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第5話
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パーティ会場の騒ぎは収まらず、エドガーは貴族達に詰め寄られている。
エドガーの計画通り進んでいた場合、ここまでの事態にはなっていないはずだ。
婚約を破棄して私を従えることができていたら、貴族達は今までと同じように私の魔法道具を使える。
その私が失踪したとなれば話が変わり――貴族達が、エドガーに追及していく。
「エドガー様、婚約者が失踪した理由に心当たりはありませんか?」
「ない! あるわけがないだろう!!」
エドガーが叫んで近づいた貴族の1人を押し飛ばしたのは、焦っていたからに違いない。
そして――エドガーの懐から一枚の紙が落ちて、それを押し飛ばされた貴族が拾う。
「あっ!? 今すぐそれを返せ!!」
エドガーが慌てて命令するけど、パーティ会場にいた人達は唖然としている。
その紙は――婚約を破棄した際に、私を従わせる為に用意した契約書の魔法道具だった。
エドガー達は、パーティ会場で強引に私を従わせようと考えている。
即座に取り出せるよう服の中に入れていて、それが飛び出してしまったようだ。
その契約書の魔法道具を見た貴族の1人が、エドガーに尋ねる。
「これは服従させる為の魔法道具。こんなのを婚約者が持ち歩いているのなら、ルクル様が失踪するのも仕方ないのではありませんか?」
「ぐぅっ……違う! 昨日ルクルがミエナを傷つけたから、罰として俺が偶然持っていた契約書の魔法道具で従わせようとしただけだ!」
契約書の魔法道具は、計画を立ててエドガーが調達していた物だ。
偶然持っていたことにしているけど、パーティ会場の貴族達のほとんどが信じていない。
私との婚約を破棄しようとしてアイーダと仲がよく、契約書の魔法道具を事前に準備していた。
「これで、エドガーは終わりですね」
ユアン様が小声で呟いて、私は頷き小声で返答する。
「はい。怪しんだ人達は昨日の出来事を調べて……エドガー達の嘘が発覚しそうです」
「ルクル様はこの国に必要な方なので、捜索に貴重な魔法道具が使われるでしょう……エドガー達の嘘が発覚し、更に計画も判明することとなりそうです」
魔法協会に莫大なお金を払い依頼することで、調査をする魔法道具を使ってくれるらしい。
エドガーの証言から昨日の出来事を調べるから、私に関する情報は出ないはずだ。
更にエドガーの嘘が判明して、ユアン様の言った通りそこから計画が判明しそう。
そうなればエドガー達は終わりだけど……私は、エドガー達の自業自得としか思わなかった。
「もうエドガー達のことを気にする必要はありません……行きましょう」
「はい。ユアン様、これからよろしくお願いいたします」
パーティ会場の出来事を眺めて、心が少し晴れた私は――ユアン様の屋敷の地下で、新しい生活を送ることにしていた。
エドガーの計画通り進んでいた場合、ここまでの事態にはなっていないはずだ。
婚約を破棄して私を従えることができていたら、貴族達は今までと同じように私の魔法道具を使える。
その私が失踪したとなれば話が変わり――貴族達が、エドガーに追及していく。
「エドガー様、婚約者が失踪した理由に心当たりはありませんか?」
「ない! あるわけがないだろう!!」
エドガーが叫んで近づいた貴族の1人を押し飛ばしたのは、焦っていたからに違いない。
そして――エドガーの懐から一枚の紙が落ちて、それを押し飛ばされた貴族が拾う。
「あっ!? 今すぐそれを返せ!!」
エドガーが慌てて命令するけど、パーティ会場にいた人達は唖然としている。
その紙は――婚約を破棄した際に、私を従わせる為に用意した契約書の魔法道具だった。
エドガー達は、パーティ会場で強引に私を従わせようと考えている。
即座に取り出せるよう服の中に入れていて、それが飛び出してしまったようだ。
その契約書の魔法道具を見た貴族の1人が、エドガーに尋ねる。
「これは服従させる為の魔法道具。こんなのを婚約者が持ち歩いているのなら、ルクル様が失踪するのも仕方ないのではありませんか?」
「ぐぅっ……違う! 昨日ルクルがミエナを傷つけたから、罰として俺が偶然持っていた契約書の魔法道具で従わせようとしただけだ!」
契約書の魔法道具は、計画を立ててエドガーが調達していた物だ。
偶然持っていたことにしているけど、パーティ会場の貴族達のほとんどが信じていない。
私との婚約を破棄しようとしてアイーダと仲がよく、契約書の魔法道具を事前に準備していた。
「これで、エドガーは終わりですね」
ユアン様が小声で呟いて、私は頷き小声で返答する。
「はい。怪しんだ人達は昨日の出来事を調べて……エドガー達の嘘が発覚しそうです」
「ルクル様はこの国に必要な方なので、捜索に貴重な魔法道具が使われるでしょう……エドガー達の嘘が発覚し、更に計画も判明することとなりそうです」
魔法協会に莫大なお金を払い依頼することで、調査をする魔法道具を使ってくれるらしい。
エドガーの証言から昨日の出来事を調べるから、私に関する情報は出ないはずだ。
更にエドガーの嘘が判明して、ユアン様の言った通りそこから計画が判明しそう。
そうなればエドガー達は終わりだけど……私は、エドガー達の自業自得としか思わなかった。
「もうエドガー達のことを気にする必要はありません……行きましょう」
「はい。ユアン様、これからよろしくお願いいたします」
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