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機械

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圭一の手が、俺のそれに、触れる…。

その、冷た過ぎる手の感触に、ゾクリとする…。

「…んっ…」
圭一の大きな手で、突然根元をぎゅっとつかまれ、その圧迫感に…思わずくぐもった声を上げてしまう俺…。


それから圭一は無言で…そこをいじり始めた…。
その光景に、俺は拘束されたままの無様な格好で、たまらずに顔を背ける…。

いつもの優しい…圭一の優しさに満ちた、触り方と違って…

上下に激しく…そこを圧迫されながら手を荒々しく動かされ…
その、圭一に絶え間なく与えられる、あまりに強すぎる刺激に…どんどんと…息が上がってしまう俺…

「あっ…あ…っくぅ…   ん…っ…!は…あ…ぁ…」

完全に下を向いて項垂れていた俺のそれが…
圭一の巧みな手の動きによって、段々と…熱を持ち始める… 

なんだか、…恥ずかしくて死にそうだ…。

怒った圭一に…無言でこんなに激しく…触られて、なぶられているくせに…
その荒々しい行為に、どうしようもなく反応し始めている俺のそこ… 

シュウが何度か俺を襲った時に、
俺のことを淫乱だと…何度もあざけるように口走っていたが…

  本当にそう…なのかも、しれない…

自分が恥ずかしい…

圭一の織り成す刺激に、俺は歯を食いしばって、必死に耐える…。

いつの間にか圭一の手が…両手に増え…両方の手で、俺のそれに、違う刺激を加えられる…。

圭一の片手が、俺のをつかんで圧迫したままぬるぬると上下しつつ、
もう片方の手が先端部分を包み込み…、指でぐりぐりと窪みをさするように…時に、ひっかくように触れる…。

「ひぁっ…んっ…は、ああっ …ん…やっ…」
声が…止められない…。

圭一の顔を見る…
気を抜くと、涙が…出そうだ…。

全く表情を変えないまま…機械のように、手を…巧みに俺のそこで動かしている姿が…目に飛び込んでくる…。

こんなの…嫌だ… 

俺の心が、叫ぶように訴える…。

こんな風に圭一に、…触れられて…いじられて…身体だけで、快感を追う…だなんて… 嫌だ…


圭一が好きだ… 

本当に好きな奴に、こんな風に触れられて…でも、全然、俺を見てくれなくて…  

ああ… 寂しくて…    悲しい…


圭一に完全に、身を委ねると…全く抵抗しないと決めたにも関わらず…

段々と、そんな悲しくて暗い、負の感情が…
俺の中に、芽生え始めていた…。



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