新しい聖女が優秀なら、いらない聖女の私は消えて竜人と暮らします

天宮有

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第9話

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 竜になったヨハンに乗って移動すると、1分もかからずルジオ国の王都に到着する。
 王都を人の姿になったヨハンと私は一緒に歩いているけど、ヨハンは以前と違い頭部の角が見えなくなっていた。 

 竜人のヨハンは頭に生えた角が目立ちそうで不安だったけど、髪に隠れるぐらい小さくすることができるらしい。
 ラグード国では竜人とわかりやすくするため、角を見せつけていたようだ。

 一緒に王都の道を歩きながら、私が隣にいるヨハンに話す。

「ヨハンが竜人と知られて騒ぎになることが不安でしたが、これなら問題なさそうです」

「角を縮めると魔法の性能が落ちてしまうが、目立たない方がいいならそうしよう」

 魔法の性能が落ちると言っても、ヨハンは国内の誰よりも強いらしい。
 それでも私を守るため全力でいたいようで、角は縮めるよう頼んでいた。

 王都を観光して、私達は城に到着する。
 ハワードから受け取っていた書状を見せると、城の中に入り部屋まで案内される。
 少し待っているとハワードが来てくれて、椅子に座り私達を眺めて言う。

「近日中に私の方から、ヨハン様とシンシア様の元へ向かおうとしていました」

「何かあったのか?」

「ラグード国の惨状を知りました。そこからラグード国がシンシア様を連れ戻そうとすると、私は推測しています」

 そして私達は、ラグード国の惨状を聞く。
 聖女デーリカは活躍できていないようで、王家は糾弾されているらしい。
 これは予想できたことだけど、リアス王子からすれば想定外だったようだ。
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