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〜互いの意識〜
約束
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それからひと月ほど過ぎ、ついに社員旅行まで2週間に迫った頃、私は杉崎さんに、打ち合わせを兼ねての夕飯に誘われた。
四人での会食以降、なぜか私と杉崎さんの間には、互いの恋人に対する遠慮からかなんとなく目に見えない距離のようなものが生まれ、私からも杉崎さんからも相手を食事に誘うことが一切なくなってしまっていたのだ。
私はこのひと月、
少し寂しい気持ちを抱えながらも、私の方から彼を食事に誘うことはもちろん出来ずに、ただただ毎日を過ごしていた…
そんな時に、仕事の打ち合わせとはいえ杉崎さんの方から思いもかけず食事の誘いがあり、断る理由はひとつもなかった。
「はい、喜んで。日程、いつにしましょうか。」
私はすぐに返事をし、今日が約束の日の金曜日。
今日はなぜだか、普段は苦手とする分野の仕事もそんなに嫌だとは感じず、私は少しはやる気持ちを抑えながら、杉崎さんとの約束の時間を迎えた。
場所は職場から出て歩いて15分ほどでつくイタリアンの店。家の近くの大衆居酒屋とは雰囲気が違う、外観からしてとてもお洒落な店。
私と拓海が気軽に行けるようなお店ではないことだけは確かだ…。杉崎さん…ここって見るからに高そうなお店なんですが、大丈夫でしょうか…。
私は少しびくつきながらも、店内に足を踏み入れる。
「杉崎、…で7時に予約しているかと…」
「いらっしゃいませ。はい、杉崎様ですね、もうお席にお通ししています…こちらへどうぞ…。」
上品な雰囲気の係の女性に案内され、半個室のような場所へ。薄暗い雰囲気の中に、所々にある控えめなライトがきらきらと光って、とても落ち着けそうな場所。私好みだ…。
もともと明る過ぎる店は落ち着かない…
自分に自信がない女の特性なのかもしれないが、明るい場所では、自分の肌や見た目…全てが明々と曝け出されている気がして、いや…なのだ。
「あ、水無月さん、すぐにお店わかった?ごめんね、少し歩かせて。ま、座って…」
杉崎さんと目が合う。
長過ぎる足を斜めに組んで、ゆったりと椅子に腰掛けている。
四人での会食以降、なぜか私と杉崎さんの間には、互いの恋人に対する遠慮からかなんとなく目に見えない距離のようなものが生まれ、私からも杉崎さんからも相手を食事に誘うことが一切なくなってしまっていたのだ。
私はこのひと月、
少し寂しい気持ちを抱えながらも、私の方から彼を食事に誘うことはもちろん出来ずに、ただただ毎日を過ごしていた…
そんな時に、仕事の打ち合わせとはいえ杉崎さんの方から思いもかけず食事の誘いがあり、断る理由はひとつもなかった。
「はい、喜んで。日程、いつにしましょうか。」
私はすぐに返事をし、今日が約束の日の金曜日。
今日はなぜだか、普段は苦手とする分野の仕事もそんなに嫌だとは感じず、私は少しはやる気持ちを抑えながら、杉崎さんとの約束の時間を迎えた。
場所は職場から出て歩いて15分ほどでつくイタリアンの店。家の近くの大衆居酒屋とは雰囲気が違う、外観からしてとてもお洒落な店。
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「いらっしゃいませ。はい、杉崎様ですね、もうお席にお通ししています…こちらへどうぞ…。」
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