【完結 R18】ほかに相手がいるのに

～彼氏～

疑惑

翌日、朝食に作り置きのカレーを食べ、昼に空港近くでランチをし、私は拓海と別れた。

「葉月、またな…？今度は九州に来いよな…俺、観光案内できるように勉強しとくからさ…」

そう言って、拓海は爽やかな表情で手を振りながら、空港ゲートへ消えていった。

拓海と会えて…楽しかったのは事実だ。

久しぶりに食事をし、仕事の話をし…ゆっくりと…本当にたっぷりと身体を重ねて…愛された。


でも…なにかがおかしい…

拓海の態度は変わらない…私のことを好きだと…何度も私の頬を撫で…キスをして…私を抱いた。

同じ日に、二度も…激しく…私の…奥、深くを…何度も…何度も…、貫いた拓海…
激しく…今までにないほどに狂おしく…

今まで以上に…あの部分に優しく触れて…今まで以上に…愛撫もしつこくて…


でも、やっぱり…何かが違った…

…それとも、単なる私の思い過ごしで…勘違い…なのか…


土曜のホテルでのその行為に…挿入前の前戯に…少しの違和感を感じた。

拓海の抱き方が…セックスの仕方が…　なんとなく、変わった…ううん、本当はなんとなくじゃない…　
正直に本音を言うと…セックスがうまくなった…　

今までの拓海の…ある意味、自分本位のセックスではなく…私のことをできるだけ感じさせようと…

まるで、私に甘い嬌声をあげさせるのを目的とするかのように…私を激しくせめたてた。

そして…昨夜の拓海の『私が一番…』という発言。


拓海はもしかしたら、九州で…誰かと…そんな行為を…？…


あの拓海に限ってまさか…という気持ちと…、

もしかしたら、そう…なのかもしれない…と拓海を疑う、両方の気持ちが私の中にあふれ出す。


ああ…もういい、もう考えない…


明日からはまた仕事なのだ…気持ちを一旦リセットして…明日からまた、頑張ろう…

私はそう決めて、まだ拓海の…男の残り香がする、部屋の片づけを始めた。