鬼の心臓は闇夜に疼く

藤波璃久

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協力者15(現在編②)

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お礼をしたいというナオに、家までついていった。
「そういえば、小太郎くんは、なんで私の居場所わかったの?」
「えっと、ナオさんのポケットに」
「え?」
ナオがポケットを探ると、ピョンと何かが飛び出した。
「キャ⁉︎」
小太郎の手に乗っかったそれは、黒い人型をした物だった。
「それは?」
「オレの髪の毛」
「え?」
「ナオさんがどこにいるかわかるように、術をかけておいたんだ。声も聞こえてたよ」
「そっか…」
小太郎が髪の毛の術を解くと、人型は崩れて一本の髪に戻った。

 お屋敷に到着し、客間へ通された。
ヤマトがお茶の用意をしに出て行くと、ナオは小太郎に気になっていたことを聞いた。

「小太郎…さん」
「ん?」
「小太郎さんの正体を知ってしまった私の記憶も、食べてしまうの?」
ナオは寂しそうに言った。
「…本当なら、君の記憶も消してしまいたいんだ」
「…やっぱりそっか」
「でも、さっきも言ったけど、記憶だけを食べるって事が、オレにはまだ出来ないんだ。だから、悪意を食べた時、一緒に記憶を食べるって形になる」
「私は…」
「ナオさんの中には悪意が、邪心がないから。食べることができないんだ」
「…悪い心…?」
「うん。無理にその人の邪心を食べたら、精神がおかしくなるんだよね。だから、ナオさんがオレの事、誰にも言わないでいてくれたら」
ナオは頬を染めた。
「誰にも言わないよ。小太郎さんの秘密、私だけが知ってるんだ」
「今生きてる人間なら、そうなのかな」
「過去に知った人がいるんだ?」
「うん。もうとっくにこの世にいないけどね」
《小太郎、桃太郎一族は知ってるじゃない?》
『ああ、そうか…まあいいや』
朱丸の指摘に返事を返す。

「そういえば、小太郎さんはいくつなの?」
「121歳」
「あれ? 意外と最近」
「いや最近って…」
「もっと大昔から生きてる人だと思ったから」
「そっか」
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