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~二人~
鏡の中
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「んっ … 」
ゆっくりと目を開ける…
白くて、高い天井… 見慣れない照明…
いい匂い…
あ… 淹れたての珈琲の香り…
カチャカチャと、食器の音がする…。
「あ… … 」
不意に、我に返る。
ここは…杉崎さんの家…。
昨夜…仕事帰りに食事をして…ここに…杉崎さんの部屋にお邪魔した…。
部屋に入った途端に、杉崎さんに抱きかかえられて…ベッドに下ろされ…
明るい…照明の下で…
私は… 杉崎さんと…
「… … … 」 恥ずかしい…
照明… 結局消すタイミングがなくて… 消してはもらえなくて…
私はそのままの状態で…杉崎さんに抱かれた…
きっと、全てを…
身体の細部まで、全てを見られたに違いない…。
シャワーすら浴びていない状態で…
私はまだ横になったまま、ゆっくりと音のする方に視線を向ける…。
「あ… 起きた…? いや… 起こしちゃったかな…?」
キッチンの前で、小さなフライパンを手にした杉崎さんがこちらを振り返る。
「あ… いえ… おはようございます…すみません、…」
「おはよ…いやいや、なんで、いきなりすみません…?」
クスリと笑ってこちらをもう一度見る彼の瞳に、ドキリと心臓がなる…。
「あ… その…寝すぎて、しまったみたいで… 」
壁に掛かった時計は既に9時を過ぎていた。
土日の朝も大抵8時前に起きている私にとっては、驚きの起床時間…。
「いや…まだ、全然寝てていいよ?今日は土曜で特に予定もないし、ゆっくりしてくれていいから…」
優しい瞳…
綺麗な弧を描いた唇が、私に対して優しい言葉を紡ぎ出す…。
「… いえ…あの… 着替えて、きます… 洗面所、かりますね…」
のそりと起き上がり…近くに畳んで置かれている自分の衣類を抱え込む。
考えてみれば、ノーメイク…。
昨夜…杉崎さんに、いつになく激しく…何度も、抱かれた後…
なんとか疲れた体に鞭打って、シャワーを浴びてそのまま…ベッドに倒れ込むようにしながら、眠った…。
早く、きちんと…身なりをきちんとしなきゃ…
そんな気持ちになった…。
「 うん…どうぞ。 でも、残念だな… せっかく寝グセが…可愛いのに… 俺の服も…似合ってて…」
「えっ … 」私はあたふたと、両手で髪を触り、撫でつける…。
「うそうそ… 本当に水無月さんって…素直だな… 大丈夫… 寝グセなんてないから… 」
「は…、 はい… 」
バタンと内側からドアを閉め、もそもそと着替えを始める…。
杉崎さんに借りた、大きめの上下のスウェット…
完全にサイズが大き過ぎて…笑いが出るほど…
子供が大人の服をだぼだぼな状態で着ているような状態…。
それでも、その衣類からは…
いつもの杉崎さんの石鹸の香りがした…なんだか、ずっと着ていたくなる…。
「… おおきい… 」
ぼそりと呟きながら、まず先に…下を脱いだ瞬間だった。
不意打ちのようにギッと、ドアが開く。
「水無月さん… 洗顔料っ… あ… 」鏡の中で…驚いて目を見開いた杉崎さんと目が合う…。
「… … や、… 」
…下は脱いでしまっていた… 冗談ではなく…本当に、パンツ、丸見え状態だ…
かろうじて上着が大きいため、下半分というところ…それでも、見えてしまったのは明らかだ…。
私は、口をパクパクさせながら慌てて両手で上着を引き下げるようにして、下着を隠す。
「まだ、着替え中でっ… あのっ… 」
「… ごめん… ノックもせずに… 」
いつもであれば… ごめん、すぐ出るね…!
…それが、正しい…杉崎さんのこれまでの正しい返事だった…。
それなのに…
「… でも… ごめん…、可愛い…やっぱりその…リボン…」
「えっ… あっ… ん、っ… 」
いきなり腕を引かれてバランスを崩した瞬間、杉崎さんの身体に包み込まれ、ぎゅうと抱き締められる…
同時に、唇を塞がれる… 有無を言わさず、舌を挿入され… 息苦しい…
「ん、っ … ぅ」
くちゅと… 互いの…唾液がいやらしく交じり合う音が耳に届いた瞬間…
「んっ …!? … んっ… 」
唇を塞がれたままの状態で、杉崎さんの片手がゆっくり私のお尻に伸びてきて…
下着の上から丸みをそっと撫で挙げられ、身体が竦む…。
さわさわと…
お尻の丸みを…
まるでお尻の形を確認するかのように大きな手で撫であげられ、私は杉崎さんにしがみつくような格好になる…
「あ… や、だ… くすぐった… 」
こんな風に、お尻を撫でるなんて…およそ…杉崎さんがしない仕草…
こんなことをされるとは思ってもみなかった私は、言葉を無くす…。
私は気付く…
私を抱き締める杉崎さんの下半身が…徐々に…堅く…なってきているような、気がする…。
まさか… …
「… っ…ヤバいな、俺… …いきなり入って本当にごめん、…出るね…ごめん、ゆっくり、着替えて… 」
「… えっ… 」杉崎さんがゆっくりと私から身体を離して、即座に私に背中を向ける。
バタンと、再びドアの閉まる音…
私は下半身のみ下着という恥ずかしい格好のまま…鏡の中の自身の顔を見つめる…。
「あ… 寝グセ… 」
思わず 一言、呟いた…。
ゆっくりと目を開ける…
白くて、高い天井… 見慣れない照明…
いい匂い…
あ… 淹れたての珈琲の香り…
カチャカチャと、食器の音がする…。
「あ… … 」
不意に、我に返る。
ここは…杉崎さんの家…。
昨夜…仕事帰りに食事をして…ここに…杉崎さんの部屋にお邪魔した…。
部屋に入った途端に、杉崎さんに抱きかかえられて…ベッドに下ろされ…
明るい…照明の下で…
私は… 杉崎さんと…
「… … … 」 恥ずかしい…
照明… 結局消すタイミングがなくて… 消してはもらえなくて…
私はそのままの状態で…杉崎さんに抱かれた…
きっと、全てを…
身体の細部まで、全てを見られたに違いない…。
シャワーすら浴びていない状態で…
私はまだ横になったまま、ゆっくりと音のする方に視線を向ける…。
「あ… 起きた…? いや… 起こしちゃったかな…?」
キッチンの前で、小さなフライパンを手にした杉崎さんがこちらを振り返る。
「あ… いえ… おはようございます…すみません、…」
「おはよ…いやいや、なんで、いきなりすみません…?」
クスリと笑ってこちらをもう一度見る彼の瞳に、ドキリと心臓がなる…。
「あ… その…寝すぎて、しまったみたいで… 」
壁に掛かった時計は既に9時を過ぎていた。
土日の朝も大抵8時前に起きている私にとっては、驚きの起床時間…。
「いや…まだ、全然寝てていいよ?今日は土曜で特に予定もないし、ゆっくりしてくれていいから…」
優しい瞳…
綺麗な弧を描いた唇が、私に対して優しい言葉を紡ぎ出す…。
「… いえ…あの… 着替えて、きます… 洗面所、かりますね…」
のそりと起き上がり…近くに畳んで置かれている自分の衣類を抱え込む。
考えてみれば、ノーメイク…。
昨夜…杉崎さんに、いつになく激しく…何度も、抱かれた後…
なんとか疲れた体に鞭打って、シャワーを浴びてそのまま…ベッドに倒れ込むようにしながら、眠った…。
早く、きちんと…身なりをきちんとしなきゃ…
そんな気持ちになった…。
「 うん…どうぞ。 でも、残念だな… せっかく寝グセが…可愛いのに… 俺の服も…似合ってて…」
「えっ … 」私はあたふたと、両手で髪を触り、撫でつける…。
「うそうそ… 本当に水無月さんって…素直だな… 大丈夫… 寝グセなんてないから… 」
「は…、 はい… 」
バタンと内側からドアを閉め、もそもそと着替えを始める…。
杉崎さんに借りた、大きめの上下のスウェット…
完全にサイズが大き過ぎて…笑いが出るほど…
子供が大人の服をだぼだぼな状態で着ているような状態…。
それでも、その衣類からは…
いつもの杉崎さんの石鹸の香りがした…なんだか、ずっと着ていたくなる…。
「… おおきい… 」
ぼそりと呟きながら、まず先に…下を脱いだ瞬間だった。
不意打ちのようにギッと、ドアが開く。
「水無月さん… 洗顔料っ… あ… 」鏡の中で…驚いて目を見開いた杉崎さんと目が合う…。
「… … や、… 」
…下は脱いでしまっていた… 冗談ではなく…本当に、パンツ、丸見え状態だ…
かろうじて上着が大きいため、下半分というところ…それでも、見えてしまったのは明らかだ…。
私は、口をパクパクさせながら慌てて両手で上着を引き下げるようにして、下着を隠す。
「まだ、着替え中でっ… あのっ… 」
「… ごめん… ノックもせずに… 」
いつもであれば… ごめん、すぐ出るね…!
…それが、正しい…杉崎さんのこれまでの正しい返事だった…。
それなのに…
「… でも… ごめん…、可愛い…やっぱりその…リボン…」
「えっ… あっ… ん、っ… 」
いきなり腕を引かれてバランスを崩した瞬間、杉崎さんの身体に包み込まれ、ぎゅうと抱き締められる…
同時に、唇を塞がれる… 有無を言わさず、舌を挿入され… 息苦しい…
「ん、っ … ぅ」
くちゅと… 互いの…唾液がいやらしく交じり合う音が耳に届いた瞬間…
「んっ …!? … んっ… 」
唇を塞がれたままの状態で、杉崎さんの片手がゆっくり私のお尻に伸びてきて…
下着の上から丸みをそっと撫で挙げられ、身体が竦む…。
さわさわと…
お尻の丸みを…
まるでお尻の形を確認するかのように大きな手で撫であげられ、私は杉崎さんにしがみつくような格好になる…
「あ… や、だ… くすぐった… 」
こんな風に、お尻を撫でるなんて…およそ…杉崎さんがしない仕草…
こんなことをされるとは思ってもみなかった私は、言葉を無くす…。
私は気付く…
私を抱き締める杉崎さんの下半身が…徐々に…堅く…なってきているような、気がする…。
まさか… …
「… っ…ヤバいな、俺… …いきなり入って本当にごめん、…出るね…ごめん、ゆっくり、着替えて… 」
「… えっ… 」杉崎さんがゆっくりと私から身体を離して、即座に私に背中を向ける。
バタンと、再びドアの閉まる音…
私は下半身のみ下着という恥ずかしい格好のまま…鏡の中の自身の顔を見つめる…。
「あ… 寝グセ… 」
思わず 一言、呟いた…。
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