85 / 538
〜二人きり〜
部屋へ
しおりを挟む
「ふう…」
外の露天風呂でゆっくりと熱い湯に浸かる。
天気も良く景色も絶景… 少し肌寒いが最高に気持ちがいい…
やはり思い切って温泉に入って良かったと思う。
きっと職場の旅行会では、こんなにリラックスした気分でお湯になんてつかれない。
このあと部屋で、豪華な食事…しかも杉崎さんと…二人きりで個室…
なんだかまるで普通のデートのようだ。
さっき、お湯を手にこぼして強引に洗面台に連れて行かれた時…ドキリと心臓が跳ねた。
頭一つ以上高い位置から私を心配そうに見降ろしながら、手を冷やしてくれた…。
冷やしてくれているのに反して、つかまれた手首が熱を伴っていく気がした。
「はあ…もう、私一体、何、考えてんだろう…」
昨日の夜に拓海と電話で話したが、今日の予定をなぜかスムーズに伝えることが出来ない自分がいた。
拓海に聞かれたら答えるつもりではいたが、土日の予定を細かには聞かれなかったので、なんとなくそのまま…
単なる職場の旅行会の下見に、職場の先輩と行く…
ただそれだけなのに、やはり杉崎さんと車で二人きりで行くことに、少しやましい気持ちがあったのかもしれない…
ふと気付く…
少しゆっくり入り過ぎた…もうそろそろ、上がって身支度をして部屋に戻ろう。
まだ時間に余裕はあるけど、少し早めに戻っておきたい…できれば杉崎さんより前に…
そう思って露天風呂から上がり、火照った身体を手早く拭き上げ、持参した浴衣に着替える…。湯気で少し取れかけたメイクを鏡で直し、髪を整え部屋へ戻る。
杉崎さんは戻っているだろうか…バタバタして後から戻るより、私が出迎えたい…。
カギを開けて部屋に入りホッとする。
杉崎さんはまだ、戻っていなかった…
おそらくあの様子だと、全種類の温泉に浸かっているのではないか…温泉は網羅するタイプなのかもしれない…
時間もまだ、30分程はあった。
座ってテレビをつけ、お昼のワイドショーを見ていて、ハッとする…。
この…浴衣姿は…浴衣姿のままでの食事は…恥ずかしい…ふとそんな気がしてくる…
恋人同士でもない私と杉崎さんが、旅館でお風呂上りに浴衣をきて食事を囲むなんて…駄目だ…
しかも、食事中に浴衣が万一はだけでもしたら、本当にだらしないし恥ずかしい…。
私は慌てて、洋服をもって洗面所に駆け込む。
せめて着替えよう…
女同士の気楽な旅ではないのだ… 相手は男性…しかも杉崎さん…
私は手早く、帯をほどき、浴衣に手をかける。
その時私は全く…気付いていなかった…
慌て過ぎて、部屋のドアの開く音やふすまが…開く音に…
驚いたように声をあげる杉崎さんの声だけが、突然、背後から聞こえた…
外の露天風呂でゆっくりと熱い湯に浸かる。
天気も良く景色も絶景… 少し肌寒いが最高に気持ちがいい…
やはり思い切って温泉に入って良かったと思う。
きっと職場の旅行会では、こんなにリラックスした気分でお湯になんてつかれない。
このあと部屋で、豪華な食事…しかも杉崎さんと…二人きりで個室…
なんだかまるで普通のデートのようだ。
さっき、お湯を手にこぼして強引に洗面台に連れて行かれた時…ドキリと心臓が跳ねた。
頭一つ以上高い位置から私を心配そうに見降ろしながら、手を冷やしてくれた…。
冷やしてくれているのに反して、つかまれた手首が熱を伴っていく気がした。
「はあ…もう、私一体、何、考えてんだろう…」
昨日の夜に拓海と電話で話したが、今日の予定をなぜかスムーズに伝えることが出来ない自分がいた。
拓海に聞かれたら答えるつもりではいたが、土日の予定を細かには聞かれなかったので、なんとなくそのまま…
単なる職場の旅行会の下見に、職場の先輩と行く…
ただそれだけなのに、やはり杉崎さんと車で二人きりで行くことに、少しやましい気持ちがあったのかもしれない…
ふと気付く…
少しゆっくり入り過ぎた…もうそろそろ、上がって身支度をして部屋に戻ろう。
まだ時間に余裕はあるけど、少し早めに戻っておきたい…できれば杉崎さんより前に…
そう思って露天風呂から上がり、火照った身体を手早く拭き上げ、持参した浴衣に着替える…。湯気で少し取れかけたメイクを鏡で直し、髪を整え部屋へ戻る。
杉崎さんは戻っているだろうか…バタバタして後から戻るより、私が出迎えたい…。
カギを開けて部屋に入りホッとする。
杉崎さんはまだ、戻っていなかった…
おそらくあの様子だと、全種類の温泉に浸かっているのではないか…温泉は網羅するタイプなのかもしれない…
時間もまだ、30分程はあった。
座ってテレビをつけ、お昼のワイドショーを見ていて、ハッとする…。
この…浴衣姿は…浴衣姿のままでの食事は…恥ずかしい…ふとそんな気がしてくる…
恋人同士でもない私と杉崎さんが、旅館でお風呂上りに浴衣をきて食事を囲むなんて…駄目だ…
しかも、食事中に浴衣が万一はだけでもしたら、本当にだらしないし恥ずかしい…。
私は慌てて、洋服をもって洗面所に駆け込む。
せめて着替えよう…
女同士の気楽な旅ではないのだ… 相手は男性…しかも杉崎さん…
私は手早く、帯をほどき、浴衣に手をかける。
その時私は全く…気付いていなかった…
慌て過ぎて、部屋のドアの開く音やふすまが…開く音に…
驚いたように声をあげる杉崎さんの声だけが、突然、背後から聞こえた…
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
212
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる