虐げられた令嬢は、耐える必要がなくなりました

第５話

　その後も家族は私は虐げようとしたけど、全て対処することができている。

　今までは反撃した後のことが考えられず、私は何もできなかった。
　ジェイドと出会ったことで、耐える必要はなくなっている。

　私は魔法を使い、嫌がらせを対処していく。
　レモノを虐げると言ったけど、そこまで酷いことはしていない。

　反撃するようになってから数日が経って――食卓で、妹レモノが震えた声で話す。

「お姉様、もうやめてください……」

「やめる？　レモノがただ私の魔力に怯えているだけでしょう。貴方が強くなればいいだけです」

「今までのようにお姉様は魔力を抑えてください……お願いします」

　悔しそうにレモノが頭を下げて、私に頼み出す。
　今まで私が体内の魔力を抑えて接していたことを、この数日間で理解したようだ。

「嫌です。レモノが弱いだけなのに、私が気を遣わなければならないのですか」

「うっっ――」
　
「――アニカよ、いい加減にしろ！　お前に何があったというのだ！？」

　私の発言を聞いてレモノが怯え、お父様が叫ぶ。
　お父様の方を見ると魔力の威圧を受けて全身を震わせていて、私は気にせずに話す。

「先に何かしたのは、貴方達の方でしょう」

「そ、それは……」

　私の発言を聞いて、家族は言い返すことができない。
　魔物の群れの対処を１人でやらすなんて、普通は不可能だ。
　
　お父様が私を排除して娘をレモノだけにしたかったことは、メイドからも聞いて把握していた。
　そんな家族に対して、私はまだ優しく接している方だと考えている。
　溜息を吐きながら、私はレモノに言いたいことがあった。

「レモノは確か、私に暴力を振るわれたと言っていましたよね」

「ひぃっ！？　そ、それは私の嘘です！　申し訳ありません！！」

　数日前に聞いた私の発言を思い出したのか、ミレサは嘘だったことを認めていた。
　今の状態で本当に暴力を振るわれたら、どんな目に合うかわからないと考えているようだ。

　今になってレモノが嘘と言っても、私を虐げた過去はなくならない。
　そして――家族が、私を排除するために動こうとしていた。