【続編・BL】泣いている君が好き（瑞樹編）

須賀くん

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「…　何…？　俺には言えない関係…？」
須賀君が座ったまま、僕を見上げる。
その眼が真剣で…　少し怖い…　でも、言わなきゃだ…

僕は口を開く。
「や…そうじゃないけど…　じゃあ、ハッキリ…隠さず言うね…先輩は…あの…前に須賀君に話した…僕が前に付き合ってた人…です…」

「…　へー　そっか　…　ふーん　…　…」須賀君の反応がいまいちだ…

僕は続ける。
「あの…ごめんね、あの場ではその…説明しづらくって…その、隣に先輩の彼女…奥さんもいたし…」

須賀くんは顎に手を当てて、なにやら考えている様子だ。
「ああ…　あの、みずきって女…か…元カレ、あの人と結婚が決まったから、瑞樹と別れてくれってなったってことか…あれか…つまりは…まあ、瑞樹のライバル的な…？」

ライバル…　といえば、ライバルか…
でも、別れてくれって言われた時に、そもそも彼女と会ったこともなかったし、
みずきさんは女性で…男である俺には…勝てるわけなんて、ない…

「そ…、そうそう…それだよ…　あ…！もちろん、あの頃はねって話だよ…だってさっき初めてみずきさん…って偶然同じ名前でびっくりしたけど、みずきさんにも初めて会ったし…色々びっくりして、なんかおかしな雰囲気になっちゃったよね…先輩もすごくびっくりしてたしなんか…　ごめん」

「ふーん…ってか、なんで名前がおんなじなんだろうな…　意味深だな…」

「そ…れは…偶然、なんだと思うよ？少し驚いたけどね、はは…まあとにかく、康介先輩は結婚してるし、今の僕にとっては、全く関係ないっ…　もう、過去の人、だから…」

過去だ…
あれは、過去…　すごく辛かったあの日…映画館で泣きじゃくったあの日…
あの日はもちろん、絶望に似た気持ちを抱えていて…　辛くて辛くて、本当に消えたくなった…
でもまさにあの日、須賀くんに出会って…今、僕は救われている…