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~智花〜
無防備
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「いやいや、マジで…なんか可哀想で…逆に、ほっとけないっていうか…」
可哀想と言われて、惨めな気持ちに見舞われる…。
「もう…いいからほうっておいて…可哀想って、何よ…変な同情しないで」
「…ヨシヨシ…泣かない泣かない…とりあえずまだ5時ですし…もう一眠り、しましょっか…」
彼が、私の頭を…まるで、子供をあやすかのように、優しく撫で始める…
「もう…ヨシヨシって、何よ…」なぜだか、その手が心地よい…。
「ふわわぁ…やっぱねみぃ…智花さんの身体があまりにエロ過ぎて…体力消耗…とりあえず、お休み…。」
あくびをしながら笑う彼に、何故だかホッとする。
力強い腕が、突然…私をシーツごと抱きしめてくる…。
「…智花さんは、もう少し… 無防備に…」眠気からなのか…彼の声は段々と、小さくなっていく…。
「え… 何…?」思わず、聞き返してしまう…。
「…もう少し…本音で…もう少し自分を…性格を…自分の本心を正直にさらけ出せる相手を、見つけた方がいいですよ…マジで…」
「…え…」
「…いや、本当に…カッコイイ女ばっか演じすぎると…疲れちゃいますよ…少しは、甘えたらいい…たまには言いたいこと言って、喧嘩だってすればいい…せっかく、そんな綺麗なんだし…十分、可愛い… 」
「 … そ… 、そんなこと… 」言われ慣れていない言葉を聞いて、声が震える…。
「 すー すー すー 」
私の頭を、これ以上ないほどに優しく撫でた後…静かに手の動きが止まり、彼が寝息を立て始めた…。
彼の言う、自分の本心を正直にさらけ出せる相手…
そういう意味では、確かに…修哉さんは違ったのかもしれない…。
私は彼の前で、作っていた…
素敵過ぎる彼の前だからこそ…嫉妬で、取り乱す姿なんて見せたくない…。
そうやってこれまでずっと…林智花という、しっかりしたタイプの女を演じていたのかもしれない。
でも…これから…この先…
素のままの自分で、感情をぶつけられる人に出会うことができるのだろうか…。
でも… いつか、そんな相手と…
もし、出会うことが出来たら…
スヤスヤと眠る、三橋君の顔を見る…。
無防備な顔…
昨夜の…私を押し倒したときの、雄の顔とは全然違う。
もし、…そんな人に、
既に…出会っていたとしたら…
いつか、この想いを…素直に、口にできるだろうか…
素直になりたい…。
「おやすみ、三橋くん…」
気付かせてくれて、ありがとう…
私は隣で眠る三橋君の頬に静かにキスをして、静かに、彼の腕の中に潜り込んだ。
~fin ~
~ご挨拶~
智花(その後)を読んでいただき、ありがとうございます。拓海編については準備中となります。
また、只今、以下の小説につき、ミステリー大賞にエントリーしています。
完結作品も多数ございますので、よろしければご覧ください。投票いただけると嬉しいです。
【鉄道の恐怖】長編、完結済(作者初のミステリー小説)
【もう、少しだけ…】→短編、完結済
【人妻の危険な誘い】→短編、完結済
【指切りげんまん】→短編、完結済
【その言葉、今すぐ取り消してください】→一話完結
【質問の答え】→鋭意執筆中
【ある女の苦悩】→執筆中
【一部、いただいちゃいます】→執筆中
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「…え…」
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でも…これから…この先…
素のままの自分で、感情をぶつけられる人に出会うことができるのだろうか…。
でも… いつか、そんな相手と…
もし、出会うことが出来たら…
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昨夜の…私を押し倒したときの、雄の顔とは全然違う。
もし、…そんな人に、
既に…出会っていたとしたら…
いつか、この想いを…素直に、口にできるだろうか…
素直になりたい…。
「おやすみ、三橋くん…」
気付かせてくれて、ありがとう…
私は隣で眠る三橋君の頬に静かにキスをして、静かに、彼の腕の中に潜り込んだ。
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