妹に婚約者を奪われた私ですが、王子の婚約者になりました

天宮有

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第16話

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 バハムスとメリタの処罰が決まり、数日が経った。
 今日はジトアが屋敷に来てくれて、応接室で私達は話し合っている。

「まさかメリタが、バハムスと心中するとは思いませんでした」

「魔法薬により、殺意が抑えられなくなったのでしょう」

 そう言って、ジトアが何が起きたのかを説明してくれる。
 魔法薬を飲ませる時に、バハムスはメリタを警戒していたようだ。
 魔法道具を使い、メリタは魔法でバハムスに攻撃できなくしたらしい。

「メリタは全力の魔法で自分自身を攻撃して、その魔法にバハムスを巻き込んだようです」

「そこまでしてでも、切り捨てた行動が許せなかったのだと思われます」

 バハムスとメリタは、罪人が入る特殊な檻の中に居た。
 檻の力によって、魔法の力が檻の外に出ないようだ。

 檻の中で、魔法は使えるから――メリタは狂い、バハムスと心中した。
 バハムスの全てメリタのせいにしようとした発言は、命を捨てることになっても許せなかったようだ。
 そしてジトアは、私を心配して尋ねる。

「メリタは酷かったけど、ルーミエ様の妹……大丈夫ですか?」

「はい。バハムスに魔法薬を飲まされた時、私を頼ればメリタは助かっていました」

 私は以前、廊下でメリタと会話をしたことを思い返す。
 酷いと言った理由を私が尋ねても、メリタは何も話さなかった。
 
「メリタは私に、バハムスと再び婚約して欲しいと頼んだ――あれは、私を排除したかったのでしょう」

 このままだと、魔法薬を飲まされて破滅する。
 その役目は私になるべきだと考えたから、メリタはバハムスを返すと言った。

「そんなことが、あったのですか」

「はい。メリタがどんな目にあっても、それは自業自得です」

 もうメリタのことは、忘れることにしよう。
 私は婚約者のジトア王子と、これからも幸せに暮らすことができそうだ。
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