婚約破棄を受け入れたのは、この日の為に準備していたからです

天宮有

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第64話

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 ゼロアが用意してくれた指輪の力を得た私は、龍人ラウザーに対して魔法の閃光を繰り出す。

「ぐぅっっ――っ!?」

 ラウザーはそれを受け止めることに成功するけど、肉体はボロボロだった。

「ラウザーの意識が朦朧としている。もう、戦うことはできないだろう」

「はい。私も魔力が残っていますし、意識を取り戻して諦めるはずです」

 膝をついて動けなくなっているようで……私とゼロアは、勝利を確信していた。

 その瞬間――謎の青年が、ラウザーに向かって迫る。

「ぐぅっ……スミスよ! 何をするつもりだ!?」

 意識を取り戻したラウザーが叫ぶけど、青年はレヴォクに協力していた商人スミスのようだ。

 杭のような魔法道具を手にしたスミスが、笑みを浮かべて叫ぶ。

「この魔法道具を使い、瀕死になったラウザーの主となります! その後シーラ達を排除し、私が全て手に入れる!!」

 どうやらここまでは、スミスの計画通りだったらしい。

 スミスを眺めて、ゼロアが呟く。

「それは無理だ」

「えっ?」

 私が困惑していたけど――その理由を、すぐ知ることとなる。

 ラウザーが右腕を振るい、スミスの杭を吹き飛ばす。

 現状が理解できないのか、細目を開いたスミスは激昂し叫ぶ。

「なっっ!? どういうことですか!?」

「俺達は勝負をしていた――ラウザーが諦めれば、それでよかったんだ」

 私は全力で攻撃したけど、命は奪いたくないと考えていた。

 その結果、ラウザーは動ける程度の力が残っているようだ。

 意識を失いかけた隙を突こうとしたけど、すぐ正気に戻っている。
 
 今のラウザーでもスミスが敵わない程の強さはあって――スミスは、ラウザーによって倒されていた。
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