小さな幸せ

関塚衣旅葉

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僕の好きな人たち

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 僕、ご飯を食べるのが好きなんです。
美味しいものとか好きな物食べてる時ってすごく幸せで、生まれてきて良かった!って思えるの。
そしてね、僕の周りにはご飯を食べてる時に顔に美味しさが出てる人が沢山いるの。
今日はその人たちの話をするね。

 中学生の頃から今も仲良くしてくれてる紅子。
紅子はマジでご飯を美味しそうに食べる天才。
目の前で飯テロくらってる気分になるもん。
例えばね、うわ、なんだろ、割と色んなものを一緒に食べてるから出てこないけど、この前行った定食屋さんで卵焼き食べてる姿はとんでもない飯テロでしたね……。
その姿見てると、食べてるご飯がさらに美味しくなるので彼女との食事はめちゃくちゃ楽しいし美味しいのだ。

 僕の好きな人もとてもご飯を食べてる姿が良いのだ。
彼は飯テロって感じじゃなくて、あー、一緒にご飯食べに来て良かったって思えるの。
豪快な食べ方だけど行儀がいいからなんかまじで、たまらん。
とてもね、見てて楽しいの。
何度彼に食べて貰えないかなぁと考えたことか。
食べ物になりたいと思ったのはこの時以外にもあるけど、彼に食べられたいと思うくらいには食べ物も私も幸せな気持ちになる食べ方してるの。

 人の食べ方が良いって話してる僕はと言うと。
あんまり、美味しそうには食べれてない。
無表情。
だから、みんなの食べてる姿は見たいけど、僕は人前でご飯を食べたくないのだ。
昔は割と何も気にせず美味しい物食べてる時はにこにこしてたんだけどね。
思春期というか、自我が芽生えてから?
なんかそんな感じになってからは、人に見られるのが怖いとか、矯正してた為、歯に物が詰まるし上手く食べられない食べ物もあるし、とかで嫌だった。
というか今も嫌。

 あと食べてる時に顔に思ってること出せないし、言葉にもしないから、無。
美味しいなぁって思いながら食べてても顔は無。
食べ終わって、お店出てから、あれがたまらん美味さで!!
とか、これ美味しすぎて夢中で食べちゃった!
とかは喋る。
食べた後にうるさいタイプなのだ。

 顔に出てなくても、食事を楽しんでるし、食べてて幸せになってるので、僕はこれからも無表情だけど楽しく食事をしていきたい。
ちなみに明日の朝ごはんは今日の残りの豚汁です。
七味入れて味変したいと思ってます。
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