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堂々と
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俺と圭一はもともと窓際に向かい合わせに座っていた。
二人の座る席に俺が一瞬迷っていると、寺崎が俺の隣に座ろうと、椅子の背に手をかけた。
まあ、圭一と寺崎が横並びになると、かなり狭いに違いないから…そうなるな、と思っていると、
「あ、寺崎さん、こちらにどうぞ。彼女さん、荷物も沢山あるみたいだし、俺の隣だと狭いと思います。」
圭一がすかさず、声をかける。
「…わかった、まあ、そうだな。」
寺崎はそう言って、圭一の隣に座る。
いやいや…おまえたち…どうみても、狭くないか…正直そう思ったが、まあそれは言わないでおく。
きっと圭一は、俺と寺崎が隣り合うのが嫌だったに違いない。それと、初対面の田口が自分の横に座るのが…
圭一は仲良くなるととっつきやすいというのがわかるが、最初は結構、人見知りなやつだから、俺は圭一の気持ちが手に取るようにわかった。
席に着いてから、二人は俺らと同じようなランチを注文した。んで……
… … …
おいおい、田口…なんか喋れよ、
お前が相席を申し出たんじゃないか…責任持ってなんか喋れ…と、心の中でツッコミを入れようとしたら田口がやっと会話を開始した。
「あの…初めまして…私、田口美弥って言います。秋夜さんと、りょ…、佐々木先輩の1年後輩で、寺崎さんとお付き合いさせていただいてます。えっと…」
また…俺のことを名前で…言いかけやがった…ここまでくるとわざとか?もう、本当にいい加減にして欲しい。
田口がなんとか会話のとっかかりを作ってくれたけど圭一はいまだ無言なので、仕方なく俺が司会進行を買って出る。
「田口さん、こっちは、奥村圭一、いま、高3。バイト先が俺と寺崎と、一緒なんだ」
圭一がそこでやっと「初めまして。奥村です。」と言いながら、ペコっと頭を下げる。
よしよし、やっと…開通した。
「そうなんですか?すごく仲良いんですね。高校生と大学生で、土日に仲良くランチとか買い物なんて…いいな~私もそんな風なお友達、年齢が違ってもいたら、すごく楽しそう…」
田口が続ける。
「それで今日は、どちらに行かれたんですか?買い物ですか?それとも、この後ですか?」
ごく、普通の質問だった。
今まで、何してたかって…
だけど、馬鹿な俺は…
さっきのネットカフェでの圭一との行為を咄嗟に、思い出してしまった。
身体が…途端に熱くなる…
圭一からやわやわと触られた部分が熱を帯びそうになる…
ダメだ、俺こんな時に何、考えてるんだ…
寺崎もいるのに…落ち着け…俺…。
「あれ…佐々木先輩、大丈夫ですか?顔…赤くないですか…?熱でもあるんじゃ…」
田口が普通に心配してくる…さらに焦る俺…
ちょうどその時、まず二人分のランチが運ばれた。
「冷めないうちに先に、どうぞ。」
寺崎がそう言ってくれたので、俺はなんとか平常心を保ちながら「ありがと…じゃ、お先に」と、なんとかそれだけ言ったが、ものの数秒経たぬうちに田口たちのランチも運ばれ、皆で食事を囲むことになった。
さっきの話の続きはそのまま流してくれ…と俺が密かに思っていると、さすが田口、間違いなく俺にとってはK Yな彼女。「あ、さっき何、話してましたかね…そうそう、もう、どこかに行かれたんですか?」
…俺がちょうど口いっぱいにハンバーグを詰め込んでいたこともあって、しばし無言でいると、圭一が代わりに答える。
「ああ、ここに来る前は、ネットカフェのペアシートで由布院について、色々調べてました。今日の買い物も、そのためでして。」
サラリと圭一が… は…?
な…、なんでそれ、
今、堂々と…言うの?
寺崎の前で、田口の前で… ついでに言うと…シュウの…前で…
わざわざそんな…こと…言わなくても…
何、考えてるんだ…
そんなこと、言う必要…全然、ないのに…
俺は驚きのあまり、頬張っていたハンバーグを飲み込みそうになった…
二人の座る席に俺が一瞬迷っていると、寺崎が俺の隣に座ろうと、椅子の背に手をかけた。
まあ、圭一と寺崎が横並びになると、かなり狭いに違いないから…そうなるな、と思っていると、
「あ、寺崎さん、こちらにどうぞ。彼女さん、荷物も沢山あるみたいだし、俺の隣だと狭いと思います。」
圭一がすかさず、声をかける。
「…わかった、まあ、そうだな。」
寺崎はそう言って、圭一の隣に座る。
いやいや…おまえたち…どうみても、狭くないか…正直そう思ったが、まあそれは言わないでおく。
きっと圭一は、俺と寺崎が隣り合うのが嫌だったに違いない。それと、初対面の田口が自分の横に座るのが…
圭一は仲良くなるととっつきやすいというのがわかるが、最初は結構、人見知りなやつだから、俺は圭一の気持ちが手に取るようにわかった。
席に着いてから、二人は俺らと同じようなランチを注文した。んで……
… … …
おいおい、田口…なんか喋れよ、
お前が相席を申し出たんじゃないか…責任持ってなんか喋れ…と、心の中でツッコミを入れようとしたら田口がやっと会話を開始した。
「あの…初めまして…私、田口美弥って言います。秋夜さんと、りょ…、佐々木先輩の1年後輩で、寺崎さんとお付き合いさせていただいてます。えっと…」
また…俺のことを名前で…言いかけやがった…ここまでくるとわざとか?もう、本当にいい加減にして欲しい。
田口がなんとか会話のとっかかりを作ってくれたけど圭一はいまだ無言なので、仕方なく俺が司会進行を買って出る。
「田口さん、こっちは、奥村圭一、いま、高3。バイト先が俺と寺崎と、一緒なんだ」
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よしよし、やっと…開通した。
「そうなんですか?すごく仲良いんですね。高校生と大学生で、土日に仲良くランチとか買い物なんて…いいな~私もそんな風なお友達、年齢が違ってもいたら、すごく楽しそう…」
田口が続ける。
「それで今日は、どちらに行かれたんですか?買い物ですか?それとも、この後ですか?」
ごく、普通の質問だった。
今まで、何してたかって…
だけど、馬鹿な俺は…
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身体が…途端に熱くなる…
圭一からやわやわと触られた部分が熱を帯びそうになる…
ダメだ、俺こんな時に何、考えてるんだ…
寺崎もいるのに…落ち着け…俺…。
「あれ…佐々木先輩、大丈夫ですか?顔…赤くないですか…?熱でもあるんじゃ…」
田口が普通に心配してくる…さらに焦る俺…
ちょうどその時、まず二人分のランチが運ばれた。
「冷めないうちに先に、どうぞ。」
寺崎がそう言ってくれたので、俺はなんとか平常心を保ちながら「ありがと…じゃ、お先に」と、なんとかそれだけ言ったが、ものの数秒経たぬうちに田口たちのランチも運ばれ、皆で食事を囲むことになった。
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な…、なんでそれ、
今、堂々と…言うの?
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俺は驚きのあまり、頬張っていたハンバーグを飲み込みそうになった…
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