2 / 59
悪意を喰らう1 (現在編①)
しおりを挟む「アタシさ、最近ストーカーされてんだよね」
マミが長い髪の毛をいじりながら言った。
「マジ? 最悪じゃん」
友人のナナはスマホを操作しながら相槌を打つ。
「バイト終わんの遅いし、暗い中帰んの怖いんだよね~。
あー、誰かボディガードしてくれる人いないかな?
主にイケメンで…」
ナナは思い出したように「あ~」と言った。
「じゃあ、うちのクラスの鬼山くんどう? 鬼山小太郎くん」
「おに…?」
「おーい、鬼山くん!」
ナナが呼ぶと、教室の端っこの席で、机に突っ伏している男子生徒が顔を上げた。
「あっ…なかなかイケメンじゃん」
「でしょ?」
マミの感想にナナは自慢気に笑う。
「…なに?」
眠りを邪魔された小太郎は、不機嫌そうに二人を見た。
ナナはマミの背中を押す。
「この子、B組のマミっていうの。私の親友。最近ストーカーされてるんだって」
「ストーカー?」
小太郎は、マミの顔を見つめた。マミの顔は赤くなった。
「それで?」
「ボディガードしてあげてほしいんだけど…」
ナナが言うと、マミは「ホントに困ってるんだ」と申し訳なさそうに言った。
「オレでいいの?」
「またまた~、鬼山くん細身のわりに強いんだって聞いたよ?
男子が噂してたもん。体育で柔道やって、柔道部の主将負かしたらしいじゃん」
「え? すごい!」
ナナの言葉にマミが驚き、小太郎を熱い視線で見つめた。
「あ~、力加減ミスったんだよな…」
小太郎がブツブツ呟く。
「え? なんて?」
ナナが聞き返してくるので、小太郎は焦った。
「いや、ボディガードだっけ? 引き受けるよ」
「ホント? ありがとう」
マミは嬉しそうだ。
「そういえば、さっき、柔道部の主将くんが、これを置いていったよ」
ナナが小太郎に渡したのは、名前のみ空欄の柔道部の入部届け。
「あ~もう、シツコいんだから…」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる