聖女姉妹の姉は、妹に婚約者を奪われました

天宮有

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第6話

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 私とカインは魔物と人々が戦っている場所に到着した。
 魔法使いの人達がいる場所に私は向かい、カインは剣を振るい戦っている。

 馬車の中で、魔法を失敗して構わないと言われたけど――人々を守るため、成功させたい。
 そう決意して私は魔法を使っているからか、失敗することがなくなっていた。

 他の人と一緒に魔法で魔物の群れを攻撃しつつ、回復魔法で負傷した人を治していく。
 私が聖女の魔法を使ったことに皆は驚いて、カインの指揮で魔物の群れを倒すことに成功していた。

「魔物は全て倒したみたいなので、私は回復魔法を使い負傷した人達を治していきます」

「はい! ありがとうございます!」

 お礼を言われて、私はカインの元に向かう。
 私は魔物と戦って負傷した人達を、回復魔法で治していく。

「今まで失敗し続けていたというのが、信じられないな」

 回復魔法で治していると、隣でカインが話す。
 私は戦闘になってから、聖女の魔法を一度も失敗していなかった。

 失敗しなくなった理由を推測して、私はカインに話す。

「そのことですけど……今まで失敗していたのは、恐らくルグド殿下のせいです」

 推測になってしまうけど、体感したことで間違いないと思っている。
 
 カインは魔法を失敗しても構わないと言って、成功したら喜んでくれた。
 ルグド王子は魔法は成功して当然だと考えて、失敗したら暴言を吐いてくる。

「私は暴言を吐くルグド殿下に恐怖してしまい……精神が乱れて、聖魔法を失敗することが多くなりました」

「ルグド殿下は酷い奴だな。もう昔のことだから、ミレッサは気にしない方がいいだろう」

「はい――私は、今が幸せです」

 カインの発言が嬉しくて、私は本心を話す。

 その後――私はロガムラ侯爵家で、幸せに暮らすことができている。
 妹のシアノは、ルグド王子を婚約者にしたことを後悔しているようだ。
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