レンタルおかんと私

関塚衣旅葉

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同棲についてなんだけど

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 「おかんはおとんと同棲してから結婚したの? 」 
私は久しぶりにレンタルしたおかん(前来てた方はやめたらしい)にほぼ初対面だけど聞いてみた。
「そうねぇ、あたし、おとんとはしてないのよ。その前の彼氏と同棲しとってな、よくある話だけど、あたしが仕事の間に女連れ込んでて…」
おかんがお金出してた家だったけど、おかんが家を追い出されて、家賃に関しては大家さんに言っておかんが払うのはやめたけど、自分の家がなくて当時仲良くしてくれてた先輩であるおとんが家においでって言ってくれて、同棲するのかと思ったら、おとんはネカフェに泊まってたらしい。
「もしかして、おとんはおかんのこと好きだからこそ一緒に住むのは拒んだのかな?? 」
「それがな、ちがうんやて。まだ好きとかではないけど、一緒に寝るのは気が引けたから1ヶ月くらいは寝る時だけネカフェに行ってたらしいのよ」

 なんかいい人なんやなぁって思ったが、私の同棲?したときの記憶を思い出してみた。

 「おかん、あたし元彼と同棲した時今より稼いでたし、今より帰り遅かったんだけどね、それでも帰ってからご飯作って、家の掃除して、洗濯もしてたの。12時とかからの出勤だったけど、元彼の家ってさ、職場から遠いから1時間半前とかに家出なきゃで。それでも不安だから2時間前には家出てたかも」
そこから私はおかんに自分語りをした。
バイトは昼はめちゃくちゃ忙しくて、夜は夜で忙しい日もあってね、仕事終わるのが遅い時は10時とか?9時とか?でね。
電車で元彼の家の方まで帰ると、元彼の家の方に止まるバスはもう最終がいってるから歩いて帰らなきゃでね。
駅から30分から50分くらいかな。
ずっと立ってたのにさらに歩かなきゃで足痛いし、でも明日も出勤だし、帰ったらご飯作って洗濯物洗わないとで…。
とかって日もあった。
バ先までお迎え来てくれる時もあったけど、そういう時は帰りにどこか行ったりするときだったかな。
最初はね、一緒に暮らせるのが嬉しかったの。
とは言え、自分の家にも週の半分くらいは帰るつもりだったんだけど、帰れなくてね。
家の洗濯も掃除もやるように言われてたのに全然出来なくてママには迷惑かけたの。
あの頃の私ってさ、なんだろ。
心の拠り所がなかった?
お酒飲めないしタバコも吸わないし、連絡先に残ってるフォロワーさんは女の子だけとか?
男の人の連絡とってるの見られて浮気だって言われたこと沢山あったの。
ほとんどの人が私と会ってもキス止まりなのに浮気だって言われても困るよね。
誰も高校生の間は手を出すような人はいなかったんだ。

 「あんた、なんでその人と一緒に暮らしたんだい?」
うーん、なんかね、家はゴミ屋敷だったし、ママがお仕事で忙しくて高校時代あんまり一緒にいること無かったから寂しくて、一緒にいてくれるなら誰でもよかったのかも。
だから、元彼にもだけど、他のお兄さん達に言った「好き」の言葉も寂しくて吐いただけだったのかもしれない。
当時は本気でそう思ってたとしても、今考えたら今の彼氏に対しての好きとちがうのよ。

 「ちなみに、どのくらい期間一緒に住んでたんだい?」
約、一年弱かなぁ。
高校の卒業前の休みくらいからずっと一緒にいた気がするから…。
あの時はお話書けなくて、お話書くの辞めたら何も残らないからこのまま結婚するかなぁとか思ってたのよ。
卒業しても進路決まってないからさ。
まあ、今も変わらずバイト先でのんびりお仕事してるけど。
まさか、あそこまで元彼の金銭感覚がおかしいとは思わなかったよ。
家賃払って、車乗りまわして、それなのに毎月アウトレットモール言って服買ってて。
私、ちゃんとバイト代から食費とか日用品代出てたの。
貯金なんてできないくらい、元彼に使ってたね…。
外食した時にあたしが出そうとしたことも多々あった。
ファミレスかラーメン屋しか行かなかったけど。
あんまり記憶なくてね。
最近は思い出した方だけど、別れた直後はずっと泣いてたからどんどん記憶飛んだわけじゃないけど、しまい込んでた。

 「あんた、よく生きてるわね…」
別にご飯食べれないわけじゃなかったから死にやしない。
でもまあ、太くて痛いちんこに毎晩犯されたのはなんかね、心が死んだよね。
たとえ次の日早くても深夜の12時からとかするんだよね。
カーテンの無い家だったから外から丸見えなんだよなぁって思いながら窓際に立たされたり。
最終的には騎乗位で寝るって技を覚えたよね。
痛みから逃れるには寝るのが1番だったの。
寝たらあとは勝手にやってくれるからね。

「あんた、行為中に寝てたんかい…」
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