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〜2人の距離〜

抗えない

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確かに杉崎さんの側には扉がついていて…見ようと個室の中を覗き込まない限り、…見えることはないだろう…。

それでも…本当は…駄目なはずだ…

こんな場所で…そんなことを…大の大人がしていいはずもないのに…

私は従順に、彼の横にゆっくりと腰掛けた。


真横に、杉崎さんの逞しい上半身…。
肩の位置が随分私より高い…でも、そちらをまともに見ることが出来ない。

「いい子だ…こっち、向いて…」…少し高い位置から…甘くてセクシーな杉崎さんの声…が、耳に優しく届く。


「で…でも…ちょっと、恥ずか…し… あ… んっ!!…ん…」


驚くほどに強引に、私は横から伸びてきた杉崎さんの大きな手で顎をつかまれ、唇を奪われていた…。

「っ… んっ…! …杉…んっ…ん」

口内に、瞬く間に、舌をねじ込まれる…。

驚いて反射的に逃げるように動く私の舌に、杉崎さんの熱い舌を何度も絡められ… 息が上がる… 

「ん…ふ…っ…」 

息苦しさに、ゆっくりと目を開けると…獲物を食らいつくすような激しさをたたえた獰猛なオスの目が…私を、まっすぐに見つめていた…
逃れようと身じろぎをしても、片方の手が私の首の後ろをとらえて離さない…。

私の表情や、あげてしまう小さな喘ぎ声を…余すことなく拾うかのように…真っすぐに……彼が…目と耳で…

「んン…ん…」

くちゅ…くちゅ…と…お互いの舌が絡み合う…唾液が入り混じるような水音が耳をかすめて…羞恥心に火が付く。

も…これ以上無理…離れないと…

そう、頭の中で思った瞬間にあろうことか、杉崎さんに片方の胸を少し強めにぐにゃりと揉まれ「…ん…、んぅっ…!んンっ…」唇を塞がれたまま、くぐもった声を上げてしまう…

あ…あ…だめ… こんな… ところで私は…  何を… ダメ…

あまりの快楽に、身もだえながらも、私の少しの…理性がなんとか稼働し始める…。

杉崎さんを引きはがすべく、私が手で彼を押しのけようとした瞬間、
「ちゅっ…」という音を立てて、杉崎さんが私から唇を離す…。

「…ふ…う…」
まともに何も言えずに、杉崎さんを見上げると…


「ん…強引なことしちゃってごめんね…でも、甘かったな… ごちそうさま…」
そう言って、杉崎さんがペロリと自身の唇を舐め、私の頭をゆっくりと撫でる…。


もうダメだ…


私はこの先…この人にはきっと、逆らえない… 

抗えない…何をされても…
     きっと、許してしまう…


私はゆっくりと、彼を見つめた…。



















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