【完結 R18】ほかに相手がいるのに

もえこ

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〜お互いの日常〜

二次会

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店を出て少しして、杉崎さんが腕時計を見た後に口を開く。

「今、8時なんだけど…この後、水無月さんすぐ帰る…?もし良かったらだけど…この後少しだけ二次会とか、どうかな?」その後すぐにこう、付け加える。「あっ!疲れてるならいいんだ…!また、誘うから…」

私は嬉しかった…。実は私自身、このまますぐに解散するのは少し寂しいなと感じていたところだ。

「いえ!全然、元気です。是非、行きましょう~どこにします?カフェ?バー?…どこか行かれたいところ、あります?」

聞くと、杉崎さんは控えめに私に提案する。

「あのさ…カラオケ…とか、駄目かな…?最近ずっと、行けてなくて…ちょっと…行きたいかなって…あ、でも君が良ければだから…こんなオッサンと二人でカラオケとか行っても年代合わないし、微妙なら…そうだ、喫茶店か、バー…あたりでも行こうか…?」

カラオケに…杉崎さんと二人…私は少し考える…。

私自身カラオケは好きだ…歌うのは楽しいし、歌うことにはまあまあ自信がある…だけど…だけど…
カラオケに拓海以外の男性と二人きりで行くこと…。
実はこれも私にとって、初めてのことだった…

密室で、暗めの店内…極度に緊張しはしないか…歌を上手く歌えるのか…妙に静かになったりはしないか…

私が少し無言になったせいで杉崎さんが慌て始めた。

「あっ…!うん、やっぱりやめよっか!ごめん、最近声出せてなくて久々行きたいな~って思ってつい…。
ちょっとさすがに二人で行くのはダメだよね、うん。じゃあさ、近所のカフェにしよう。前に水無月さんが行ってみたいって言ってたブルーの屋根の…あの店!ね?」杉崎さんの軌道修正案を聞きながら、気付けば私は返事をしていた。

「行きましょう、カラオケ!私も随分行ってなくて…なんだか行きたくなっちゃいました。カラオケなら歌いながらお酒や珈琲も飲めるし、デザートだって。」

杉崎さんの顔が、みるみる笑顔に変わる。綺麗な顔で…一瞬、見惚れる。

「それなら…良かった!じゃあ、行こうか?いや~…楽しみだな…ごめんね、オッサン世代の曲、歌いまくるかもしんないけど…笑って聞き流して…!」

私達は笑いながら、駅近くのカラオケ店へ向かった。

そしてこの日を境に…私の中でどんどん、杉崎さんの存在が、大きくなっていくことになる…。




























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