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第8話『新しい春へ』伊織side
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4月の朝、制服のリボンを結びながら、私は鏡の前でひとつ息を吐いた。
胸の奥が少しだけざわざわしている。でも、それは不安じゃない。どこか、希望に似たものだった。
「伊織、準備できた?」
お母さんの声が階段の下から聞こえる。
「うん!今行く!」
私と美羽は、桜丘高等学校の正門に立った。
かつて桜中学校で過ごした日々を懐かしく思うが、新たな3年間が、またスタートする。
新入生オリエンテーション。
講堂の中は、緊張と期待の空気でいっぱいだった。
そこでわたしたちはは、新たな出会いがあった。
髪を短くまとめ、眼鏡をかけたその子は、席が隣になったことをきっかけに話しかけてきた。
「こんにちは、あたし、藤咲 凛(ふじさき りん)って言います!
……実は入学式から緊張でずっとお腹痛いんだけど、あなたたち落ち着いてるよね。すごい!!」
笑顔で話しかけてくれた凛に、美羽がすかさず言った。
「伊織はね、見た目落ち着いて見えても中身震えてるよ。たぶん今も、ふわふわしてる」
「ちょ、ちょっと美羽……!」
三人は顔を見合わせて、すぐに笑った。
春の日差しが差し込み、あたたかな風が流れ込んでくる。
数時間後。
私たちは1年B組になった。担任は、若いけれど落ち着いた雰囲気の男性教師だった。
「みなさん、おはようございます。担任の柏木(かしわぎ)です。少しだけ自慢させてもらうと、僕、こう見えて生徒の名前を一度で覚える特技があります。……たぶん!」
笑いが起きた。
その穏やかな口調に、私は少しずつ緊張がほどけていくのを感じた。
放課後。
保健室に立ち寄った私と美羽は、どこか懐かしい雰囲気にほっとする。
そこには、新任の保健室の先生・山城(やましり)先生がいた。
30代前半の女性で、少し天然。でもとても温かい目をしていた。
「何かあったら、ここにおいでね。甘い飴ちゃんもあるし。」
その言葉に、美羽は目を輝かせた。
「え、それなら週2で来ます」
「ちょっと、そういうのは〝何もない〟ときのほうが多く来ちゃダメなんだよ~?」
保健室に笑い声が広がる。
新しい季節、新しい学校、新しい出会い。
まだ不安はあるけどーーー
私はふと、空を見上げて言った。
「大丈夫。私たちなら、大丈夫だよね、美羽」
「うん、春は、また来たんだもんね。」
胸の奥が少しだけざわざわしている。でも、それは不安じゃない。どこか、希望に似たものだった。
「伊織、準備できた?」
お母さんの声が階段の下から聞こえる。
「うん!今行く!」
私と美羽は、桜丘高等学校の正門に立った。
かつて桜中学校で過ごした日々を懐かしく思うが、新たな3年間が、またスタートする。
新入生オリエンテーション。
講堂の中は、緊張と期待の空気でいっぱいだった。
そこでわたしたちはは、新たな出会いがあった。
髪を短くまとめ、眼鏡をかけたその子は、席が隣になったことをきっかけに話しかけてきた。
「こんにちは、あたし、藤咲 凛(ふじさき りん)って言います!
……実は入学式から緊張でずっとお腹痛いんだけど、あなたたち落ち着いてるよね。すごい!!」
笑顔で話しかけてくれた凛に、美羽がすかさず言った。
「伊織はね、見た目落ち着いて見えても中身震えてるよ。たぶん今も、ふわふわしてる」
「ちょ、ちょっと美羽……!」
三人は顔を見合わせて、すぐに笑った。
春の日差しが差し込み、あたたかな風が流れ込んでくる。
数時間後。
私たちは1年B組になった。担任は、若いけれど落ち着いた雰囲気の男性教師だった。
「みなさん、おはようございます。担任の柏木(かしわぎ)です。少しだけ自慢させてもらうと、僕、こう見えて生徒の名前を一度で覚える特技があります。……たぶん!」
笑いが起きた。
その穏やかな口調に、私は少しずつ緊張がほどけていくのを感じた。
放課後。
保健室に立ち寄った私と美羽は、どこか懐かしい雰囲気にほっとする。
そこには、新任の保健室の先生・山城(やましり)先生がいた。
30代前半の女性で、少し天然。でもとても温かい目をしていた。
「何かあったら、ここにおいでね。甘い飴ちゃんもあるし。」
その言葉に、美羽は目を輝かせた。
「え、それなら週2で来ます」
「ちょっと、そういうのは〝何もない〟ときのほうが多く来ちゃダメなんだよ~?」
保健室に笑い声が広がる。
新しい季節、新しい学校、新しい出会い。
まだ不安はあるけどーーー
私はふと、空を見上げて言った。
「大丈夫。私たちなら、大丈夫だよね、美羽」
「うん、春は、また来たんだもんね。」
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