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無意識のうちに
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次の日脳の検査を受けた湊人は、結果が出るまで3日かかるので、もう退院していいと言われ、午前中には家に戻った。
自室で本を読んでいると、玄関のチャイムが鳴った。
「湊人、クラスの女の子が来たわよ。山田さんって子」
「山田さんが?」
時計を見ると、もう学校が終わっている時間だった。
玄関先で姫乃が待っていた。
「湊人くん。ケガ大丈夫?」
「うん。大したことないよ」
「あの、湊人くん。助けてくれてありがとう」
「あ、うん」
「ちゃんと言ってなかったから…」
姫乃は、恥ずかしそうに俯いた。
「それからこれは、学校からのプリント」
姫乃は畳まれた紙を渡した。
「あ、ありがとう。今日、蓮は?」
「ちゃんと学校来てたよ。今日のプリント届けるの、私も行くって言ったら、『自分はいいから、山田さんが行って』って…」
「そう…」
「今日、中田さんがね、今までごめんって謝ってきたんだ。もういじめないって約束してくれた」
「そっか。良かったね」
「うん」
「…山田さんさ…」
湊人はおもむろに、姫乃の前髪をかき分け、メガネを取った。
「湊人くん⁉︎」
姫乃は、慌ててメガネを取り返す。
「何するの?」
「ごめん…でもさ、山田さん前髪切った方がいいよ。メガネも替えた方がいいと思う。せっかくかわいい顔してるんだから」
「え…」
姫乃は恥ずかしそうに俯いた。
「かわいい? ホント?」
「うん。オレが保証する」
「…そっか…」
自室で本を読んでいると、玄関のチャイムが鳴った。
「湊人、クラスの女の子が来たわよ。山田さんって子」
「山田さんが?」
時計を見ると、もう学校が終わっている時間だった。
玄関先で姫乃が待っていた。
「湊人くん。ケガ大丈夫?」
「うん。大したことないよ」
「あの、湊人くん。助けてくれてありがとう」
「あ、うん」
「ちゃんと言ってなかったから…」
姫乃は、恥ずかしそうに俯いた。
「それからこれは、学校からのプリント」
姫乃は畳まれた紙を渡した。
「あ、ありがとう。今日、蓮は?」
「ちゃんと学校来てたよ。今日のプリント届けるの、私も行くって言ったら、『自分はいいから、山田さんが行って』って…」
「そう…」
「今日、中田さんがね、今までごめんって謝ってきたんだ。もういじめないって約束してくれた」
「そっか。良かったね」
「うん」
「…山田さんさ…」
湊人はおもむろに、姫乃の前髪をかき分け、メガネを取った。
「湊人くん⁉︎」
姫乃は、慌ててメガネを取り返す。
「何するの?」
「ごめん…でもさ、山田さん前髪切った方がいいよ。メガネも替えた方がいいと思う。せっかくかわいい顔してるんだから」
「え…」
姫乃は恥ずかしそうに俯いた。
「かわいい? ホント?」
「うん。オレが保証する」
「…そっか…」
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