間前に登校したことは校門を通った際に学生証が記録している。
カードの学生証は魔法道具で、登下校の証明や成績を記録することができるからだ。
自習をしていた男子生徒は、教室に入った私に気づいて顔を上げる。
短い金髪の爽やかそうな美少年で、公爵家の令息ヨハンだった。
私が驚いていると、ヨハンが声をかけてくれる。
「セシリアか。登校が早いな」
「ヨハン様こそお早いですね」
「気になることがあってな……いい機会だから、セシリアに聞いておきたいことがある」
「……なんでしょうか?」
尋ねるけど、推測はできてしまう。
婚約者リオクに命令されて、私は実力を隠し成績を悪くしていたからだ。
2学期にある中間と期末試験の結果次第では、退学がありえるらしい。
そこまでは成績を落とさないけど、私の成績の悪さをヨハンは聞きたいのかもしれない。
どうやって誤魔化そうか思案していると、ヨハンの発言に私は驚くこととなる。
「どうしてセシリアは、実力を隠している?」
「……えっ?」
成績の悪さを聞かれると思っていたのに、ヨハンは実力を隠している理由を聞いている。
怪しまれないよう自然に実力を隠せていた自信があったのに、知られるとは思っていない。
私としては、どうして気づいたのかが知りたくなっていた。
入学する前からリオクに命令されて、実技の授業では魔法の性能も抑えることもできている。
筆記試験も白紙ではなく、間違えてもおかしくない回答を意識して書いてきた。
それなのにヨハンは、私が実力を隠していると考えている。
どこで気づけたのかりわからなくて、私は尋ねることにした。
「……どうして、そう思われたのでしょうか?」
「授業中の反応から察した。何も知らない者の反応ではなく、セシリアは常に余裕があり冷静だ」
「それは……何もわからないから、呆然としていただけかもしれませんよ?」
「他にも理由はある。魔法を扱う修行で、君は失敗ではなく弱い魔法を扱えていた」
「……無意味なことよりも試してみたくなり、その結果ヨハン様に知られてしまいましたか」
魔法は頭の中で魔法陣を描き、そこに魔力を流すイメージで扱える。
魔法陣が不出来だったり、扱う魔力量の明確なイメージがない場合は、魔法が発生することはないようだ。
私は実力を隠すよう言われているから、必要最低な魔力に調整して使っている。
それは完璧を魔法を使っているようなもので、ヨハンはそこから実力を隠していると察したようだ。
私は全て話すことにして、リオクに隠すつもりでいる。
実力を隠している理由を話す前に、ヨハンが私を眺めて言う。
「実力を隠しているのは、リオクに命令されているからだろう」
「そこまでわかるのですか」
「あいつの言動から推測できた……ファムと一緒に教室で暴言を吐き楽しんでいるようだが、そこまでする理由はわからないな」
その理由は推測できているから、私はヨハンに言う。
「入学前に来てくれた魔法使いの先生が、リオク様より私の方が優秀と言ったからだと思っています」
「実際にその通りだろう。自分の方が上だと思われたいから婚約者の実力を隠すとは、愚かなやつだ」
「そうですね……このことは、秘密にしてください」
教室には私とヨハンしかいないから、本心を話しながら秘密にして欲しいと頼む。
理由を話したこともあり、ヨハンは納得してくれたようで頷く。
「わかった……もし困ったことがあれば、俺は君の力になろう」
「えっと、どうしてですか?」
「セシリアの本当の実力が気になったからだ。どれほどの実力なのか、早く見たいものだ」
話していると他の生徒が来そうな時間になり、私達は話を終える。
その後は自習することにしたけど……どうして婚約者のリオクが、早く登校するよう命令したのかがわからないでいた。
その後リオクが登校してから、私との婚約を破棄することが目論見だと知る。
それだけではなくて――婚約者のリオクは、私を退学させたいようだ。
159
あなたにおすすめの小説
妹から私の旦那様と結ばれたと手紙が来ましたが、人違いだったようです
今川幸乃
恋愛
ハワード公爵家の長女クララは半年ほど前にガイラー公爵家の長男アドルフと結婚した。
が、優しく穏やかな性格で領主としての才能もあるアドルフは女性から大人気でクララの妹レイチェルも彼と結ばれたクララをしきりにうらやんでいた。
アドルフが領地に次期当主としての勉強をしに帰ったとき、突然クララにレイチェルから「アドルフと結ばれた」と手紙が来る。
だが、レイチェルは知らなかった。
ガイラー公爵家には冷酷非道で女癖が悪く勘当された、アドルフと瓜二つの長男がいたことを。
※短め。
幼馴染に夢中の夫を捨てた貴婦人は、王太子に熱愛される
Narian
恋愛
アイリスの夫ロイは、新婚の頃から金髪の愛らしい幼馴染・フローラに夢中で、妻には見向きもしなかった。
夫からは蔑ろにされ、夫の両親からは罵られ、フローラからは見下される日々。そしてアイリスは、ついに決意する。
「それほど幼馴染が大切なら、どうぞご自由に。私は出て行って差し上げます」
これは、虐げられた主人公が、過去を断ち切り幸せを掴む物語。
※19話完結。
毎日夜9時ごろに投稿予定です。朝に投稿することも。お気に入り登録していただけたら嬉しいです♪
完璧な妹に全てを奪われた私に微笑んでくれたのは
今川幸乃
恋愛
ファーレン王国の大貴族、エルガルド公爵家には二人の姉妹がいた。
長女セシルは真面目だったが、何をやっても人並ぐらいの出来にしかならなかった。
次女リリーは逆に学問も手習いも容姿も図抜けていた。
リリー、両親、学問の先生などセシルに関わる人たちは皆彼女を「出来損ない」と蔑み、いじめを行う。
そんな時、王太子のクリストフと公爵家の縁談が持ち上がる。
父はリリーを推薦するが、クリストフは「二人に会って判断したい」と言った。
「どうせ会ってもリリーが選ばれる」と思ったセシルだったが、思わぬ方法でクリストフはリリーの本性を見抜くのだった。
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
婚約破棄を兄上に報告申し上げます~ここまでお怒りになった兄を見たのは初めてでした~
ルイス
恋愛
カスタム王国の伯爵令嬢ことアリシアは、慕っていた侯爵令息のランドールに婚約破棄を言い渡された
「理由はどういったことなのでしょうか?」
「なに、他に好きな女性ができただけだ。お前は少し固過ぎたようだ、私の隣にはふさわしくない」
悲しみに暮れたアリシアは、兄に婚約が破棄されたことを告げる
それを聞いたアリシアの腹違いの兄であり、現国王の息子トランス王子殿下は怒りを露わにした。
腹違いお兄様の復讐……アリシアはそこにイケない感情が芽生えつつあったのだ。
聞き分けよくしていたら婚約者が妹にばかり構うので、困らせてみることにした
今川幸乃
恋愛
カレン・ブライスとクライン・ガスターはどちらも公爵家の生まれで政略結婚のために婚約したが、お互い愛し合っていた……はずだった。
二人は貴族が通う学園の同級生で、クラスメイトたちにもその仲の良さは知られていた。
しかし、昨年クラインの妹、レイラが貴族が学園に入学してから状況が変わった。
元々人のいいところがあるクラインは、甘えがちな妹にばかり構う。
そのたびにカレンは聞き分けよく我慢せざるをえなかった。
が、ある日クラインがレイラのためにデートをすっぽかしてからカレンは決心する。
このまま聞き分けのいい婚約者をしていたところで状況は悪くなるだけだ、と。
※ざまぁというよりは改心系です。
※4/5【レイラ視点】【リーアム視点】の間に、入れ忘れていた【女友達視点】の話を追加しました。申し訳ありません。
双子の妹は私に面倒事だけを押し付けて婚約者と会っていた
今川幸乃
恋愛
レーナとシェリーは瓜二つの双子。
二人は入れ替わっても周囲に気づかれないぐらいにそっくりだった。
それを利用してシェリーは学問の手習いなど面倒事があると「外せない用事がある」とレーナに入れ替わっては面倒事を押し付けていた。
しぶしぶそれを受け入れていたレーナだが、ある時婚約者のテッドと話していると会話がかみ合わないことに気づく。
調べてみるとどうもシェリーがレーナに成りすましてテッドと会っているようで、テッドもそれに気づいていないようだった。
【完結】私の妹を皆溺愛するけど、え? そんなに可愛いかしら?
かのん
恋愛
わぁい!ホットランキング50位だぁ(●´∀`●)ありがとうごさいます!
私の妹は皆に溺愛される。そして私の物を全て奪っていく小悪魔だ。けれど私はいつもそんな妹を見つめながら思うのだ。
妹。そんなに可愛い?えぇ?本当に?
ゆるふわ設定です。それでもいいよ♪という優しい方は頭空っぽにしてお読みください。
全13話完結で、3月18日より毎日更新していきます。少しでも楽しんでもらえたら幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる