【完結 R18】ほかに相手がいるのに

～二人～

ふくらみ

杉崎さんの手が、一旦私の胸から離れ、浴衣の合わせ部分に向かう。

ドキリとする。
今度は…何も聞かれない…
そのまま…隙間へ杉崎さんの長い指が…

「あ…あの…」思わず、咄嗟に声が出る…。

「ん…？今度は…なにかな…？」
杉崎さんが手の動きを止めて、優しく微笑みながら…私を見つめる。

なにか…
面と向かってそう聞かれると、途端に何も言えなくなる…。
そもそも、私は何を言おうとしたのかも…もはや緊張で、わからなくなる…。

「いえ…」

「水無月さん…そんなに緊張しないで…大丈夫、君の嫌がることはしない…取って食ったりはしないから…。いや…わかんないな…あんまり…自信ない…かも…」

また、独り言のように小さな声で呟きながら、今度こそ、杉崎さんの指が、するりと…私の浴衣の隙間へ忍び込む。

「っ…あ…」
指が…浴衣の中に私が着ているキャミソールの上をすべるように動き、そのさらに奥へ…入り込む…。

ブラの…刺繡のある生地の上を、何度か…まるで私の小さな胸の形を確かめるように杉崎さんの大きな手がうごめき…ついに少しのブラの隙間から指が…直接私の胸のふもとの…ふくらみかけた部分に触れる…
熱い…杉崎さんの体温…を感じ…、
「んっ…あ…いや…」ビクンと…また、身体が跳ね上がる…

これ以上、恥ずかしいことをされ続けると、とても立ったままではいられない…

彼の長い指がさらに…じわじわと奥へ進む…私の胸の中心部へ近づき、ついに、小さな突起へ…触れ、そこも含めた胸全体を…ぐにゅりと…揉まれる…。何度も…何度も…　　ああ…　

「やぁ…や…あ…んっ…」

片方の胸だけにじかに指で触れられ…やわやわと揉まれ…声が…止められない…

杉崎さんの両腕を…浴衣の袖部分を…つかむようにして何とか立ったまま…その刺激に耐える…。

段々と…激しくなっていく杉崎さんの手の動き…

小さい…小ぶりの胸をわしづかみするような形で大きな手のひらで覆い、指で先端をつまんだりねじったりしながら…、同時に手のひらでささやかなふくらみを揉まれ続け…その刺激に…その状況に…頭がついていかない…。

「あ…や…ん、ああ…」

淫らな喘ぎ声…一体、誰の声なのか…信じられない…恥ずかしい…。
…敏感過ぎる場所ばかりを…狙ったように何度もせめられ…息が上がる…　


「はぁ…たまらない‥柔らかいね…ここ…。」杉崎さんが、そっとつぶやく。

「ああ…可愛い…　はぁ…　ね…、もう、見たいな…ここ…見ていい…？水無月さん…」
段々と激しく…強弱をつけるようにして胸を揉みしだきながら、そんな風に尋ねてくる杉崎さん…ずる…い……。
「あっ…んん…」…私の声は…もう、ちゃんとした声に、なってくれない
…淫ら過ぎる、女の…喘ぎ声…恥ずかしくて、たまらない…

杉崎さんの私を見下ろす目が…
いつもは優しい、眼鏡の奥の瞳が……　ギラリと…、黒く光った気がした…

「脱がせていい…？もう…全部、見たい…見せて…君の…全て…　…　おいで…」

杉崎さんが…私にゆっくりと手を差し出す。

戸惑って固まったままでいると、ぐいっと強引に腰を引き寄せられ、何歩か歩かされ…瞬く間に、布団に押し倒される…。

「あ…　っ…」両腕をついて、私をまたいで…見下ろす…一人の男…
拓海じゃない…彼氏じゃない…一人の、大人の男性…。憧れて…好きだと自覚した相手…杉崎さんが私を…欲情した目で見降ろしている…。

「水無月さん…浴衣コレ、脱がせるよ…　いい…？」
欲情して、上擦ったようなセクシーな…杉崎さんの声が、かろうじて耳に届く…。

私はコクリと頷いて、身体の力を抜いた…。