呪いを受けたせいで婚約破棄された令息が好きな私は、呪いを解いて告白します

天宮有

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第1話

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 夜会では騒ぎになっていて、私キャシー・ルリアスは目の前の光景に驚いていた。

 会場の中心で人を集めたかと思えば、公爵令嬢クノレラが叫ぶ。

「サダム! 数日前から貴方の顔に浮き出たのは呪いによるものだと判明したわ!」

 私の友人サダムが、クノレラに糾弾されている。
 2人は婚約者同士なのに……クノレラは明らかに怒っている様子で、この時の私は何が起きているのかわからなかった。

 サダムは少し長い前髪で目を隠している少年で、数日前に右頬に紫色の奇妙な模様が浮かぶようになる。

 そのせいで魔法学園の生徒達には避けられていたけど、クノレラは理由を知ることができたようだ。
 
 サダムの魔法の成績は魔法学園トップで、その実力からクノレラと婚約者になっていた。

 呪いを受けたと知ったけど、ザダムは気にした様子はなくて平然と尋ねる。
 
「それでクノレラ様は、何が言いたいんだ?」
 
 私としてはサダムの婚約者なのにクノレラが心配せず、激昂していることが理解できない。

 そして――クノレラの発言を聞き、私は更に驚くこととなる。

「今のサダムは醜く、更に他者から呪いを受けてしまう程恨まれている……そんな人を婚約者にしたくないわ。今この場で、私はサダムとの婚約を破棄します!」

「そうか……わかった」

 呪いを受けたことで、クノレラはサダムとの婚約を破棄した。

 サダムが普通に受け入れて、私は誰も聞こえていない小声で呟く。

「――どうしてそうなるのか、理解できません」

 クノレラは、サダムの凄さを知らないのだろうか。
 ザダムは前髪で隠れているから学園の生徒の大半は知らないけど、髪を上げるととてつもない美少年だ。

 それはクノレラも知っているはずなのに、呪いを受けたことで醜いと言った。

 呪いは魔法によるものだから、調べれば解くことができるはずだ。

 それなのに……呪いと知った途端に婚約破棄を宣言したことが、私には理解できない。

「何か理由がありそうですけど、そんなことはどうでもいいですね」

 私は魔法学園の成績が2番目に優秀で――サダムとは競い合い、友人となっていた。

 サダムとしては魔法の実力が拮抗した友人だと思うけど、私は好きになっている。

 今までは婚約者のクノレラがいたから、好きになっても諦めている。
 それでも友人として一緒にいられるだけで、私は幸せだった。

 そんな時に――サダムが、クノレラに婚約破棄を言い渡されている。

 呪いを理由に婚約破棄を受けたサダムにすぐ告白しても、呪いを理由に拒まれる可能性が高い。

 サダムはそんな人だと知っていて――私は決意する。

 呪いを解いてから、私はサダムに告白する。

 断られたとしても、この状況で私は告白しないという選択をとることはできない。

 そんなことをすれば一生後悔しそうだから、私はとにかく呪いを解きたい。

 決意に満ちた私はやる気が溢れて……呪いなんてすぐに解けそうだと思ってしまうほどだ。

 その後、私はサダムの呪いを解くことに成功して――クノレラは後悔することとなっていた。
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