婚約破棄を受け入れたのは、この日の為に準備していたからです

天宮有

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第59話

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 屋敷の外で、私とゼロアが距離をあけて龍人のラウザーと対面している。

 私から距離をとったラウザーが、笑みを浮かべてゼロアに話す。

「君達が最も戦いやすい距離で戦い、その上で勝利してシーラをもらう」

「先に聞いておく……シーラを諦めてくれないだろうか?」

 ゼロアは説得しようとするけど、ラウザーは首を左右に振るう。

「断わる。それ程までにシーラが魅力的だ……諦めさせたければ、オレより強いことを証明するしかないぞ」

「……そうか」

 ラウザーは説得に応じず、ゼロアに話す。

「好きな者を手に入れるために力で優劣をつける。オレはそれが間違いだと思っていない」

 ラウザーは人の姿をしている幻獣で、ドラゴンとしては普通のことのようだ。

 ゼロアは決意した表情で、ラウザーに言う。

「俺が何を言っても、聞く耳は持たないのだろう。それなら、ドラゴンのルールで納得させるしかないようだ」

「ゼロア様……」

 説得に失敗しても、冷静なゼロアがラウザーを眺めている。

 どうやらゼロアは、ラウザーと戦うつもりのようだ。
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