【完結(番外編)】ほかに相手がいるのに

もえこ

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~二人~

動揺

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「あっ … のっ… 杉崎っ …さ、 ぁ んっ… は、ぁっ …」

杉崎さんは私の方に体重がかからないにように、跨ったまま…

ちゅっ… ちゅっ… と、
私の肌に指や唇で優しく触れながら、少しずつ頭の位置を下げていく…。 

「あっ … ん、やっ …だ…」

杉崎さんの大きな右手だけがいまだに…私の小さな胸のまるみに触れていて、優しく揉むように…指が動くたびに、そのどうしようもない気持ち良さに…びくんと、身体を震わせてしまう…。

「だ…っ… めっ …やめ… ぁん」

「… 何… 駄目… ? なんで…?」

遂に、私のおへそ辺りにまで下がった杉崎さんが、
こちらを悪戯っ子のような表情で見上げるその視線から、たまらず目を逸らす。

「は、あっ… あ… や、ぁ っ … ああっ!… ぁ…いやぁ… 」

彼の綺麗な舌が、私のおへその周りを舐めた瞬間、ビクンと震えが走った…。

「 …ああ… そんな…顔で…、駄目って言われると… … 」

「えっ… あ… っ… … 」

「ああ … 駄目、だ… 今日は…もう… は、ぁ… っ」

杉崎さんの小さなつぶやきと…深いため息が、耳に届いた瞬間… 

「俺… ちょっと今日は… 」

杉崎さんの言葉の続きを待たず…
ギシリと、音を立てるベッド…。

彼の体重を受けて、ゆっくりとベッドが沈むのを肌で感じた。

「… 杉…崎 さ、ん…?」

杉崎さんが私の横に、ゆっくりと仰向けになりながら、ごろんと横たわる…。

どうして…  

なんで…   なんで… … ?

「… あ… の… 」
困惑した声が、そのまま唇から、這い出て、しまった…。

「… ごめん… ちょっと… 今日は… ここまで、…  」

「… えっ …… 」 ここ、まで… ?

そんな…  まさか…

このまま、… 終わるということ…?

最後まで… 

杉崎さんはもう、今日は最後まで、しないと…

「ここまで」という発言が…そういうことを示唆しているのだと頭の隅では思ったが、
どうしても、腑に落ちない…なんで、突然そんな…

もしかして…私が何か… 駄目なことを… 

気付かぬうちに… 
何か、杉崎さんの気持ちを…性欲を…削いでしまうような…
失言でもしてしまったのだろうか…

「… ごめん… 」

「… … … …」

はしたないことだとは、わかっていても…
この瞬間、すぐに、いいですよ…とは、どうしても、口に出せないまま、沈黙してしまう…。 

欲しいのに…  
私は、杉崎さんが欲しい…。

杉崎さんに、今すぐに抱かれたくて仕方がないのに…

わからない…

何が原因なのか、わからない…

どうして… 

胸の奥… 
奥の方が、きゅうと、痛みを訴えるかのように…小さく縮こまってしまったような感覚を覚える…。 

杉崎さんの愛撫を受けるたびに、
反射的に嫌だと…
駄目だと…やめてと…恥ずかしさのあまり、何度も口にしてしまったせいだろうか…

…馬鹿な私… 

きっと、しらけさせたんだ… 
興ざめさせてしまったのかも、しれない…。

それとももしかしたら、優しい杉崎さんのことだから…
私の言葉を真っ直ぐに受け止めて…私が本当は嫌なのかもしれないと…
だからこそ、こんな状況でも、やめようなんて言ってくれているのかもしれない…

でも、もしかしたら…本当にそもそも、私と、したく…なくなったのかも、しれない…

嫌だなんて、言うんじゃなかった… 
やめてなんて、嘘だ… 
本当は…して欲しくて、たまらないのに… 杉崎さんが欲しくて、たまらないのに… 

馬鹿だ…  

私は、自身の小さな胸を隠すような体勢のまま、無言で、静かに天井を見上げた…。



   

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