幼馴染が夫を奪った後に時間が戻ったので、婚約を破棄します

第４９話

　数ヶ月が経って、本来起こるはずの問題が発生しなかった。
　
　本来の時間なら昨日、虎のモンスターが現れて私達が対処している。
　そして数日後に同じような虎のモンスターが現れて、それも問題なく対処できていた。

　それが本来の未来で起こった出来事だけど、今は何も起こっていない。
　何も起こっていないことから、魔族が従えて襲撃を準備していると推測できてしまう。

　屋敷にジトアが来てくれて、応接室で現状を話す。

「メリタとバハムスは、現状でも魔族を危惧していないようです」

「予言通りになっていないのに、楽観しているのですね」

　平和だから構わないと考えて、予言通りにならなかった理由を考えようとしない。
　私達は未来で実際に体感しているから、魔族が従えたのだと推測できていた。

　数日後に起こる、狂暴なモンスターの発生。
　力を得た時が一番強いから、従えてすぐ攻めてくるのは間違いない。

　確実に魔族が再襲撃すると、私達は考えている。
　王家は何も動こうとしないから、私とジトアは対処するために備えていた。