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〜二人きり〜
温泉
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「もう、赤みは引いたかな?お茶は俺が淹れるよ、慌てさせてごめんね。」
杉崎さんがそう言って、あらためて急須にお湯を注ぐ。
「すみません…」小さな声で返事をする。お茶もまともに淹れられない自分が嫌になる。
「はい、どうぞ、まだ熱いから気を付けて…」杉崎さんがお茶を出してくれ、さきほどの話の続きを始める。
「そう、さっき言いかけたけど、お風呂…温泉はどうする?
俺…実は温泉、かなり好きな方なんで、今から行こうかなって思うんだけど…いいかな?もし、水無月さんが行かないようなら、部屋にも露天がついているみたいだから入ってもらってもいいし、もしくはゆっくりテレビでも観て寛いでもらって、食事の時間にここに集合、そんな感じで、どうかな?」
私も温泉は好きな方だ…だけど、温泉上がりにここで杉崎さんと旅館の食事を囲む…
考えすぎかもしれないが、なんだか…気恥ずかしい気がした。メイクだって崩れるかもしれない…
とはいえ、何も杉崎さんは、一緒に温泉に浸かろうなどと提案しているわけでは決してないのだから…
私はすぐに返事をする。
「はい…いいですね!温泉。では、そうしましょう。鍵は二つあるから、杉崎さん、良い時に行ってきてくださって良いですよ。私もお茶を飲んでから、露天に行くか行かないか決めようと思います…」
「じゃあ、俺早速…」
杉崎さんはお茶を一気に飲み干し、ゴソゴソと準備を始める。素早い動きでタオルと浴衣のセットを手にして、こちらを向き直り「じゃ!行ってくるね水無月さん。またあとで…!」
そう言って楽しそうに、杉崎さんは部屋を後にした。
よほど、好きらしい…。
私は迷った。
食事まであと一時間少しある。杉崎さんを待ちながら部屋でのんびりテレビ…という手もある。
いずれ社員旅行でここを訪れる予定のため、ここの温泉に必ず入っておきたいというほどの気持ちもない…
ただ、理由はどうあれ、こうやって杉崎さんと二人で、温泉にくる機会なんてもう二度とないだろう…
せっかくだし、温泉につかってから、部屋でまったりと杉崎さんと会話を楽しみながら食事をいただこうか…
そもそも社員旅行で来た際には、幹事だからゆっくりすることもできないかもしれないし…
不意に、そんなような気持ちになった。
よし、やっぱり今すぐ行こう…
いくつか種類があるみたいだけど一つに絞って…今からならまだまだ、ゆっくり浸かることができる…
私は残りのお茶をすすって立ち上がり、タオルと浴衣のセットを手に、露天風呂へ急いだ。
杉崎さんがそう言って、あらためて急須にお湯を注ぐ。
「すみません…」小さな声で返事をする。お茶もまともに淹れられない自分が嫌になる。
「はい、どうぞ、まだ熱いから気を付けて…」杉崎さんがお茶を出してくれ、さきほどの話の続きを始める。
「そう、さっき言いかけたけど、お風呂…温泉はどうする?
俺…実は温泉、かなり好きな方なんで、今から行こうかなって思うんだけど…いいかな?もし、水無月さんが行かないようなら、部屋にも露天がついているみたいだから入ってもらってもいいし、もしくはゆっくりテレビでも観て寛いでもらって、食事の時間にここに集合、そんな感じで、どうかな?」
私も温泉は好きな方だ…だけど、温泉上がりにここで杉崎さんと旅館の食事を囲む…
考えすぎかもしれないが、なんだか…気恥ずかしい気がした。メイクだって崩れるかもしれない…
とはいえ、何も杉崎さんは、一緒に温泉に浸かろうなどと提案しているわけでは決してないのだから…
私はすぐに返事をする。
「はい…いいですね!温泉。では、そうしましょう。鍵は二つあるから、杉崎さん、良い時に行ってきてくださって良いですよ。私もお茶を飲んでから、露天に行くか行かないか決めようと思います…」
「じゃあ、俺早速…」
杉崎さんはお茶を一気に飲み干し、ゴソゴソと準備を始める。素早い動きでタオルと浴衣のセットを手にして、こちらを向き直り「じゃ!行ってくるね水無月さん。またあとで…!」
そう言って楽しそうに、杉崎さんは部屋を後にした。
よほど、好きらしい…。
私は迷った。
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ただ、理由はどうあれ、こうやって杉崎さんと二人で、温泉にくる機会なんてもう二度とないだろう…
せっかくだし、温泉につかってから、部屋でまったりと杉崎さんと会話を楽しみながら食事をいただこうか…
そもそも社員旅行で来た際には、幹事だからゆっくりすることもできないかもしれないし…
不意に、そんなような気持ちになった。
よし、やっぱり今すぐ行こう…
いくつか種類があるみたいだけど一つに絞って…今からならまだまだ、ゆっくり浸かることができる…
私は残りのお茶をすすって立ち上がり、タオルと浴衣のセットを手に、露天風呂へ急いだ。
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