3 / 35
第3話
しおりを挟む
私は馬車に乗って、屋敷に戻っていた。
部屋で今日の出来事を思い返していると――妹レモノが、私の部屋に入ってくる。
「レモノが私の部屋に来るのは珍しいですね。何か用ですか?」
部屋に来た理由がわからないから、私は話を聞こうとしている。
そんな私に対して、レモノは激昂して叫んだ。
「お姉様はどうして、ジェイド様と仲良く話していたのですか!!」
「……レモノはどうして、そのことを知っているの?」
レモノの発言を聞いて、私は驚いてしまう。
ジェイドと話をしていたのは草原で、魔物の群れの目撃情報があった場所だ。
そんな危険な場所で数時間前に会話をしていたことを、レモノが知っていることが気になってしまう。
尋ねると、レモノが私を睨んで叫ぶ。
「私はお姉様の無様な最期を確認しようとしました。そしたらジェイド様と会話をしていたのです!」
「……そう、ですか」
レモノの発言的に、私が魔法で魔物の群れを倒した場面は見ていないようだ。
魔物の群れの報告を聞いて、レモノは私の最期を確信したらしい。
そして確認の為に向かったのに、公爵令息のジェイド様と会話していたことが気に入らないようだ。
「ジェイド様に助けてもらうなんて運がいいですね……お姉様は、ジェイド様と何を話していたのですか!!」
歯を軋ませてながら、レモノが叫ぶ。
会話の内容を、レモノに伝える必要はない。
「なんでもいいでしょう。ジェイド様とは、偶然出会っただけです」
「うっっっ……どうせお姉様の見た目が他の女性と違うから、奇妙な生物と思っただけよ!」
姉に対して、よくそこまで言えるものだ。
発言に苛立った私は、レモノに言いたいことがある。
「どうしてレモノは、私がジェイド様と出会ったことをそこまで気にするのですか?」
「はぁっ!? それはジェイド様がお姉様に相応しくない、素敵な男性だからに決まっているでしょう!」
「レモノはガイス様という婚約者がいるのに、ジェイド様のことが好きなのですか?」
「うぅっ――っ!? そ、それは……そんなわけないじゃない!!」
試しに聞いてみると、レモノは明らかに動揺している。
どうやらジェイドと会話をしていた私に、レモノは嫉妬しているようだ。
レモノは婚約者がいるというのに、ジェイドのことが好きらしい。
わかりやすくて察してしまうと、レモノは顔を真っ赤にして叫ぶ。
「ジェイド様と仲良くしているなんて、絶対に許さない……もっと酷い目に合わせてやるわ!!」
そう叫んで、レモノが私の部屋から去って行く。
嫉妬から私を更に虐げるようだけど、もう何も問題はない。
「酷い目に合わせる。ですか――それは、私の方です」
レモノの言動を思い返し、私は思わず呟く。
ジェイドと出会ったことで――私は、耐える必要がないと考えている。
これから私は、家族に報復することを決意していた。
部屋で今日の出来事を思い返していると――妹レモノが、私の部屋に入ってくる。
「レモノが私の部屋に来るのは珍しいですね。何か用ですか?」
部屋に来た理由がわからないから、私は話を聞こうとしている。
そんな私に対して、レモノは激昂して叫んだ。
「お姉様はどうして、ジェイド様と仲良く話していたのですか!!」
「……レモノはどうして、そのことを知っているの?」
レモノの発言を聞いて、私は驚いてしまう。
ジェイドと話をしていたのは草原で、魔物の群れの目撃情報があった場所だ。
そんな危険な場所で数時間前に会話をしていたことを、レモノが知っていることが気になってしまう。
尋ねると、レモノが私を睨んで叫ぶ。
「私はお姉様の無様な最期を確認しようとしました。そしたらジェイド様と会話をしていたのです!」
「……そう、ですか」
レモノの発言的に、私が魔法で魔物の群れを倒した場面は見ていないようだ。
魔物の群れの報告を聞いて、レモノは私の最期を確信したらしい。
そして確認の為に向かったのに、公爵令息のジェイド様と会話していたことが気に入らないようだ。
「ジェイド様に助けてもらうなんて運がいいですね……お姉様は、ジェイド様と何を話していたのですか!!」
歯を軋ませてながら、レモノが叫ぶ。
会話の内容を、レモノに伝える必要はない。
「なんでもいいでしょう。ジェイド様とは、偶然出会っただけです」
「うっっっ……どうせお姉様の見た目が他の女性と違うから、奇妙な生物と思っただけよ!」
姉に対して、よくそこまで言えるものだ。
発言に苛立った私は、レモノに言いたいことがある。
「どうしてレモノは、私がジェイド様と出会ったことをそこまで気にするのですか?」
「はぁっ!? それはジェイド様がお姉様に相応しくない、素敵な男性だからに決まっているでしょう!」
「レモノはガイス様という婚約者がいるのに、ジェイド様のことが好きなのですか?」
「うぅっ――っ!? そ、それは……そんなわけないじゃない!!」
試しに聞いてみると、レモノは明らかに動揺している。
どうやらジェイドと会話をしていた私に、レモノは嫉妬しているようだ。
レモノは婚約者がいるというのに、ジェイドのことが好きらしい。
わかりやすくて察してしまうと、レモノは顔を真っ赤にして叫ぶ。
「ジェイド様と仲良くしているなんて、絶対に許さない……もっと酷い目に合わせてやるわ!!」
そう叫んで、レモノが私の部屋から去って行く。
嫉妬から私を更に虐げるようだけど、もう何も問題はない。
「酷い目に合わせる。ですか――それは、私の方です」
レモノの言動を思い返し、私は思わず呟く。
ジェイドと出会ったことで――私は、耐える必要がないと考えている。
これから私は、家族に報復することを決意していた。
412
あなたにおすすめの小説
【完結】「政略結婚ですのでお構いなく!」
仙桜可律
恋愛
文官の妹が王子に見初められたことで、派閥間の勢力図が変わった。
「で、政略結婚って言われましてもお父様……」
優秀な兄と妹に挟まれて、何事もほどほどにこなしてきたミランダ。代々優秀な文官を輩出してきたシューゼル伯爵家は良縁に恵まれるそうだ。
適齢期になったら適当に釣り合う方と適当にお付き合いをして適当な時期に結婚したいと思っていた。
それなのに代々武官の家柄で有名なリッキー家と結婚だなんて。
のんびりに見えて豪胆な令嬢と
体力系にしか自信がないワンコ令息
24.4.87 本編完結
以降不定期で番外編予定
【完結】偽物と呼ばれた公爵令嬢は正真正銘の本物でした~私は不要とのことなのでこの国から出ていきます~
Na20
恋愛
私は孤児院からノスタルク公爵家に引き取られ養子となったが家族と認められることはなかった。
婚約者である王太子殿下からも蔑ろにされておりただただ良いように使われるだけの毎日。
そんな日々でも唯一の希望があった。
「必ず迎えに行く!」
大好きだった友達との約束だけが私の心の支えだった。だけどそれも八年も前の約束。
私はこれからも変わらない日々を送っていくのだろうと諦め始めていた。
そんな時にやってきた留学生が大好きだった友達に似ていて…
※設定はゆるいです
※小説家になろう様にも掲載しています
【完結】白い結婚なのでさっさとこの家から出ていきます~私の人生本番は離婚から。しっかり稼ぎたいと思います~
Na20
恋愛
ヴァイオレットは十歳の時に両親を事故で亡くしたショックで前世を思い出した。次期マクスター伯爵であったヴァイオレットだが、まだ十歳ということで父の弟である叔父がヴァイオレットが十八歳になるまでの代理として爵位を継ぐことになる。しかし叔父はヴァイオレットが十七歳の時に縁談を取り付け家から追い出してしまう。その縁談の相手は平民の恋人がいる侯爵家の嫡男だった。
「俺はお前を愛することはない!」
初夜にそう宣言した旦那様にヴァイオレットは思った。
(この家も長くはもたないわね)
貴族同士の結婚は簡単には離婚することができない。だけど離婚できる方法はもちろんある。それが三年の白い結婚だ。
ヴァイオレットは結婚初日に白い結婚でさっさと離婚し、この家から出ていくと決めたのだった。
6話と7話の間が抜けてしまいました…
7*として投稿しましたのでよろしければご覧ください!
名も無き伯爵令嬢の幸運
ひとみん
恋愛
私はしがない伯爵令嬢。巷ではやりの物語のように義母と義妹に虐げられている。
この家から逃げる為に、義母の命令通り国境を守る公爵家へと乗り込んだ。王命に物申し、国外追放されることを期待して。
なのに、何故だろう・・・乗り込んだ先の公爵夫人が決めたという私に対する処罰がご褒美としか言いようがなくて・・・
名も無きモブ令嬢が幸せになる話。まじ、名前出てきません・・・・
*「転生魔女は国盗りを望む」にチラッとしか出てこない、名も無きモブ『一人目令嬢』のお話。
34話の本人視点みたいな感じです。
本編を読まなくとも、多分、大丈夫だと思いますが、本編もよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/618422773/930884405
永遠の誓いをあなたに ~何でも欲しがる妹がすべてを失ってからわたしが溺愛されるまで~
畔本グラヤノン
恋愛
両親に愛される妹エイミィと愛されない姉ジェシカ。ジェシカはひょんなことで公爵令息のオーウェンと知り合い、周囲から婚約を噂されるようになる。ある日ジェシカはオーウェンに王族の出席する式典に招待されるが、ジェシカの代わりに式典に出ることを目論んだエイミィは邪魔なジェシカを消そうと考えるのだった。
残念ながら、定員オーバーです!お望みなら、次期王妃の座を明け渡しますので、お好きにしてください
mios
恋愛
ここのところ、婚約者の第一王子に付き纏われている。
「ベアトリス、頼む!このとーりだ!」
大袈裟に頭を下げて、どうにか我儘を通そうとなさいますが、何度も言いますが、無理です!
男爵令嬢を側妃にすることはできません。愛妾もすでに埋まってますのよ。
どこに、捻じ込めると言うのですか!
※番外編少し長くなりそうなので、また別作品としてあげることにしました。読んでいただきありがとうございました。
可愛い妹を母は溺愛して、私のことを嫌っていたはずなのに王太子と婚約が決まった途端、その溺愛が私に向くとは思いませんでした
珠宮さくら
恋愛
ステファニア・サンマルティーニは、伯爵家に生まれたが、実母が妹の方だけをひたすら可愛いと溺愛していた。
それが当たり前となった伯爵家で、ステファニアは必死になって妹と遊ぼうとしたが、母はそのたび、おかしなことを言うばかりだった。
そんなことがいつまで続くのかと思っていたのだが、王太子と婚約した途端、一変するとは思いもしなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる