健全純愛研究

ななみん

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promise ZERO

すず

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彼女もずっと本を読んでいた。
しかし三木の文芸部へのアタックはことごとく断った。

「みすずさん。」
あきとはずっと気になっていた彼女に声をかけた。
「なに?」
それは機械的な受け答え、こちらに興味がない。
「おれ同じクラスの鳴海あきと、みすずさん、っていつも本読んでるよね。その作者の話おれもすごく好き。」

「そう、じゃあ鳴海君よかったらこの本もらってくれない?」

「え?」

「もう私には必要ないの」

それが彼女とのファーストコンタクト。
美女で高身長の彼女はクラスのマドンナ的な存在。ロングヘアーに紺のセーラー服がおせいじでもなく本当に似合っていた。

この時話したみすずはすごく浮き世離れしたような受け答えだった。ミステリアスな、三木に無理やり声をかけさせられたがそのミステリアスな彼女をもっと知りたいとおもった。

「あのさ前も三木が誘ったと思うけどよかったら文芸部にはいらないか?」

決まってた昼休みになると一人になる彼女。その時を狙って見つけては声をかけた。

すごく勇気がいった。本当は元々こんな誘いをするタイプじゃない。
「どうして、私なんか誘うの?」
「ほら、もう少しそのみすずさんと語りあってみたいとおもってね」
「ふーん」
しばらくおいて
「じゃあすきにすれば?」

いつも声をかけられると逃げるようにまた別の場所に去って行った
彼女。
今日は昼休みを一緒に横で過ごすことを許されたようでスゴく嬉しかった。

「みすずはどうして本を読むんだ?」
ふとそう聞いてみた。
文芸部の三木やおれと違ってこだわりや愛着がなさそうだ。
とかにジャンルを選ばず、自己啓発本やマンガ、ライトノベルまで読んでる時がある。実に幅広い守備範囲。

「なんとなくかな。言葉って人格を作る気がするから。」

「みすずはそんな哲学的な目的で本を読むのか」

「少し、違う。気持ちが知りたいの」

ますますいっていることが分からなかった。

「あきとくん、人ってどうして生きてるんだろうね。」

そんなこととうとうに聞かれて戸惑う。

「うーん宗教的な考えとかだと、人はそれぞれに果たすべき役割が決まってるから?とか。天命ってやつ」

「じゃああきとくんは今その天命に沿って生きてるんだ。あきとくんの天命ってなんだろうね」

「うーん。それはまだ俺にもわかんないよ。宗教的な考えっていったろう。まだそれを頼るほど困ってなあからなぁ」

「じゃあ単純に今あきとくんが呼吸をして心臓を動かしてる理由を教えて。」

「はぁ?おまえなにいってるのかわかってるのか?」

ときに彼女は支離滅裂だ。
しかしそんな彼女にも一応しっかりと応えてやるのはあきとの優しさだ。

「そんなの自分でコントロールできなだろ。息はとめたら苦しいし心臓も勝手に動いてる」

「例えば今、そこにあるパーカーで首を占めたら呼吸も心臓もとまでしょ?」

「おまえなぁ。そんなの俺がこの世に存在してしまってるんだから仕方ないなだろう。それかいまもしかしてそんなに目障りか?」

「違うの、私いま真面目に話してるよ?ちゃんと聞いて」

「生きる理由はそこに存在してしまってるから。心臓もが動いているから。」

「じゃあなんで、いつでも自分の命をなくそうとすればなくせるのにどうして生きてるんだろうね」

「逆説的な考えか。」

「私達はきっと刹那的にどうして死なないかの選択をしてる。とか。」

「ふむ。」

「鳴海あきとくんどうかな?」

「じゃあ改めて聞きます、鳴海あきとくんはどうしてしなないんですか?」

「はぁ。それは痛いからだろう。あとはまだ部誌ができてないからな。みすずおまえも手伝えよ」

「えーやだー私と男二人と違って活字ラブじゃないもん。それにそうやって手伝ってあげてるでしょう?」

「みすずのミステリアスにつきあって挙げ句のはてになんで死なないの?とか言われるしな。さっきの考えは理には叶ってる部分はあるがやっぱりちょっと無理がある気がする。俺の話にはでないな」

「えー今日のはなんか究極だとおもったのにー」

「そんなにいうなら倫理の薗田先生にたまには話聞いてもらえばいいだろ。」
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