君を好きになるなんて絶対にありえない!

ジャック

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2章

第19話

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「覚悟はいい?荒木くん!」

「その言葉そっくりそのまま返すぜ!」

 俺と北風は今いつもの空き教室にいる。今日の朝、今回のテストの成績表が帰ってきたのだ。そしてここで見せ合うことがルールとなっている。

「「せーの!!!」」

 俺と北風は同時に成績表をオープンにする!果たして結果は!

荒木 神楽  48位
北風 真美  39位

「いやったぁー!!!」

「ぐぁぁー!!!!!」

 負けた……だと!?この俺が!?まさか北風に負けるだと!?俺はあるルートから前回の北風の順位は156位だと聞いていたんだけど!?(陽調べ)

 実際に前回の成績はその通りだった。こいつ!?どれだけ勉強したんだよ!俺は陽や陽菜ちゃんに教えていたが、自分の勉強はきっちりやっていた。なのに負けただと!?

有り得ん!!

 北風はさっきからずっと踊ってる。喜びの舞か??

悔しい!悔しすぎる!俺は負けず嫌いなんだよ!!

「グッ!再戦!再戦を申し込む!」

「その前に私のお願いを叶えるのが先かな~??」

 つまり、これは俺の負けだと認めることになるのか…!!

「分かった…!今回は俺の負けだ!!だが、次は絶対に勝つからな!」

「う…うん!そうだね!じゃあ、勝負しようね!」

「あぁ!もちろんだ!」

 次は絶対に勝つ!この悔しさを忘れないようにしよう。

「それで結局俺に叶えてほしいお願いは何だ?」

 今の俺は金も少しはあるから大体のものなら買ってあげることが出来ると思う。まぁ、まさか高すぎるものを選ぶとも思わないし。最悪姉ちゃんに借金をしよう。

「あ…え…えっと…それなんだけどさ…。」

 ?なんか急によそよそしくなったな。緊張しているのか?

「別に北風がどんなお願いをしても文句も言わずに叶えてやるよ。」

 負けを素直に認めてルール通りどんなお願いも本気で叶えてやるつもりだ。順位を100位もあげるなんて簡単じゃなかったはずだ。そのご褒美は俺じゃ不満かもしれないけど、プレゼントしてあげたいと思う。

「わ…分かった…!その…今月の24日って空いてる?」

「あぁ、その日か…。まぁ、予定としては血祭りに参加するぐらいだな。」

「そう…血祭りに参加…。血祭り!?」

「あぁ。」

 理由を聞いて欲しい。今朝のことだ。成績表が帰ってきた時に陽は補習参加にならなかった。その報告を俺にしてきたのだ。その時の陽がな。

『ありがとう!神楽!これで今年は海咲とデートしたりイチャイチャしたり出来るよ!!本当にありがとう!!お礼に俺と海咲でキーホルダーでも買ってくるから!』

 すごくムカつきました。相手の気持ちを考えずに幸せを充満させるその姿は。ダイナマイトがあればすぐに爆発させたかった。

 という訳で今年のクリスマスを真っ赤に染めあげようと思います。そして俺が真っ赤な血にまみれたサンタクロースになってみんなに爆発というプレゼントを送る予定なのだ!

 サンタクロースが真っ赤な服を着ているのは返り血が目立たないためって知ってたか?まぁ、サンタクロースの服自体血でできてるんだろうな。

「それじゃあ…お願い!24日にその…私と二人で映画を一緒に見て欲しい!」

「は?」

 何を言っているのか一瞬よく分からなかった。映画?俺と一緒に??クリスマスイブに???それって……

クリスマスデートか?????

いや、まて結論づけるのは早い!聞き間違いの可能性がある!

「もう1回言ってくれる?」

「うっ…!分かった。私と映画を一緒に見に行ってください!」

 聞き間違いではなかったか。何か目的があるのか?いや、そこまで勘繰るのは良くないな。

「ダメ……?」

 そんな上目遣いで言われたらなぁ。それ、反則じゃない?そんな目で言われて断れる人いるの?

「いいぞ。」

 そもそもこれは敗者が勝者のお願いを叶えるゲームなのだ。 敗者である俺に拒否権なんてあるはずがない。

「ほ…本当に…?」

「マジだ。勉強頑張ったんだろ?そのご褒美だ。」

「や…やったー!!」

 ?なんか知らんけど北風はすごい喜んでる。そんなに映画に行きたかったのだろうか?

それとも……。まさかな。

そんな考えがあるはずがないのだ。見たかった映画のペアチケットを貰ったとか、ナンパよけに喧嘩が強い俺を連れていこうとかそんな考えだろう。

そう、あるはずがないのだ。北風が俺とデートしたいなんて言う考えは。

「ただ条件がある。」

「じょ…条件?」

「あぁ。突然だがクリスマスには人間は3つのタイプにわかれる。」

「う…うん。何の話?」

「1つ。1人で家でゆっくりと外を見ずに過ごす人。
2つ。カップルでイチャイチャして過ごす人。」

 陽はまさに2つ目に当たる。俺は1つ目のはずだがこのまま行くと客観的に見ると2つ目に見えてしまう。これが問題なのだ。

「3つ。クリスマスにナンパしてカップルになろうとする人。」

「う…うん。それで条件って?」

「まぁ、待て。北風には輝かしい実績がある。10秒でナンパされるという輝かしい実績が。」

 今でも忘れることが出来ない。修学旅行のお礼と称して初めて北風の私服姿を見て会談した時のあの事態を。俺が歩き始めて10秒で北風はナンパされた。それぐらいに北風はナンパホイホイなのだ。それがクリスマスで解き放たれるとどうなるか?5秒に1回はナンパを受けることになるだろう。

「あれはたまたまだよ!?普段はあんな事にならないし、なってもかわせるよ!?」

「たまたまがある時点でアウトだ。それにクリスマスイブだからな。何があるか分かったもんじゃない。それで条件なんだが…。」

「う…うん!」

「出来る限りダサい格好で来てくれ。もしくは帽子、マスク、サングラスで顔が見えないようにするとか。」

「嫌だ。」

「そうか…嫌か…。嫌だって!?」

 ほ…本気か!?それぐらいしなきゃナンパが大量に寄ってくるぞ!?

「嫌とかじゃなくてな…。そうでもしないとナンパがたいりょうに――」

「大丈夫だよ!」

「何をもってそんなことが言えるんだよ…。」

「だって、本当に危なくなったら荒木くんが助けてくれるでしょう?」

 ……本当に何をもってそんなことが言えるんだよ。まだ知り合ってそんな月日は経ってないのに。俺のどこにそんなに信頼を寄せる部分があるというのだ。…北風は本気で思っているのだ。「何かあったら俺が助ける」と。そんなに純粋に期待されたらそれを裏切れないじゃないか。

「……はぁ。何を根拠に言ってるんだか。俺はヒーローじゃないんだ。なんでも出来るわけじゃないぞ?」  

「わかってるよ。それぐらい。」

「わかった。あんまり俺から離れないでくれよ?10メートル以上離れたらナンパの餌食になるんだから。」

「うん!分かった!!」

 近くにいればカップルと見間違われるかもしれない。そうするとナンパの数も減るだろう。それに賭けよう。俺もコンディションは完璧にしよう。それで北風にふさわしくなれるほどカッコよくなれるなんて思ってないが。こういうのは学校一のイケメンと行って欲しいものだ。もう少し北風は自分の魅力とかに気づいて欲しい。

 はぁ。今年のクリスマスは面倒臭いことになりそうだな。
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