君を好きになるなんて絶対にありえない!

ジャック

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2章

第4話

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キーンコーンカーンコーン


というわけで放課後に入りました。ほとんどの人は今から部活に向かう。陽も既に部活に向かった。


俺は荷物をカバンに入れて教室を出る。5組の教室を覗いて見たけど北風はいなかった。とすると、北風がいるのは校門だろう。


俺が先に帰らないように校門で待っているに違いない。別に先に帰るつもりはなかった。頑張って交渉してみようとは思うけど。


「あ、来たね荒木くん!」


俺の姿を見るとこっちに俺に向かってそう言う。他に生徒がいない訳では無いが、受験に集中している3年生が多いので、学校で有名な北風が陰キャの俺を呼ぼうとあまり騒ぎにはならなかった。


偶に「荒木って誰?」「えっ!?もしかしてあいつ!?」みたいな声は聞こえるけど。明日には学校にこういうニュースが流れるのかな、て思うと今から気が重い。


「ごめん、遅れた。」


「別にいいよ。どこに待ち合わせにするかなんて言ってなかったし。」


それはそうなんだけどな。それでも遅れたことには変わりないだろ。


あぁ~、周りからの視線が痛いわ。


「それじゃあ行こっか♪」


周りの視線を浴びながら俺と北風は学校を出て、北風の家に向かう。


「一応聞くけど、料理本を学校に持ってくることは出来ないのか?」


「別にいいけど、それならクラスメイトから何か言われるんじゃないの?」


それはそうだろうな。そして、マシンガンのように質問される…か。そっちの方がめんどくさいな。


諦めるしかなさそうだな。明日には俺が北風を脅したなんて言う噂があるかもな。別に今頃俺に関する噂が増えたところで俺はノーダメージだが。


「…はぁ。既に注目は浴びたけどな。」


「アハハっ。細かいことは気にしなーい。」


細かくねぇよ!っていうツッコミが喉まで来ていたが、ギリギリ抑えれた。明日が憂鬱で仕方ない。


「そういえば荒木くん、今日って用事ある?」


「いや、特にないけど?」


今日はバイトも休みだ。家に帰っても勉強ぐらいしかやることがない。


「ならさ、晩御飯食べていかない?私の家で。」


「え?」


俺は思わず足を止めてしまった。今とんでもない事言わなかった?


「え?用事ないんだよね?」


「いや、一応ないけど。」


「なら、どう?私の料理の腕も見せてあげるし、荒木くんのことだから今日は何も作らないでしょ?」


「い、いや確かに今日は何も作るとは思えないけどさ!」


今日の晩御飯はカップラーメンになること間違いなしだけど。


「?何か問題でもあるの?」


問題しかないと思うのは俺だけなのだろうか?


「北風の親は?」


「今日は帰ってくるの遅いと思うから家にいないよ。」


「他に家に誰もいないのか?」


「う~ん。妹ぐらいかな?」


北風に妹がいたのか。少し意外だな。でも、今はそれどころじゃない。


「い、一応聞くが、彼氏とかいないのか?」


もし北風に彼氏が居たら問題だからな。それに、俺が巻き込まれるのは困る。


「い、いないよ!いたらそんな提案しないよ!」


「そ、そうか。」


やけに必死になるな。それに少し顔も赤いような…?気のせいか。


う~んでもなぁ、とずっと考えていると、


「ならさ!これもお礼ってことにしようよ!それならいいでしょ!」


無理矢理感がすごいな。なんでもお礼って言ったら解決するのだろうか?


だが、この北風の感じはあれだな。多分俺が理由をつけてもそれを良しとしないだろうな。しかし、今回はなぁ。


「……本当にいいのか?金もかかるだろうし。文化祭であんなことがあったのに男を家に入れて。」


「1人加わったぐらいで大して変わらないよ。それに荒木くんなら大丈夫だよ!そんなこと言ってくるって事は何も私たちにしてこないでしょ?」


それは信頼してる…と言えるのか?


「それとも私と妹に何かするつもりなの?」


「いいや、全く。」


嘘偽りないぞ。人としての常識はあるからな!


「なら、大丈夫だよ!他に問題あるの?」


なかなか言い負かすことが出来そうにないな。勝つことはほとんど不可能に近いのかもしれないな。この話自体は魅力的だし。正直なところ、北風の弁当は美味しそうだった。


「…はぁ。北風の妹が許可したら、晩御飯をいただてもいいか?」


「それでいいよ♪ふふっ。でも、荒木くんらしいね。普通なら、妹の許可なんて取らないと思うけど?」


「その言い方だと俺が普通じゃないみたいだな。」


俺以上に普通な人間なんていないと思うけどな。中学の時にグレて、高校では髪を伸ばして陰キャぼっちになって…。


どこからどう見ても普通じゃないか!


「あっ!もしナニかするなら私にしてね?」


「するか!!ほら、冗談言ってないで行くぞ。」


そんなに俺は節操なしに見えるのか?ちょっと心配になってくるぞ。理性ぐらいしっかりしてるつもりだし、そんな度胸ない。


「……本当に荒木くんなら私に何してもいいのに………。」


急に北風が立ち止まった。


「?何か言ったか?」


何か言ったように思うが、風向きもあって聞き取れない。


「…なんでもない。ほら、早く行くよ!」


?俺を抜き去って早歩きで前を歩く。一瞬耳が赤く見えたけど、太陽のせいか?


少し早歩きで歩く北風の後ろを歩く。


「あ、荒木くんの好きな食べ物って何?」


「俺は……オムライス…かな。」


大した理由じゃないけど、昔母さんがよく作っていたから好物になってしまった。


「へぇ、意外だね。」


「それ、意外と子供っぽいって意味だろ?」


「まぁ、そうだね…。」


少しは否定して欲しかった。でもオムライスって老若男女問わず、よく食べられてると思うけどな。


「北風は好きな食べ物とかあるの?」


「私?私は…パスタが好きかな?」


「へぇ、意外だな。」


「む?それどう言う意味よ」


「俺のイメージではパスタって大人っぽい人が食べていそうだからな。」


「それじゃあ、私は子供っぽいって言いたいの?」


「……俺のイメージでは。ほら、修学旅行の時、橋の下でひっそり泣いてたのが…な?」


待ってくれ。よく考えて欲しい。橋の下でひっそりと泣いて、1人で溜め込んで、ちょっとしたトラブルを引き起こす。


今まで北風との回想を思い出すと、なんか子供っぽい印象があるんだよな。…少なくとも俺の中では。


「……それを言われたら否定できないけどさぁ!」


よしっ!問題なく仕返しができたぜ!


「…あっ!修学旅行で思い出したけど、私の嫌いな食べ物荒木くんに伝えたけど、荒木くんの嫌いな食べ物聞いてない…」


確か…北風の嫌いな食べ物はナスだっけ?あれ?でも


「嫌いな食べ物ないって言わなかったっけ?」


「え?あれ本当だったの?でも、苦手な食べ物ぐらいあるでしょ?」


確かに会話の流れから言えば、嘘の確率の方が高いな。俺のコミュニケーション能力そんなに高くないから信じて貰えなかったのかもな。とは言っても…


「あっ。…パセリ苦手だわ。」


今では食べれるかもしれないが好んで食べようとは思わない。最初は飾り物だと思ってたからな。食べるのは勇気が必要だったよ。実際食べたら美味しくなかったし。


「そうなんだ。私はパセリ食べれるよ。」


自慢か?俺だって無理すれば多分食えるぞ。……多分。


「いや、パセリ単体は無理だろ。あれはもはや食べ物ではなく、飾り物だろ?」


「気持ちは分かるけどねー。でも、胃の消化にいいから、食べた方がいいよ!」


そんな会話をしていると…


「あっ!着いたよ~。ようこそ!我が家へ!」


なんてノリノリで、北風が紹介してくれた。平均的な家より大きい。ぱっと見た感じだが、そう思った。


「ちょっとだけ待っててくれない?すぐに家を片付けるから。」


別に気にしないけどな。多分俺の家の方が汚いと思うし。けど、男の子には見せたくないものだってあるんだろう。


「わかった。ここで待ってていいか?」


「もちろん!」


ということで北風が家を片付ける間、俺は家の前で待つことにした。


そろそろテストだなぁとか、家を片付けないとなぁとか考えていると、


「不審者ですか?」


急に声をかけられた。普通第一声がそれって有り得るの?本物の不審者だったらやばくない?


声をかけられた方を向くと、。手には携帯を持っている。しかも携帯は耳に当たりそうだ。


「いや、違うよ。ここの家の人に誘われてな。だから110番通報はやめてくれない?」


友達って言いたいけど、それを北風に批判されたら辛いから、言わなかった。過去に「俺とお前って友達?」って聞いたら「えっ?そうなの?」という残酷な会話をした記憶があるからな!


「……お姉ちゃんの…友達…ですか?」


お姉ちゃん…。これで確信した。やっぱりこの子北風の妹だな。何となく雰囲気が似てるんだよな。それに北風と同じ茶髪だし、顔もよく見ると似てる。


北風の中学時代もこんな感じだったんだろうな…。


「えっと…一応友達かな?」


「……もしかして……かーくんさんですか?」


えっ?…………………誰それ。

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