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ヤキモチ

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姫乃が帰って行くと、物陰から蓮が現れた。
「蓮? いたの?」
「お前、どんだけイケメンなんだよ。そりゃモテるわけだ」
「はあ?」
「行動がカッコいいってこと。山田に「髪切った方がかわいい」とか言って」
「だって、それは…」
前世で自分が言ってもらいたかった言葉だった。その一言があるだけで、きっと自分に自信が持てたはずだ。
(…前世で蓮が私に言ってくれていたら…)
湊人は蓮を気付かれないように見る。
蓮は、少しふくれっ面をしていた。
(もしかして…)
「蓮…もしかして、ヤキモチ?」
蓮は頬を赤らめている。
「…プリント届けるの、山田さんに一人で行ってって言ったんでしょ? 覗き見してるくらいなら、一緒に来れば良かったのに」
「…山田が湊人にお礼を言いたいんだなって思ったから。あいつ恥ずかしがりやだから、俺が隣にいたら言いにくいんじゃないかと思って、俺なりに気を使ったんだよ」
「…そっか」
湊人はニコッと笑って、「蓮だってイケメンじゃない?」と言った。
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