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~現実~
分不相応
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帰りのバスは比較的空いていた。
日帰り組が既に昨夜から数人抜けていたためにいくつか席に余裕があり、私は行きとは違い、一人でシートに座ることになった。
行きには杉崎さんが横に座り、不意に手を握られて心臓が跳ねたことを思い出す。
今となっては、手を繋ぐどころでは済まないところまで…。
冷静になると恥ずかしくてたまらない。
自分のコンプレックスの塊である小さくてささやかな胸を…杉崎さんにさらけ出してしまった。
杉崎さんは何度も可愛いと呟きながらそこに…最初唇でついばむように触れ、絶え間なく指と舌で、刺激を与えてくれたが…内心は…
…小さいな、なんか物足りない…なんて、思われているのかもしれない。
杉崎さんの彼女であるグラマーな林さんの胸と比べたら、きっと月とすっぽんだろう…。
林さんの胸は、同性である私から見ても大きくて形も綺麗で、洋服を押し上げるくらいの迫力がある。
当然、急ぎの仕事等で移動が小走りになる時など、彼女の動きに応じてぷるぷると揺れることもある。
男性陣が時々そこに視線を走らせてしまうのが良くわかる…私でもそうだ。
私の場合は性的な意味でなくただただ羨望、なのだけど。
林さんの身体からしたら、私の裸体なんて、貧相で貧弱、おまけに胸も小さくてお尻だって小さい…。
考えてみたら、良いところが見つからない。
杉崎さんのように経験豊富な大人の男性に似合って、なおかつ性的に満足させることができるのは、林さんのような大人の女性であって…私では不釣り合い…あまりにも分不相応なそんな気が、うっすらとしてくる。
杉崎さんは優しいから態度にこそ出さなかったものの、内心私の身体を見て、がっかりしたんじゃないだろうか…。
私はため息をつく。
私にも杉崎さんにも現在進行形で彼氏彼女がいるような状況で、昨夜のようなあんなこと…きっとするべきではなかったのだ…。
でも、どうしても止めることが出来なかった。
杉崎さんから連絡が来て、会って話がしたいと思い、会えば、杉崎んさんとキスがしたい…触れたいし、触れて欲しいと…押し倒されれば、彼の愛撫が気持ち良すぎて、いやだと抗いながらも、本能でその先を求めてしまう…
そんな淫らでいやらしい女の欲望がどんどんとエスカレートしていき、最後はその感情を抑えられなくなってしまった。
今までにこんなことは一度もなかった。
拓海という彼氏がいるのに、自分の欲望に負けてあんなことまでしてしまうなんて…私は本当に最近、どうかしている。
ブブブ… 突如、震える携帯。拓海だろうか…?バッグから取り出す。
送り主は杉崎さんだった…
何列か後ろの座席に座っている彼から、一通のラインが届いた。
『昨夜はごめんね…慌ただしく部屋に帰らせてしまって…落ち着いたらまた連絡するから、ゆっくり話をしよう』
「はい…昨夜はお邪魔しました。また、ゆっくり…」なんとかそれだけ文章を打ち込み、送信ボタンを押す。
これから私はどこに進んで行くのか
…絶対に避けては通れない拓海との対話…気が重い…。
色々と考えなければと思いつつもすぐにはどうすれば良いかわからず、
私は現実から逃避するように、ゆっくりと目を閉じた。
日帰り組が既に昨夜から数人抜けていたためにいくつか席に余裕があり、私は行きとは違い、一人でシートに座ることになった。
行きには杉崎さんが横に座り、不意に手を握られて心臓が跳ねたことを思い出す。
今となっては、手を繋ぐどころでは済まないところまで…。
冷静になると恥ずかしくてたまらない。
自分のコンプレックスの塊である小さくてささやかな胸を…杉崎さんにさらけ出してしまった。
杉崎さんは何度も可愛いと呟きながらそこに…最初唇でついばむように触れ、絶え間なく指と舌で、刺激を与えてくれたが…内心は…
…小さいな、なんか物足りない…なんて、思われているのかもしれない。
杉崎さんの彼女であるグラマーな林さんの胸と比べたら、きっと月とすっぽんだろう…。
林さんの胸は、同性である私から見ても大きくて形も綺麗で、洋服を押し上げるくらいの迫力がある。
当然、急ぎの仕事等で移動が小走りになる時など、彼女の動きに応じてぷるぷると揺れることもある。
男性陣が時々そこに視線を走らせてしまうのが良くわかる…私でもそうだ。
私の場合は性的な意味でなくただただ羨望、なのだけど。
林さんの身体からしたら、私の裸体なんて、貧相で貧弱、おまけに胸も小さくてお尻だって小さい…。
考えてみたら、良いところが見つからない。
杉崎さんのように経験豊富な大人の男性に似合って、なおかつ性的に満足させることができるのは、林さんのような大人の女性であって…私では不釣り合い…あまりにも分不相応なそんな気が、うっすらとしてくる。
杉崎さんは優しいから態度にこそ出さなかったものの、内心私の身体を見て、がっかりしたんじゃないだろうか…。
私はため息をつく。
私にも杉崎さんにも現在進行形で彼氏彼女がいるような状況で、昨夜のようなあんなこと…きっとするべきではなかったのだ…。
でも、どうしても止めることが出来なかった。
杉崎さんから連絡が来て、会って話がしたいと思い、会えば、杉崎んさんとキスがしたい…触れたいし、触れて欲しいと…押し倒されれば、彼の愛撫が気持ち良すぎて、いやだと抗いながらも、本能でその先を求めてしまう…
そんな淫らでいやらしい女の欲望がどんどんとエスカレートしていき、最後はその感情を抑えられなくなってしまった。
今までにこんなことは一度もなかった。
拓海という彼氏がいるのに、自分の欲望に負けてあんなことまでしてしまうなんて…私は本当に最近、どうかしている。
ブブブ… 突如、震える携帯。拓海だろうか…?バッグから取り出す。
送り主は杉崎さんだった…
何列か後ろの座席に座っている彼から、一通のラインが届いた。
『昨夜はごめんね…慌ただしく部屋に帰らせてしまって…落ち着いたらまた連絡するから、ゆっくり話をしよう』
「はい…昨夜はお邪魔しました。また、ゆっくり…」なんとかそれだけ文章を打ち込み、送信ボタンを押す。
これから私はどこに進んで行くのか
…絶対に避けては通れない拓海との対話…気が重い…。
色々と考えなければと思いつつもすぐにはどうすれば良いかわからず、
私は現実から逃避するように、ゆっくりと目を閉じた。
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