私の魔力を全て奪って婚約破棄するようですが、奪えるのは１週間だけです

第１６話

　その後、依頼を終えて夜になり――食事を終えた私は、部屋で不安になっていた。

　今日もアインはこの周辺に存在する強力な魔物を撃破して、私は眺めているだけだ。

　明日からは私も力になれるはずだけど……それは、明日にならなければわからない。

「明日……目が覚めた時、魔力が戻っていなければアインに迷惑がかかってしまいます」

　私は魔力を奪う魔法を詳しく調べたことで、１週間しか魔力を奪えないことを知っている。
　
　私が常に持っていた物を代償にしての契約のようなもので、期間が決まっているからだ。

　もしこの期間中に私が命を落としていたら、ジェイクに魔力がそのまま残っていたはず。
　今までの人は魔力を奪ってすぐ奪った人を消していたからこそ、奪える期間は最長でも１週間ということはあまり伝わっていなかったらしい。

　私は知ることができて安堵していたけど、ジェイク達は知らないはず。

　流石に私を処刑する理由にはなり得ないと考えたようで、家から追い出せばいいと考えたのかもしれない。

「何も知らなければ、この１週間で私は自暴自棄になって人生を終わらせていたかもしれませんけど……今、こうして生きています」

　それでも明日、魔力が戻らなければどうしようと、私は考えてしまう。

　不安になっている時――私の部屋に、アインがやって来ていた。